問題作は少女を乗せて。

いざ、エンカウント！

「あっ、なんか緑色のバランスボールみたいな奴がいるなぁ」

しばらく歩いた所で、私はつぶやきました。

私の視界をバランスボールがぴょんぴょん跳ね回っていますよ。

騒音がすごいですよ。

公害じゃないですか、おもちゃじゃないんですから正しく使いましょうよ。

いや、違いますよ。

バランスボールは自らの意思で跳ね回りませんよ。

じゃあなんなんだ？

スライムですよ。

初モンスター！

……こんだけ歩いてやっと出会いましたよ。

ぶっちゃけ退屈でしたよ、一向にモンスターを見かけないんですから。

寂しかったですよ、ウサギじゃないけど死ぬところでしたよ。

なんとか一命を取り留めました。

初デスが孤独死じゃ笑えませんよ。

私の冒険はこれからですよ！

……あっ、何か打ち切り臭くなりましたね。

次回作にはまだご期待しないでください、まだまだ続きますよ。

で、何でしたっけ？

あっ、そうそうモンスターですよ！

……記憶力。

記憶力が残念過ぎる、こんなゲームしてないで、脳トレしろよって感じですが。

……まあ、トレーニングは始めたところで、三日坊主で終わるでしょうけど。

いやまて、三日ってすごくないですか？

三日も継続できたら大したもんじゃないですかね。

前言撤回、私なら二日、いや一日坊主ですかね。

……もうちょっと頑張れよ、って感じですが。

まあ、私が今、頑張るべきはそんなことでなく、このモンスターの取り扱いですよ。

取り扱いって、何をするのか？

決まっているじゃないですか。

ぶっ倒して、経験値に還元するんですよ！

……野蛮人かよ。

まあ、そんな野蛮なことをできるのも、仮想世界ならではですよ。

……まあ、限度はありますよもちろん、何事にも制約はつきものですから。

その辺は個人個人のモラル？

なんかそんな感じのやつでいい感じにしていきましょうよ。

……何かいいことを言おうとして、グダグダになってしまった。

もう少し考えて発言しましょうよ、って感じですが。

戦闘、行っちゃいますか？

……行っちゃいましょう！

私は目の前のスライムに急接近しました。

二人の距離が急接近。

恋の始まりの予感。

……予感ですからね、実際には始まらないですよ。

始まるのは血生臭い、修羅場ですよ。

まあ、このゲームは流血表現はないんで、血の臭いはしませんからね。

安心してください、全年齢対象です。

産声を上げた赤ん坊から、死にかけの老人まで、老若男女が楽しめます。

……保証はしません。

その辺は自己責任でお願いします。