いざ、フィールドへ!

「うわっ、すごい広い」


カスみたいなコメントが、広大な大地に響き渡りました。


そうです、出ましたよフィールドに。


いやぁ、いよいよ、いよいよ始まった感じがしますね。


そりゃあテンション上がりますよ、鯉のぼりですよ。


端午の節句。


……何を言っているんでしょうか、一旦落ち着きましょうよ。


ええ、そうですね、荒れ地にポツポツと草木や岩場が存在する、よくある初期ステージって感じのフィールドですよ。


じゃあ、どうしますか?


とりあえず歩きますか。


はじめのいーっ歩……あっ、足が動かない……あっ、動いた。


ラグ!


ちょっとしっかりしてくださいよ!


致命的じゃないですか、呼吸合わせていきましょうよ!


二人三脚は速さより呼吸の強さがものを言うんですから!


……なんですか呼吸の強さって、肺活量かなんかですか?


もう、またしても出鼻をくじかれちゃいましたね。


おイタがすぎますよ。


まあ、口を尖らせていてもしょうがないんで、進みましょうか。


とりあえず道なりに……と、看板がありますね。


読んでみますか。


『ここは始まりの大地』


……壮大。


何かとてつもない冒険の幕が開きそう。


いや、確かに始まりの大地ですよ、言ってることは間違っていない。


でも、ちょっと厳格すぎじゃありませんかね?


これがこのフィールドの名称なんですかね、ちょっと取っつきにくい感じがなきにしもあらず。


まあ、ロマンチックで嫌いじゃないですよ。


冒険はロマンですよ。


楽しんだもん勝ちですよ。


進みましょうか。




「おっと、あれは?」


道を踏み歩く私の眼前に、ひとつの岩があらわれました。


どことなく、その辺の岩より大きめに見えますね。


これはなんかあるんじゃないですか?


私は岩に近づきました。


あっ、何か岩の影が光ってる。


この光はもしかしなくても……。


私はその光を手でつかみました。


そう、アイテムですよ!


記念すべき初アイテム!


なんなんでしょうか?


『ガーゼを手に入れた』


汚ね!


不衛生極まりないじゃないですか!


使えないですよこんなもん、ただのゴミじゃないですか……。


……まあ、貰っときましょう。


貰えるものは消しカスでも貰うのが私のポリシー。


……広場に戻ったらキチンと廃棄しておきますよ。


ゴミはゴミ箱へ。


……いや、やっぱ消しカスはいらないですね。


まあ、なんか期待を裏切られ、気落ちしてしまいましたが、環境保護に一役買ったと思い込ませるしかないですね。


……なんでわざわざゴミを配置しておいているんですかね。


嫌がらせなんでしょうか。


雲行きが怪しいですが、顔は曇らせずに、笑顔で進みましょうか。

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