今の流行りはロールプレイ
橘がクッキーへの謝罪を終えてから数十分が経った頃。
――クッキーと仲良くするふりをする、という橘の作戦は順調に進んでいた。
「列車Aと列車Bが同時にA駅とB駅を出発しました。A駅とB駅の間は406.36km離れています。列車AはB駅に向かって時速200.69kmで進んでおり、列車BはA駅に向かって時速407.97kmで進んでいます。両方の列車が午前10時に出発し、今10時8分の場合すれ違うまであと何分ですか?」
「32.058分」
「えぇ……即答……?」
「そのくらいなら中学レベルの問題だし余裕やな。理数なら校内でもほぼトップテン入りなんで」
応答速度はさることながら答えも当たっている。何となく難しい問題を出して困らせてやろうと思っただけなのに、クッキーの天才ぶりが露呈しただけである。
だったら、
「
「
別の角度から攻めたところでそつなく答えてしまうのだから、クッキーが博識で成績優秀なのはもはや間違いない。少なくとも橘よりはずっと頭が良いようだ。
「おいおい……資格はあっても死角なしってか? これじゃFランいじりができないよ」
「いやいじるなよ。しかも僕高校生。まぁ、さっさと今のところ抜け出して壱岐巣義大学に進学したいし。勉強はそれなりかな」
まんざらでもなさそうに、さらりと国内偏差値トップ校への進学をほのめかすクッキー。
ゲーム内のプレイヤーたちの高学歴自慢なんて、太公望を除けばほとんどが見栄っ張りのホラ話だ。しかしこれほど至高の領域にある解答を繰り出せるのであれば普通にあり得る話。
人間性と学業成績は必ずしも比例しない。
「僕なんか、頑張っても数学だけは赤点をギリギリ回避するレベルなのに。こんなの、あんまりだ……」
なぜこんな奴に負けるのか――と、劣等感でうなだれる橘にクッキーは呆れたようなため息をついて、
「じゃあこっちはもっと頑張ってるってことやな。あと、わからない部分あったらいつでも言っていいよ」
「と、言うと?」
「教える」
なかなか意外な返答だった。まさかクッキーが人に何かを教えるという行為をするとは思ってもいなかったから。
「……ふーん」
決して良い奴だなんてミジンコほどもクロレラほどもいやミドリムシほども思っていないけれど、素直に称賛できる部分はあるのだろう。
そのうち勉強でも聞くかと橘が考えていると、クッキーは「あ、話は変わるんだけど」とそこで話題を変えた。
「良かったら橘もうちの団に来ない? ギルドイベントも近いから人増やしたいんだよね」
このゲームには『空挺団』と呼ばれるギルドが存在する。所属していれば、団員同士で貢献度を稼ぐギルドイベントに参加できるようになるのでメリットは大きい。
しかも報酬がかなり美味しいのでイベント中はガチ勢の本気度が目立つ。報酬のために一日中ログインし、食事やトイレを我慢して貢献度を稼ぎ続ける者までいるのだ。
「団、か……」
橘は過去に団員同士でトラブルを起こしたり、「ギルドチャットには何でも書き込んでいいよ」と言われて脱糞コメントを書いたら退団させられたりした経験があるので現在無所属だった。
けれどクッキーと同じギルドになれば話す機会も増えるわけで、彼に探りを入れるにはちょうどいいかもしれない。
「いいよ。じゃあ君のところに入る。よろしくね」
招待から入団したのと同時に、ルームが時間切れで消滅する。だから橘は一人で船の甲板に腰掛け、ギルドのチャットログをざっと眺めた。
『次のイベントボスは光属性有利だから光強化しとけよ』
『ライトフラワーってアイテム手に入ったんだけど何に使えばいいの?』
『アビリティ解放に使うやつやで。あとでゼウス自発するから一緒に素材集めやろ』
『本日入団しましたーよろしくです』
どうやらクッキーが団長らしく、こんな具合でイベントや戦力についての話題が主に書き込まれている。
予想外だったのは空想少女の存在だ。
ついこの前までクッキーと空想少女は初対面だったはずだが、橘の知らないうちに二人は親睦を深めていたらしい。ギルドチャットにはこの二人の書き込みが特に多く、ゲームに関係のない趣味や日常などの取り留めのない会話もしている。
『一人で倒せないよー。クッキーお兄ちゃん手伝って!』
『はぁ、しょうがないなぁ。すぐ行くから準備しといてくれ』
「お兄ちゃん、ね……」
それにしても仲が良すぎる、とは思う。クッキーとの初対面時に橘がルームから蹴られて以降、彼らがどのようななやり取りをしてここまで至ったのか気になって仕方がない。
そのまま彼らの会話ログを辿っていたときだ。
「――ん?」
不意に生じた違和感。それをはっきりと認識した瞬間、橘は目を疑った。
『むぎゅー!』
『ちょ、おい放せって』
それはクッキーと空想少女の実に仲睦まじいやり取り。会話ですらない、人間性を放棄した家畜の戯れと呼べる内容だ。
他の団員の存在など忘れたように、二人の世界に入ってじゃれあっているログがずらりと並んでいた。
「ギルドチャットで何してんだ、コイツら」
背筋を悪寒が駆け巡り、妙な吐き気と気持ち悪さを錯覚してしまうほどに内容がヤバい。マイナスからゼロになったクッキーへの評価がセルシウス度に急降下する勢いである。
「……ふぁっくゆー」
それなのに橘の手は反射的に、その会話ログを写真に保存していた。
無表情のまま保存し終えると即座にウィンドウを閉じる。どうせこのログはすぐに流れて見えなくなるだろう。
――だから、自分は何も見なかった。そう、何も見ていない。
※※※※
「なぁなぁ空想、ラクリモサ集めたいから一緒にハデス倒しに行かない? 自発素材は僕の奢りで」
「えーやだー、めんどくさい。クッキーお兄ちゃん強いんだから、代わりに倒してきてよ」
橘の作った雑談部屋で二人の男女がイチャついている。天然パーマが特徴的な眼鏡の少年風アバターと、ピンクのフリル付きの服を着た少女風アバター。
「そう言わずに来いって。ちゃんと倒せたらご褒美もやるから」
「ご褒美くれるの!? 嬉しいっ、お兄ちゃんむぎゅーっ!」
彼女は触れないにも関わらず腕を広げてハグの真似事をする。体をすり抜けるだけの行為に少年の方はまんざらでもなさそうだ。
普通に見れば微笑ましいはずの光景だが、傍から眺める橘は気持ちの悪さで顔がひきつりそうだった。
――クッキーと空想少女の距離が異様に近い。
つい先程目にしたギルドチャットと、空想少女のネット彼氏が変わったという噂から考えれば彼らの距離感も納得がいくものだった。
「いや確かにロールプレイングゲームだけど、そうじゃない」
不愉快なら部屋主権限でルームから彼らを追い出せばいい。と言われても残念ながら無理である。
空想少女はともかく、クッキーとはせっかく親睦を深めてきたのに今ここで追い出したりしたら関係に亀裂が入る。どうしても彼の顔写真を入手するため、仲を壊すような行動は我慢するしかない。
しかし、
「放せよ。んじゃ手錠つけて媚薬飲ませて野ざらし……っておい、やめろ」
「やだ! 遊んでくれないならこっちもクッキー押し倒しちゃうもんね! ごそごそ……」
「は?」
彼らの仲睦まじいやり取りは次第に熱を帯び、本気で笑えない方向にエスカレートしていく。外野など視界にすら入っていないようで、ちゅぱちゅぱと気味の悪い音まで出し始めた。
離席している者が多いとはいえ、ルーム内には未成年のプレイヤーも何人かいるというのに。もうどうしようもない、と橘が絶望しかけたそのとき――、
「……何これ」
男性用ボイスとともに入室してきたのは、一人の男性アバターのプレイヤーだった。
空想少女とクッキーを見た瞬間、彼はサッと顔を引きつらせて、
「……悪い、邪魔したっぽいね。んじゃ俺は失礼しま――」
「ほのるる待てぇッ! 部屋を抜けるな!」
ウィンドウの退出ボタンを押す直前、橘の鋭い制止に彼――ほのるるは驚いてこちらを振り向く。
「うお、ビビった。橘いたんだ」
「退出なんてつれないことしないでさ。君も一緒に雑談……しようよ」
「お、おう」
ほのるる――橘のフレンドの一人で、そこそこ雑談部屋にも顔を出す二十代くらいの男性プレイヤーだ。
悪ふざけの多い雑談部屋のメンバーの中では良識的で大人びた雰囲気が目立ち、冗談で場を和ませたりするムードメーカーでもある。誰もでも友好的に接する寛容な性格から皆の相談役になることも多々。ちなみに彼とオフ会した者の話によればほのるるは高身長イケメンだったらしい。
「あ、ほのるるさんこんにちは。はじめまして」
それまで空想少女と話していたクッキーは、こちらの様子に気づいて声をかけてきた。ほのるるは困惑しつつもいつもの気さくな印象で挨拶を返す。
「君がクッキーくん……かな? はじめまして」
「あの、僕が自発するので良ければ一緒にハデス行きませんか? 素材集めたいんですけどあのボス相手に一人じゃあれなので。橘も来る?」
「ふむ、まぁ……」
通常マルチバトル用ボス『ハデス』であればそこそこ報酬も良い。それならば、行ってもいいかな――と橘が返答しようとしたとき、新たな入室者の声がルーム内に響いた。
「ヒナノ降臨! みんなやっほー!」
両手でピースを構え、星が飛ぶようなウィンクとともにやってきた美少女。彼女がいつも雑談部屋に入室する際のお約束の挨拶だ。
「あ! 橘さんとほのるるいるじゃん、やっほー」
名前を呼ばれた二人も彼女の挨拶に返事をする。橘同様、ほのるるも雑談部屋でヒナノと話が合うことが多く、それなりに仲の良いメンバーの一人。
「ヒナノ久々に見た気がするな。学校楽しんでるか? 気になってるって言ってたイケメンとは話せた?」
「その人とは目が合っただけ話せなかったんだ。だから次は頑張ってみようかなって。橘さんも応援してくれたし!」
ちなみに実年齢で言えば橘よりほのるるの方が五歳ほど年上だが、ヒナノが敬称を付けて呼ぶのは橘のみ。それは彼女にとって雑談部屋内での印象が、橘は『先輩』、ほのるるは『近所のお兄さん』という感覚だかららしい。
ヒナノと談笑するほのるるは、「あー、そうだった」と先程の話の続きを思い出してクッキーに向き直る。
「クッキーくんの誘いは嬉しいんだけど俺はいいや。ハデスは橘と二人で行ってきなよ」
「……ふーん。ほのるるは来ないんだ……へぇ、そう……」
「悪い。今は気分じゃないっつーか、な」
わざと意味ありげに呟く橘に、片手をあげるほのるるの視線には「申し訳ない」という色が含まれている。そこまでして断る程度にはクッキーへの印象が良くないらしい。
「じゃあ行こうか、橘。今自発するから、IDでマルチフィールドに入ってきて」
そう言ってクッキーはすぐに準備を終えてマルチバトルを自発する。そばで「がんばれー!」と応援してくれるヒナノに笑顔で反応しつつ、橘も戦闘の準備をした。
※※※※
使用頻度の高い『ガンスリンガー』に着替えてマルチフィールドに入ると、巨大なダークドラゴンが目の前に佇んでいる。
クッキーは『学者』のジョブに着替え、先に準備をして橘を待っていた。
そしてこちらが入ってきたのを存在を確認するとすぐにバトルIDを非公開に設定する。つまり今いる二人以外のプレイヤーは、誰もマルチフィールドに入って来られなくなったということ。
『二人だけで戦いたい』なんて聞いた覚えはないのにな。と、クッキーの行動の意図を訝しんでいたら、彼は唐突に「なぁなぁ」と話を切り出した。
「橘、ちょっとこれを見てほしいんだが」
そう言ってウィンドウを拡大し、個人チャットでのやり取りを見せてくるクッキー。文面をよく見れば、クッキーと話しているのは空想少女だ。
「ん――んん!?」
内容を見た瞬間、あまりにもおぞましいそれに橘はまたしても自分の目を疑った。
『クッキーのことが気になっててね、それで好きなんだ。もし、よければ私と付き合ってください』
――空想少女が、個人チャットでクッキーに告白していたのである。しかも、
「こいつ勘違いしてやがる! 抱腹絶倒ですわ」
クッキーはげらげら笑って空想少女の告白を馬鹿にした。先程まで彼女とべったり馴れ合っていたのは全部遊びだったとでも言いたげに、心底面白おかしく笑う。
色々な意味で頭が痛くなる事実に橘はこめかみを抑えた。
――嘘だろ、地獄同士がくっついたら蠱毒になっちまう。
空想少女がネット上で作った彼氏はもう十人以上。次々と彼氏をとっかえひっかえしてきているので、今さらクッキーと付き合うのも抵抗はないのだろう。
不思議なのは、初日にあれだけブスだとか言われて馬鹿にされた出来事を忘れたのかということ。
あれ以降、橘がいない間に二人は親睦を深めていたようで、ギルドチャットの例のログからもその様子は伺えてはいたが、まさか本当に恋愛に発展していたとは――。
「こいつに付き合ってとか言われてもさぁ……これってどうすべきかな?」
クッキーは馬鹿にした言い方をしつつ、何かを期待するような笑みを浮かべてもいる。
だから橘は、
「嫌じゃないならしばらく付き合ってみたら? 案外楽しいかもしれないでしょ」
――お前らゴミ同士お似合いだよ。
そんな本心とは全く違う返事をすると、クッキーは、
「んー、確かにな。んじゃ、しばらくは遊んでやるか」
案の定、乗り気だったのである。
長く見てきたからこそ橘は知っているが、空想少女はネット彼氏を作っても一週間もしないうちに飽きて別れる。彼女のことを知らないクッキーは『自分が遊ぶ側』に回り、飽きたら『捨てる側』になれると信じているのだ。
「これからどうなるか、楽しみだね」
二人は一体どんなふうに面白おかしく破滅してくれるのだろう。
そんな期待に満ちた言葉だとは知るよしもなく、クッキーもまた橘に笑い返す。
「そうだな。――ところでさ」
と、彼は唐突に話題を変えた。
「――橘はネット恋愛ってどう思う?」
またしても予想の斜め上をいく質問。例のごとく「……は?」と声が出るのと同時に、「なぜこのタイミングでそんな質問をしたのか」という、もやっとした疑問が生まれる。
たった今空想少女の話題が出て、馬鹿だなコイツと笑いあった直後にそれを聞く意図とは一体。
「どう思うと聞かれても……反対派ではあるよ。まぁ本人たちが楽しいなら好きにしろって感じだけど」
「もし自分が誰かを好きになったらどうするん?」
「――あり得ない!」
咄嗟に大きな声で反論してしまい、気まずくなってこほんと咳払いをする橘。やや驚いたようなクッキーから目をそらして眼前のボスに視線を移し、
「僕は誰も好きにならない。同様に、誰も僕を好きにならない。恋愛感情という存在が気持ち悪くて受け入れられないから、ネットもリアル関係なく恋愛とは無縁だよ。と、長話もなんだしそろそろバトルを始めないかい? ルームの連中も寂しがってるだろ」
早口で捲し立てるように言ってから、そそくさとジョブ用の武器を構える。明らかに「その話題は辞めたい」という空気感をかもしだす態度。
自分で言っておきながら、橘は今の発言をかなり馬鹿馬鹿しく感じてしまった。クッキーなんかに本音を明かしたってしょうがないのに、と。
そんな内心を知ってか知らずか、クッキーは「ふーん」とそっけなく相づち。
「そう。変わってるね」
「そのセリフ聞き飽きたし君が言うな――――『アサルトバレット』」
そう言うと橘は合図もなしにアビリティを発動する。バトルの開始を意味するそれに、クッキーもまた戦闘体制に入ってようやくマルチバトルは始まった。
※※※※
「クッキーお疲れー」
「おつおつ」
無事にバトルを終えて報酬をゲットし、二人でルームに戻ると、雑談風景はとてつもなくカオスな雰囲気に変貌していた。
「やっと戻ってきたか。橘何とかしてくれ……」
とても困った様子で懇願するほのるる。彼がこれほどげんなりしているのは、目の前で空想少女とヒナノが非常に騒がしく言い争っているからだった。
「喧嘩売ったのはそっちだからな。どっちが本当の姫にふさわしいか、この際はっきりさせてやるよ」
「めんどくさ……こっちは忙しいし興味ないから、一人でやっててくれない?」
勝負に持ち込もうと熱をあげるヒナノを、空想少女はだるそうにあしらっている。
ほのるるの話によれば、最初にヒナノが空想少女に対して「クッキーとイチャつくなんてキモい」と言った。次に空想少女が「貧乳だから僻んでるんですか?」と言い返し、ヒナノが「貧乳」というワードにぶちギレて戦争をすると言い出した。
――というのが事の顛末らしい。
ちなみに『姫』とは、いわゆる『オタサーの姫』というフレーズの姫が意味的に当てはまる。
「なるほど……それは空想が悪いな。だってヒナノのフリーメイソンに触れちゃったんだから」
「ふりーめいそん?」と首を傾けるほのるるに橘は、
「地雷を踏んだってことだよ」
「あぁ……なんか、アレだな。雑談部屋って来る度に何か起こってるよね。普通に平和な時ってないの?」
「退屈しなくていいじゃん」
「勘弁してくれ。そういうのは三回に一回くらいでいい」
ヒナノ曰く『薔薇戦争』という名前になり、どちらが『雑談部屋の姫』にふさわしいかを決めるという争いらしい。その勝ち負けを決める方法も、近々行われるギルドイベント用ボス『レイドオブローズ』討伐戦でMVPを取れた方が勝ちになるとのこと。
彼女らが言い争いに白熱する中、クッキーはヒナノに向かって、
「そうやって僻むのは醜いぞ。まぁでも僕は貧乳の方が好みやで」
「は? マジキモいんだけど」
ヒナノは本気で気持ちが悪そうに睨み、そこでドン引きしたせいか若干静かになる。
元々ヒナノと空想少女はそれほど話す仲でもなく、互いに雑談部屋で見かける程度で興味はないという感じだった。だからこの機会に本音をぶつけ合うことで、二人の距離が縮まる可能性もなきにしもあらず。
ある意味しょうもなくて平和だな、と橘が温い目をしていると、クッキーはふいに橘の隣にやってきて、
「なぁ。そういや橘って――――」
「え?」
次の言葉を聞く前にぶつり、と音もプレイヤーも消え、景色が別のものに変化する。草木のある公園風景が、真っ青な空と船のある無人の空間に。
ルームが時間切れになって消えてしまったのだ。
それにしても、
「橘って男、女どっち。か……」
クッキーはなぜわざわざそんなことを聞いてきたのか。元より彼の発言を理解できたことが今まであるかと問われれば微妙だが、どうにも気になりだすと止まらない。
いつもの勘が働いたのか、ほんのわずかに良くない感じがしたのは、単なる考えすぎか気のせいだろうと橘は結論付けた。
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