FILE15「僕は名探偵」

「っはー、しかしこれが学校か……中に入るのは初めてだな……」


 廊下をキョロキョロと物珍しそうに眺める家綱の隣りで、ボクは少し恥ずかしそうにため息を吐く。


「気持ちはわからないでもないけど、恥ずかしいから普通にしててよ。ていうか、こないだボクとロザリーで学校には入ったじゃん」


「あーまあ、一応、な。つっても、俺が俺として学校ン中に入るのはこれが初めてだろーが」


 別の人格に切り替わっている間、家綱の意識はあまりはっきりとしていない。別の人格で体験したことは、まるで夢の中での記憶みたいにおぼろげだという話だ。


 家綱は事情が特殊で、生まれた時から大人だったせいで学生を経験したことがない。それを考えると学校の中でこうなってしまうのはわからないでもないんだけど……。


「む、誰だね君達は」


 ボクと家綱が話をしていると、不意に後ろから声変わりしたてのハスキーボイスが投げかけられる。すぐに後ろを向くと、鹿撃ち帽――シャーロックハットをかぶった小柄な少年がココアシガレットを咥えてこちらを見ていた。


「あ、こんにちは。ここの生徒さんかな?」


 屈んで少年に視線を合わせてそう問うと、少年はムッとした表情を見せる。


「見ればわかるだろう。僕はこの罷波第二中学の頼れる探偵……小林こばやし吉郎よしろうです。どうぞ、よろしく」


 少年――小林くんはそう言って帽子を取って一礼する。すると、家綱がピクリと反応を示した。


「ちょっと待った!」


「おや、なにかねおじさん」


「誰がおじさんだコラ。どう見てもお兄さんだろーが坊主」


 小林くんの方へ歩み寄り、彼の頭をポンポンと叩く家綱。それに対して小林くんは余裕たっぷりに笑って見せる。


「おおこれは失礼。して、お兄さんが僕の中学に何の御用で? そもそも、僕はまだ最初の質問の返答を受け取っていないのだがね」


 そう言って小林くんはすました表情でココアシガレットを二本指でタバコのように持ち、深く息を吐く。


 ……面白い子だなぁ。


「っと……そりゃ悪かったな」


 家綱はそう言うやいなやボクのバッグに手を突っ込み、中のソフト帽を取り出すとそっと自分の頭に乗せた。


「ちょっと家綱――」


「俺はこの町の頼れる”探偵”……七重家綱だ。どうぞ、よろしく」


 恥ずかしいから張り合わないでよ、を言わせてもらえないまま、家綱はキメ顔でそんなことをのたまう。正直他人のフリをしたかったけど、小林くんは笑うどころか悔しそうに眉をひそめている。


「…………ふ、そうか。君が噂に聞く探偵……七重家綱か。最近は随分と活躍しているようだね」


「まあ、な。何、大したことじゃねえよ。俺くらいの探偵になりゃ、噂の一つや二つ……」


「ペットレスキュー七重家綱」


「おい」


「パチンコクソ野郎七重家綱」


「おいコラ」


「競馬でブチギレ七重家綱」


「テメエそんな話どこで聞きやがった! もっとあンだろ! イケメン探偵七重家綱とかよォ!」


 いや、ないだろ……。


「そんな話、僕は聞いたことがないな! 父上のご友人がよくパチンコ屋や競馬の会場で君を見かけるそうだ! とんだ名探偵だな!」


「ぐ……テメエ……!」


 子供相手に反論出来なくなる探偵の助手か、ボクは……。


「それよりもそちらのかっこいいお姉さん。どうでしょう、だらしない彼よりも僕の助手になるというのは……」


 小林くんは素早くボクの前にひざまずくと、そっとボクの右手を優しく取る。こうして正面から見るとすごく整った顔立ちをしていて、少し日本人離れして見えた。


 ……かっこいいお姉さん、か……。始めて言われたけど結構嬉しいな……。


「……結構良いかも知れない」


「由乃ォォォォォォ!」


 ああ……後ろでだらしない方の探偵が何やら騒いでいる……。


「こら小林くん。校内でのお菓子と帽子はダメだと言ったハズですよ」


 そんなやり取りをしていると、ふと職員室の中から三十代くらいに見える一人の男性教員が現れて小林くんをたしなめる。そして家綱をチラリと見て、あなたも、と呆れたようにため息を吐いた。


「あ、すんません……」


 慌てて帽子を取る家綱と小林くんを交互に見つつ、ボクは何しに来たんだっけ……と思い返すはめになってしまった。








 この依頼がボクらの事務所に舞い込んできたのはつい先日の話だ。


 ここ最近、町でひっそりと続いている連続殺人事件……。警察が手をこまねいている事件の調査を、ボクらは被害者の遺族の方から依頼されたのだ。


「七重さん、生徒と仲良くしてくれるのは嬉しいのですが、あまり騒がないでもらえますかね」


「あっはい、すんません……」


 苦笑いする男性教員――甲田佐久こうださく先生に、家綱は恥ずかしそうに平謝りする。小林くんは既に教室に戻っており、この場にいるのはボクら三人だけだ。


「今の子……その、探偵なんですか?」


 少し冗談っぽくボクが問うと、甲田先生ははい、と答えて笑みをこぼす。


「憧れているみたいで、将来の夢は探偵だといつも言っていますね。あの帽子も没収しない限りはいつもかぶってきますよ」


「そうなんですか……」


「最近は、例の事件についても調べているみたいで……。危ないからやめなさいと何度も我々から注意はしているんですがねぇ……」


 例の事件、というとボクらが調査している殺人事件のことだろう。この罷波第二中学からは既に二名の被害者が出ていて、どちらも生徒だ。もしかすると、小林くんの友達だったのかも知れない。


「……校内では特に変わったことはありませんか? 些細なことでも構いません」


 帽子を外し、気を取り直した家綱が問うと、甲田先生は困ったように小さく唸る。


「それが……思い当たるものがないんですよね……。私が知らないだけかも知れませんが、学校内は至って普段通りだと思います」


 甲田先生はそう答えた後、やがて悲しげに目を伏せてから右手で頭を抱えてみせる。


「……痛ましい事件です……。何故生徒ばかり……それも女子生徒ばかりを……!」


 そう、この事件の被害者は甲田先生の言う通り女子生徒ばかりだ。全員が無残な焼死体となって発見されており、パッと見では身元の特定が難しいくらい酷い状態になっているらしいのだ。


 依頼人から聞いた話を思い返しながら顔をしかめるボクだったけど、ふと甲田先生の右手に目がいく。手の甲に酷い火傷痕のようなものがあり、これも結構痛ましい。


「あ、これですか?」


 ボクの視線に気づいた甲田先生は、スッと右手の甲をボクの方へ見せてくる。


「あ、いえ、すいません! そういつもりじゃ……」


「ああいえ、良いんですよ、気になるものは仕方ないので。これは、私が子供の時に火遊びでつけたものです。今もこうして痕が残ってしまって……バカなことをしたものです」


 大人になってもあれだけ傷跡がはっきりと残っているなら、多分かなり酷い火傷だったのだろう。少し想像しただけでも恐ろしい。


「……火傷の痛みをはっきりと覚えている分、彼女達のことを考えると居ても立ってもいられないですね……」


 少し口惜しそうに甲田先生がそう言うと、家綱は小さく息をついてからまっすぐに甲田先生を見据える。


「安心してくれ。これ以上の被害者は俺が出させねえ。こんな事件は俺達がさっさと終わらせてやる」


「……そう、ですか……。ありがとうございます、頼もしい方ですね」


 家綱の言葉に、甲田先生は一瞬驚いたような表情を見せたけど、やがて穏やかに笑って見せた。


「家綱、敬語敬語。今回は珍しく使えてると思ったのに」


「あ、わり……じゃなかったすんません……」


 怒られた手前何となく敬語になってたみたいだけど、結局家綱は敬語が苦手みたいだった。






 一通り学校内での聞き込みはやってみたけど、特別新しい情報は得られなかった。第二中の被害者二名、高坂結子と前川美香は素行があまり良くない、という共通項こそあったもののそれ以上の関係性は見つからなかった。


「うーん……それに二人共かなり離れた場所で見つかってるのが気になるなぁ……」


 高坂結子は自宅とかなり離れた林の中で発見されていて、前川美香はそこ何キロも離れたトンネルの中で発見されている。犯人は車を使ってわざわざ別々の場所へ死体を遺棄したのか、それとも犯人が複数人いて別々の場所に潜伏しているのか……。


「ねえ、家綱は――――あれ、家綱?」


 中学校からの帰り道、隣の家綱に話しかけながら考えていたんだけどいつの間にか隣に家綱はいない。首を傾げながら辺りを見回していると、近くの公園からやけにテンションの高いカタコトの日本語が聞こえてきた。


「コレガ本場ノ……メッチャ、高イ高イデーーーーーース!」


「ああっ!? やり過ぎでしょあれ!」


 遠目からでもわかるくらい男児が空高く吹っ飛んでいた。


「アントン何やってんのさ!」


 慌ててボクが駆け寄った頃には既に、男児はアントンの腕の中に収まっており、楽しかったのか少しはしゃいでいるように見える。


「すげー! おっちゃんすげー!」


「君達モ、沢山食ベレバコノクライ出来ルヨウニナリマース! 未来ハ無限大デース!」


「デース! デース!」


 アントンの回りには子供が男女問わず集まっており、皆楽しそうにアントンに話しかけたり服を引っ張ったりしている。どうやらボクが考え事して目を離している間に、公園の子供に惹かれてアントンが出てきてしまっていたようだ。


「ねーちゃんおっちゃんの彼女か!?」


「あ、いや、違う……かな。うん、違う」


 なんかアントンは微妙に残念そうな顔してるけど違うよ……。


「ソウデース……ドウヤラ、愛ハ一方通行ダッタヨウデース……」


「……はいはい、アントンが好きなのはボクじゃなくて子供でしょ」


「……ソレモソウデシタ」


 まあそれはそれで危ないっちゃ危ないんだけど……。


 子供達は修羅場だ修羅場だーだなんて、どこで覚えてきたのかもわからない単語で囃し立てて楽しそうに走り回っている。まあ、アントンも子供達も楽しそうだしとりあえず良いか、とついついボクもその微笑ましい光景を眺めてしまう。


 しばらくその光景を眺めている内に、子供達は集まって別の遊びを始めてしまい、アントンの回りから子供が離れていく。アントンもボクも追いかけずにそれを眺めていると、不意に小さな女の子がアントンの元へと駆け寄ってきた。


「……あの、おじさんって……強い?」


 アントンを見上げながら、女の子は少し不安げに問う。すると、アントンはスポーツ選手顔負けの太い腕で力こぶを作ってから歯を見せて笑う。


「勿論デース! ドンナ奴モ、コノ筋肉デ一撃デース! 場合ニヨッテハ二発目モ叩キ込ミマース!」


「そうなんだ……!」


 アントンの言葉を聞いて女の子は少し安心したような様子を見せると、アントンの服の裾をギュッと握った。


「あ、あのね……この前ね、お姉ちゃんの友達が……いなくなっちゃって……お姉ちゃん、泣いてるの……悪い人がね、お姉ちゃんの友達を遠いところに連れてっちゃったって……」


「そ、それって……」


 多分、今ボクらが調査している事件のことだ。きっとこの子は、被害者の友人の妹なんだろう。


「……任セテクダサーイ……。必ズナントカシテミセマス……。ソシテ、君ノオ姉チャンモ、守リマス」


「本当!? ほんとに!?」


「ハイ、イギリス人嘘ツキマセーン」


 そう言ったアントンと指切りをかわすと、女の子は嬉しそうに子供達の輪の中へと戻って行く。その背中を見送った後、アントンは力強く両手を叩いた。


「サア、商店街ニ聞キ込ミニイキマショー! 善ハ急ゲデース!」


「……だね!」


「デモ、急ガバ回レトモ言イマース……」


「……そういうのは併用しなくて良いんだよ……」


 どちらにしても、この事件を絶対に長引かせてはいけない。はやく終わらせないと……。






 公園を出た後、ボクはそのまま商店街へ向かう。しばらくはアントンのまま隣りにいたんだけど、気がつけばその人はボクの手を握ってべったりと張り付いていた。


「あ、あの……周りの人、見てるんだけど……」


「ふふ……見せているのよ。ごめんなさいね、私ばかりがこんなかわいらしい女の子を独り占めしてしまって」


 そう言ってよりいっそう肩を擦り寄せてくる彼女――纏さんに、ボクは思わず嘆息してしまう。


 今日はいつもの巫女装束ではなく、普段着っぽい薄桃色の着物を着ている。黙っていれば美しい大和撫子なんだけどなぁ……この人。


「大体ズルいのよ。あの馬鹿や筋肉だるまばかり由乃ちゃんを独り占めするだなんて。たまには私にも独り占めさせて欲しいものだわ。ああいうむさ苦しいのは由乃ちゃんには相応しくないのだし……」


 などとぐちぐち言いながらすりすりべたべたとすり寄ってくるのだから視線が痛い。こんな様子で聞き込みなんかまともに出来るんだろうか……と不安に思っていたけど、いざ始めると纏さんは真面目にやってくれていた。


 最初こそ着物のお姉さんが探偵、と言うと驚かれたが、人と話す時はべたつくのもやめてくれたので見た目の良さもあいまってか色んな人から話を聞くことが出来た。


「第一中の被害者もやっぱり発見場所はバラバラだね……。やっぱ犯人はグループなのかな……」


「……かも知れないわね。それにして何故女の子ばかり……男なら構わないのに」


「いや構うでしょ……」


「……冗談よ」


 ほんとかなぁ……結構目がマジだった気がするなぁボク……。


 纏さんの問題発言はとりあえずさておいて、やはり被害者は全員女子生徒で、全員が中学生だ。何か意味があるのか、それともただの異常な性癖なのか。


「場所がバラバラなら、被害者の共通項を性別以外で探しましょう。次の被害者を予測出来れば私達も警察も動きやすくなるハズよ」


「そうだけど……この町の女子中学生ってこと以外に何かあるかな……」


 一応手帳にメモしておいた名前を眺めてみるけど、ボクは彼女達のプロフィールはおろか顔も知らない。これはもう少し詳しく調べてみた方が良いな……。もう一度学校へ調査しに行った方が良いのかも知れない。


「そういえば、纏さんの降霊術で被害者の話を聞くことは出来ないの?」


 ふと思いついてそう問うてみると、纏さんは少し難しそうな表情を見せる。


「それは……多分、やめておいた方が良いわね」


「難しいの……?」


 降霊術で被害者の話を聞ければ、そのまま犯人まで特定出来る可能性もある。だけど纏さんは気が進まないみたいで、複雑な表情でボクから視線をそらしていた。


「……良い? 霊魂というのは、基本的に死ぬ直前、或いは死んだ瞬間で時間が止まっているのよ。今回みたいに苦しんで死んだ霊魂は、その瞬間で止まっている場合が多いわ」


「……じゃあ……」


「きっと呼び戻しても、焼かれる瞬間で止まっている。話なんて出来たものじゃない……苦しめてしまうだけよ」


 前に星川さんのお姉さんと降ろした時とはわけが違うみたいだ。理由は何であれ自らの意思で死んだ霊魂と、無理矢理殺されてしまった霊魂では状態が違うとのことだった。


「……ごめん、ボクわりと心ない提案を……」


「良いのよ、あなたが気にすることではないわ」


 そう言って纏さんはポンとボクの頭に手を乗せる。いつものスキンシップとは違う、優しく慰めるような手付きだ。


「やあ、また会ったねお姉さん」


 そんなやり取りをしていると、不意に後ろから少年の声がする。振り向くと、そこにいたのはさっき中学校で会った小林吉郎くんがシャーロックハットをかぶって立っていた。


「あ、小林くん、学校終わったの?」


「ふふ、まあね……。それより、お姉さん方はどうやらお困りのようだ。例の事件の調査中だね?」


「そうだよ。小林くんも?」


「ああ、この事件をはやく解決したいという思いは僕も同じさ」


 そう言って小林くんはポケットからココアシガレットを取り出して咥えて見せる。もうやりなれているのかわりと様になっているのがかわいらしい。


「……それはそうと、そちらの美しい大和撫子は? お姉さんのお知り合いかな? あの例のだらしないパチンコ野郎は一緒じゃないのかい?」


 何も間違ってないけど酷い言われようだな……。


「ああうん、この人は纏さんって言って――」


「由乃ちゃんの彼女よ」


「そうボクの――――いや違う。家綱の協力者なんだよ」


「例のだらしないパチンコ野郎に協力した覚えはないわ」


 小林くんと謎の意気投合である。


 小林くんは少し戸惑っている風な表情を見せたけど、やがてわざとらしく笑みを浮かべて見せた。


「……美しい方だ。どうでしょうお二方……僕の助手になるというのは」


「アホの家綱とクソの晴義の間の子みたいでムカつくわね」


 しれっととんでもないことを口走る纏さんに、小林くんはショックを受けたのか目を見開いて纏さんを凝視している。うんまあこのお姉さんからアホとかクソとかムカつくとか言われるのショックだよね……。


「……そうだ。盗み聞きしたみたいで悪いのだが、さっきの話は聞かせてもらったよ。被害者の共通項を探しているんだろう?」


「あ、聞いてたんだ……。何か知ってるの?」


 ボクが問うと小林くんは得意げに鼻を鳴らす。


「僕が思うに、今回の被害者の共通項……それは素行の悪さだと思うんだよね」


「素行の悪さ……?」


「そうとも」


 ボクが問い返すと、小林くんは不敵な笑みを浮かべた。


「被害者の交友関係や、第一中、第二中の主に素行が悪いとされる生徒のリストがここにある。近くのコンビニでコピーしてきたまえ」


「え、良いの!? 助かるけど、何だか悪いな……」


 ていうか思った以上に小林くんの調査が本気でそこに一番驚いてしまう。


「ま、これは僕が学生だからこそ素早く出来た調査とも言えるからね。フェアじゃないと思った……のと、単に僕はこの事件をはやく終わらせたいだけなんだ。解決するのが僕である必要もなければ、警察でなければならない理由もない。なら、情報はなるべく共有した方が良いだろう」


 最初はただの探偵ごっこかとも思ったけど、小林くんはかなり本気だ。それに事件への姿勢も真剣で、少しかっこいいと思ってしまうくらいだった。


「……どうしてそんなに必死に?」


 もう探偵ごっこの領域はとっくに過ぎている。不思議に思って聞いてみたけど、小林くんは答えにくそうに目を伏せる。


「ちょっと……ね。それよりはやくコピーしてきたまえ。僕もお姉さん達も暇ではないハズだ」


「……うん、わかった、ありがとう。その内何かお礼させてね」


「早急な事件解決が一番のお礼さ」


 か、かっこいい……。


 小林くんに何度もお礼を言いながら纏さんとコンビニへ向かい、リストをコピーし始める。かなり丁寧に作り込まれており、既に精査されている情報のように見えた。


「……あの子、あの馬鹿よりよほど使えるわね」


 いないのにフルオートで評価が下がるパチンコクソ野郎七重家綱。流石にボクも本気で同情した。


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