22《……セリカ》

 抜け殻のように授業を受け、僕は逃げるようにして学校を出た。

風間がにやにやと嗤っていたような気がする。今日はどんな嫌がらせをされたのかすら覚えていない。



 どこをどう歩いたのかも覚えていない。

信号を守ったのかすら覚束ない。我ながらよく車に轢かれなかったものだ。






――冬の夜は早く始まる。


「……セリカ」


 僕は震える手でスマホを取り出して、パシャリと1枚、写真を撮った。

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