15《僕が何しようがお前らには関係ないだろうっ!?》

「……おい、かざまぁぁぁっっっっ!!!お前、ふざけるなぁっっっっ!!!」


気が付くと、僕の口から割れ鐘のような罵声が出ていた。


実はいつもいつも言いたくて言いたくて、でも蓋をして塞ぎ込めていた言葉。

ああ、言葉を我慢しないって何て気持ちが良いんだろう。


「ヒッ」


僕が歯向かったことに驚いたのか、取り巻きが情けない声を上げ咄嗟に身を引き、風間の後ろに隠れた。いつもの威勢はどこに行ったのか。まるで漫画に出てくる雑魚キャラじゃないか。

風間はあっけに取られたように一瞬固まったが、すぐに大きく目を見開いて僕のことを睨みつけた。



正しくないお前なんか、何も怖くない。




「お前、いつもいつも何なんだよっ!?僕が何したんだよっ!?僕のことが嫌いなら、見たくもないのなら、ほっといてくれよ!!僕が何しようがお前らには関係ないだろうっ!?陰でこそこそやったり低俗な嫌がらせしたりして、何か楽しいのか!?お前の、お前のストレスのはけ口のために僕はいるわけじゃないんだッ!!ふざけるのも、いい加減にしろよッ!!!!!!」


怒鳴りながら、風間の目を睨みつける。

物怖じするな、強気でいけ。



僕は、間違ってなんかないはずだから。

セリカが、そう教えてくれたんだから。




 風間の端正な顔が歪み、瞬く間に紅潮した。唇がぶるぶると震えているのが分かる。

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