14《今だよ》
……タガが、外れた。
目も眩むような激しい怒りで、一瞬風間の顔が見えなかった。
もちろん、セリカは奴らが考えているような彼女ではない。付き合ってなんかいない。
だが、それをこいつらに嘲笑される謂れはないはずだ。
僕が誰と何していようが、こいつらが嗤う権利なんかどこにもないはずだ。
僕といるから、会ったことのないこいつらにセリカが揶揄される必要もないはずだ。
僕が持っているからといって、大切な物を捨てて言い訳がないはずだ。
ただひたすらに悔しかった。何を出来ない自分が恥ずかしかった。変えたかった。
『風間くんに、立ち向かって見ない?』
セリカの声が聞こえたような気がした。
「今だよ」とあの真っ直ぐな瞳で見守ってくれているような気がした。
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