7《…なかなか愉快なこと言うね?》

「…ねえヒカル、話聞いてるー?」


我に返った。


「大丈夫?遠い目してるよ?」


 セリカが心配そうに顔を覗き込んできた。

ついつい考え込んでしまったようだ。

ここは裏山。地獄のような一日を終え、無事セリカに今日の一日を話していた。


「でもさ、その風間くん?だっけ?その子もすごいよねえ〜。だってわざわざヒカルにかけるために2リットルのコーラ買ってきたんでしょ?けっこう重いよね、2リットル」


セリカのあっけらかんとした物言いに思わず笑ってしまった。

確かに、そう逆向きに考えてみるとそうとも言える。


「…なかなか愉快なこと言うね?」


「えっそうかな、だってそうじゃん?

もしかして風間くんヒカルのこと大好きなのかもよー」

「なわけあるかいっ」


反射で声が出る。自慢ではないが、生まれてこの方なぜかアイツからは敵意しか感じない。  


「僕のこと好きでわざわざ2リットルのコーラ買ってくるぐらいなら、なんでそれ頭のてっぺんからかけるんだよ?」

「…愛情の裏返し…?」


なんだこの脳みそポカポカポジティブ野郎は。こんな思考回路の持ち主はそういないと思うが。

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