4《こうやって星を見上げたら、何もかもちっぽけだと思わない?》

「でもさ、ちっぽけだと思わない?」


「……は?」


 素で聞きかえす。感慨も吹っ飛んだ。

こいつ、今なんて言った?

共感してくれたのではなかったのか!?

しかもあまつさえ馬鹿にした!?

やっぱりこいつも偽善者確定!?


「おまっ、お前……!」


「だってさ、考えてもみてよ!」


 わなわなと震える僕を無視して、セリカは夜空を見上げた。そのまま何も言わない。


「?」


 つられて僕も空を見上げた。

満天の星空だった。


「うわぁ」


 思わず声が漏れる。あまりにも、綺麗で大きな星。街にいるときはネオンで見えなかったが、裏山にいるとその美しさが際立つ。


「こうやって星を見上げたら、何もかもちっぽけだと思わない?」


「……お前、人の悩みを銀河系と比較するなよ。スケールが違いすぎるだろ」


 やっとの思いで答えるが、もうとっくに脱力していた。

……確かに、ちっぽけかも、しれない。

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