第18話 星座の提案

クリスのアホがデートして下さいと言ってから。

この家での丁度.....30分後。

何がどうなったかというとクリスと星座が.....ジェンガで俺の家で対決していた。


母さんと七島さんは仕事に行ったが.....って言うか。

ちょっと待てよ、何でジェンガなんだ?

俺は.....溜息混じりにテーブルの上で真剣に対決している二人を見た。

一本一本、ジェンガを抜いていく。


「.....負けないわよ」


「.....こっちだって負けるつもりは有りません。だって.....デート勝負だから」


「.....お前ら.....」


ジェンガでどっちが俺のデート相手になるか勝負しているのだ。

って言うかそれは良いけど.....楽しそうだな星座。

俺は.....少しだけ柔和に思いながら.....星座とクリスを見た。

すると.....クリスがジェンガを摘みながら星座に話す。


「.....ああ、それはそうと星座。全然違う話になるけど私と友人になってくれないかしら」


「.....え?」


唐突の言葉に驚く星座。

何でだよ唐突すぎるだろ。

驚愕しながら.....クリスを眉を顰めて見る。

そんな事に全く気にしないでクリスは和かに星座に言う。


「.....私は.....まぁそれなりには知り合いは居るけど.....心からの親友は居ないの。だからお願い。友達になってくれないかしら?」


「.....えっと.....」


マジに困惑している.....。

思いながら.....星座とクリスを見た。

星座は少し困惑しているが.....やがて静かに頷く。

そして.....笑みを浮かべた。


「.....分かりました。宜しくです」


「.....有難う」


目を丸くする俺。

俺が突っ込む必要も無く。

小さな友情が.....生まれようとしていた。


そうしているとジェンガがクリスがジェンガを引き出した瞬間に思いっきり崩れて。

そしてクリスが、あれま、と言った。

それから口角を上げて苦笑する。


「.....星座の勝ちね」


「.....そうですね」


星座は言葉を発する。

そんな言葉にクリスがニコッと笑んだ。

それから.....崩れたジェンガを拾う。

そしてゆっくり星座に向いた。


「.....それと敬語なんていらないわよ。同じ女同士やっていきましょう。星座。あまり歳も違わないのだから」


無茶苦茶な。

どんどん心に攻め込むなコイツ。

盛大に溜息を吐き、思いながら.....星座を見る。

星座は少しだけ困惑しながらも顔を赤くしてモジモジしながら言った。

クリスに向く。


「.....え.....じゃ.....じゃあ.....クリスさん?」


「おっと。そこも.....クリスで良いわ」


「.....じゃあクリス?」


「うんうん。やれば出来るじゃ無い」


俺は苦笑いを浮かべる。

当初は.....何だこの女、と思っていたが。

クリスは根っから良い奴なのだろう。

考えながら.....居ると。

クリスが俺に向いてきた。


「.....という事で今日は星座とのデート.....って貴方達、兄妹じゃ無いの?おかしいわ」


「.....何だ今気付いたのか?俺達は血が繋がって無いぞ」


「.....え?じゃあ再婚同士?」


「.....そうなるよ」


それは驚愕ね。

初めて知ったわ。

じゃあお付き合い出来るわね。

と言葉を発してから笑みを浮かべた。


「.....私は負けた。だから星座のデートにとことん付き合いなさい。耕作。今日は.....私もサポートするわ」


「.....お前.....俺は年上だぞ。呼び捨てるな。ってかお前が付いて来たらデートにならないだろ」


そうしていると星座がゆっくり呟いた。

俺は目を丸くする。

私は今日はデートじゃ無くても良いよ、とだ。

俺は.....良いのか?と聞く。


「.....クリスと遊びに行きたいな」


「.....え?」


目を見開くクリス。

俺は.....星座に目をパチクリして聞く。

良いのだろうか?


「.....良いのか?星座。デートじゃ無くて」


「.....うん。私は構わない」


星座は胸に手を添える。

そして笑みを浮かべて俺達を見た。

俺とクリスは.....顔を見合わせて.....じゃあそれならそれで行こう。

的な感じになった。


「.....デートはまた今度にお預けね。耕作」


「.....お前はやる気でいるのか.....。ってか俺は年上だっつーの」


「あら良いじゃない。年上だろうが何だろうが。結局は仕事仲間なんだし」


「.....良くねぇよ.....」


と思いながらも俺は笑みを浮かべていた。

こうしてクリスと星座のデートはお預けになり。

そして.....俺達は遊びに行く事になった。

遊びに行くとは言っても.....何処に行くつもりなのか知らないが。

思いながら.....溜息を吐く。



「画材を買いに行かないといけないのよね」


「.....そうだ」


「です」


「.....じゃあショッピングモールに行きましょう。この駅から.....2駅先の」


カジュアルな服になった星座。

フリフリな感じの服を着たクリス。

そして凡人の格好の俺。

その三人が.....駅に集まった。

クリスの提案で.....画材をショッピングモールで買う事になり。


「.....星座。貴方の服装、お洒落ね」


「.....私は普段着だよ」


「.....そして耕作。貴方は.....女子受けしないわ」


「喧しい。そして俺は山田さんだ。お前はいつまで俺を呼び捨てにするつもりだ」


だから良いじゃない。

と腰に手を当てるクリス。

良くねぇっつってんだろうよ.....。

そこは弁えろ。

そして何回目か分からない溜息を盛大に吐いた。


「煩いわね。.....まぁ良いわ。それじゃ行きましょう」


「.....だね」


「.....星座。お前からも何か言ってやってくれ」


「あはは.....」


星座は苦笑した。

見ろ苦笑しているぞ!人が苦笑している!

的な.....ラ○ュタの感じですね。

思いながら.....クリスを見る。

クリスは.....そそくさと歩き出していた。


「置いて行くわよ!早く来なさい!」


「.....お前.....話を聞けよ」


そして.....俺達は駅から街に繰り出した。

それから.....ショッピングモールを目指す。

今日の天気は晴れ。

まさに絶好の.....買い物日和だな。

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