第19話 クリスのお勧めの店
この世界は.....昔の俺にとっては余りにも眩しすぎる存在だった。
何故かって?
そうだな.....簡単に言っちまうと。
たった一人の存在が居なくなっただけだったのだが.....俺の中の心が、その全てが壊れていったのだ。
あっという間にドミノ倒しの様に俺の中が壊れたのだ。
それはまるでガラス球が地面に落ちて割れる様に。
今日のジェンガの様に崩れていったのだ。
そして.....世界は水の中に墨を流して濁る為に有るとそう考えていたのだ。
親父が.....死んだ顔を見てから、だ。
本気で全てに悩み体操座りで.....濁る世界をただ感じていた。
あの頃は.....死を快楽と考えていたんだと思う。
ただ全てが絶望だったのだ。
親父が、母親が、俺の支えだった.....だから。
ただ悲しすぎると、壊れていくと。
そんな感じだったのだ。
この感情はもう戻れないと思えて。
親父は俺の希望だった。
このショックは大げさにも聞こえるかもしれない。
でも俺は.....マジに悲しかった。
だけど.....俺は今は救われている。
何故そう思うかと言えば。
星座と。仲間達と。そして.....新たな家族が居る。
俺は.....救われているのだ。
だから俺は笑顔で居れるのだ。
思いながら俺はクリスと.....星座を柔和に見る。
その目は恐らく.....安心し切った目をしているだろう。
だけどそれなりに恐れが有る。
何を恐れるかって言えば.....死ぬ事を、だ。
俺は.....恐れているから星座達にあまり触れ合うのを拒んでいるのだろう。
そうだと思う。
俺は親父を奪った死神だと今でも思っているから。
そこだけは譲れないのだ。
皆んな殺してしまうと思っている。
だから俺はクリスと星座、皆んなと良い距離を保つべきだと.....思っている。
俺は近付き過ぎない様にしないといけない。
思いながら俺は.....皆んなに笑顔を見せた。
歩いているクリスが近付いて来る。
「何を俯いているのよ。貴方」
「ウルセェな。俺だって首が痛い時が有る」
「.....あー。そういう事。星座。肩をホグしてやりなさい」
「へ!?」
この馬鹿は何を言っている。
俺は額に手を添えて.....クリスを睨む。
全く.....。
だけど.....こういうのは不愉快じゃ無いな。
思いながら.....クリスにプロレス技をかけた。
「何をするの!」
「お前がふざけた事を言うからだ」
「.....全く。信じられないわ。プロレス技って。少女の首を締めるなんて.....あ、それはそうと.....あと少しで着くわよ」
「.....あーそうだな」
駅から徒歩5分の所に有るショッピングモール。
俺は.....その看板を見る。
あと少しです、的な感じで歩道の横に立っていた。
俺はそれを見て成る程、と思いながら歩く。
「.....でもお兄ちゃん.....結構、険しい顔をしていたけど.....大丈夫?」
「ああ。大丈夫だ。全く問題無いぞ」
「.....そう?だったら良いけど.....」
コイツらに.....知られる訳にはいかない。
俺が死神でそして。
敢えて距離をとっているという事を、だ。
そんな事を知られれば俺は.....いや。
多分、クリス達は俺の元から離れて行くだろう。
それは絶対に望まない。
何故なら.....星座にとってそれはマイナスだから、だ。
星座の為に.....あってはならない事を知られる訳にはいかない。
「.....大丈夫だ」
「.....うん。なら.....良いけど」
そんな会話をしていると。
クリスが叫んだ。
そして.....強く指差す。
そうだな.....まるで宝島を見つけた.....海賊の様な。
そんな感じで、だ。
「貴方達!着いたわよ!」
「煩い」
「.....ハァ!?喜ぶのは当たり前でしょ!」
「.....分かったって。耳に響く」
ショッピングモールの大きさ。
基本的に言うなら.....横幅がクソでかい。
そして.....映画館や.....そうだな。
色々なショップが山の様に有る。
そして.....最後に駐車場。
それも3階建てで馬鹿みたいにデカい。
簡単に言うならこのショッピングモールは県外の客も頼りにしている。
そんな感じなのだ。
「でっけぇなしかし」
「ここなら何でも揃うでしょ!そして.....遊べるでしょ!」
「序でに言うなよ。先ずは画材だ」
「わ、分かってるわよ!失礼ね!」
どうだか。
お前の事だからな、と俺はジト目で見る。
クリスは、全く.....、と言いながら星座を見た。
それから.....和かになる。
「星座。さあ、行きましょう」
「え.....でも私は.....どんなショップが有るか知らないよ.....?」
「私が知っているわ。さあさあ!」
「お前な.....星座が困っているぞ」
手を引っ張るなっつーの。
それで何で困るのよ、と俺に向くクリス。
当たり前だろ。
星座はそれなりに内気なんだぞ。
余りオブラートを裂く様な真似をするな。
「分かったわ。じゃあ.....行きましょう」
「.....ハイハイ」
そして俺達は.....ショッピングモールに入った。
クソでかい大きなゲートをくぐって、だ。
それから.....周りを見渡す。
しっかしデカいな本当に.....。
「やっぱりいつ来てもデカいわね」
「.....まぁそうだな。星座は初めてだろ」
「だね」
その言葉に笑みを浮かべながら歩く。
デカいショップを歩きながら.....見渡す。
改築されたか?これ。
ショップの数がメチャ増えている気がする。
「.....あら。結構ショップが増えているわね」
案内図を見ると.....確かに増えている感じだ。
俺は.....300以上有るショップの案内図を見ながら.....画材を売っている店を探す。
そうしているとクリスが、こっちよ!、と俺と星座の手を握った。
何だよ?何処に行く気だよ。
「私のお勧め画材ショップよ!そこに行くの」
「.....お前の?.....うーん」
「.....何かしら?何が、うーん、なのかしら?」
「.....何でも無いっての」
面倒臭いな.....。
と思いながらもクリスのお勧めの店。
その事に少しだけ興味持った。
そして.....俺はポケットに手を入れながら歩く。
星座はこの世界に降る為に アキノリ@pokkey11.1 @tanakasaburou
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