第6章 幸せな日々
第17話 デートして下さい
でも実際の所。
心が篭ってないとは.....何だか嘘の様な気がする。
飯島先生がそんな心を込めないなんて間抜けな事をするとは思えない。
俺は顎に手を添えながら.....考えつつ。
飯島先生と佐藤さんに別れを告げて家に帰って来た。
そして今に至っている。
俺は.....夜、何故か知らないが星座の部屋に呼び出されていた。
ピンクの家具とかが有ったりして.....そしてぬいぐるみも有る部屋。
って言うか.....何でしょうか一体。
普通の男子ならスッゲェ期待するんだけど.....全然期待が出来ない。
星座の心に関してはまだ未確認の所があるので.....だ。
俺は少しだけ汗を流しながら.....星座を見る。
星座に関しては.....俺をジッと見ている。
というか滅茶苦茶に見据えている。
な、何でしょうかマジに一体。
「.....お兄ちゃん。お願いが有ります」
「.....は、はい.....何でしょうか.....」
「.....デートして下さい」
「.....ha.....は!?」
星座なりに頑張ったと言える感じでは有る。
何故かと言えば.....真っ赤に染まりながら俯いている。
俺は驚愕しながら.....目をパチクリする。
マジかオイ.....?
「.....いや、デートって.....良いけど.....星座は普通の兄妹を望んだんだろ?」
「.....確かにね。でも.....お兄ちゃんの周りには女子がいっぱいすぎるからお兄ちゃんが取られそう」
「.....」
セリフを言いながら.....羞恥になる正座。
って言うかかなり小っ恥ずかしいんですけど。
まさかのデート提案って.....。
と思いながら星座を見つめる。
「でもテスト終わらないと無理だぞ。そんな事は」
「だね。そこは.....分かってるよ」
「.....その後だな」
「.....うん。宜しく」
しかしデートねぇ。
俺はやった事が無いんだけど。
どうしたら良いのでしょうか.....。
と考えつつ星座を見る。
星座は柔和になって答えた。
「.....あ、デートプランは大丈夫。お兄ちゃんは苦手だと思うから私が考える」
「.....それはそれで.....迷惑にならないか?」
「.....全然全く。それにお兄ちゃんの事だから.....一方的になりそうだから」
「.....す、すいません」
ううん、全然構わないよ、私が決めた事だから。
と星座は笑みを少しだけ浮かべる。
そして顎に手を添える。
もう一つだけお願いが有るんだけど、と言う。
「.....画材を買いたいから。今だけ.....パパの力が要る」
「.....そうだな.....高いもんな.....」
「.....デートはデートでも.....それを買いに行くのも目的なの」
ああ、成る程な。
俺は納得しながら.....和かに星座を見る。
星座は.....頷きながらゆっくりと笑みを浮かべた。
そして真剣な顔になる。
「.....明日、言おうかなって思う。画材の件は」
「成る程な。それは良い考えだ。.....俺もそれなりには頑張って言うよ」
「.....有難う。お兄ちゃん」
お礼の言葉を発する星座。
それから.....俺は部屋に戻った。
勉強に集中する為にとイヤホンを付けて勉強を始める。
そして.....1日は過ぎた。
☆
翌日、日曜日になった。
俺は.....目をゆっくり開けて起き上がる。
そして.....欠伸をした。
昨日は集中し過ぎたか.....ら.....な?
「.....!!!!?」
「スースー」
星座が横で寝ていた。
ちょ、ちょ、ちょ!!!!?
マジに何をやっているんだコイツは!!!!?
俺は驚愕しながら.....星座を見る。
童顔の顔ながらもきちんとした成長過程の顔だ。
「.....」
でもやはりこの横顔といいやはり美少女だな.....。
思いながら.....見つめる。
頬は全く化粧もして無いのに白い艶々の肌で。
潤んでいる唇とか.....柔らかそうだ。
「......全くなコイツ.....」
俺は盛大に溜息を吐きながら.....見つめる。
コイツが妹として来てから.....本当に色々な人と知り合いになれた。
星座には感謝しか無いと思うんだ。
じゃ無いと.....飯島先生とも.....クリスとも出会えなかっただろう。
「んにゅ.....」
その大きな目がパチッと開き。
小さな欠伸をしてから。
俺をゆっくりと見上げた。
それから、おはよう、と呟く。
「.....起きたか」
「.....うん」
「.....そうか.....ってか。それは良いけど何で俺の布団に入ってんだよ!」
「眠れなかったからね」
平然と柔和にそう話す、星座。
コイツ.....なんか垢が抜けた様に俺に接触し始めたな。
いや別に野暮ったいとかそんなんじゃ無いけど.....。
思いながら.....星座を見る。
「.....お兄ちゃん」
「.....何だよ」
「.....私、お兄ちゃんを好きになれて良かった気がする」
「.....それは前も聞いたが.....」
うん。
でも何度でも言うよ。
お兄ちゃんを好きになって.....本当に良かったと思う。
だってこうして.....色々な人達に出会えて。
そして.....お兄ちゃんを助けれる。
こんな幸せは他に無いよ。
と.....言いながらニコッとした星座。
俺は苦笑いを浮かべながら、そうか、と返事した。
そして.....星座は立ち上がる。
「.....今日も宜しくね。お兄ちゃん」
「.....ああ。宜しくな」
そしてそんな感じで.....話しながらリビングに行くと何故かクリスが居た。
ちょっと待てコラ!何をやってんだよ!!!!!
俺は驚愕しながら目を丸くする。
そして.....星座も驚きに目を開けていた。
「遅かったわね。.....忘れたとは言わさないわよ。デートの約束を!」
クワッと見開くクリス。
次回、デート。
とでも言いたい感じだった。
エ○ァの次回予告的な感じで、だ。
いや.....でもちょっと待て?
約束していたかそんなもん.....?
でも良いけどそれが何で今日なんだよ。
思いながら.....俺は額に手を添えて盛大に溜息を吐く。
コイツのせいで星座が眉を顰めて俺を見ているじゃねーか.....。
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