第6話 星座の願い(編集済)
俺が.....昔から持っている数が少ないお守り。
近所の人達しか持ってない様なお守りだ。
それを.....何故か星座も持っていた。
それは何故かは分からない。
だけど赤ん坊の頃から既に持っているという。
俺は何故だろうと思いながら.....考えるが分かる事はそれだけだ。
これ以上、深追いしても意味は無いかと思い。
それからいつか分かるだろうと思いながら.....俺はその事はそのまま胸に秘め。
そして俺は帰って来てから.....そんな話も少しだけネタにして小説を書き始めた。
それから.....。
☆
「お兄ちゃん。大丈夫」
「.....少しだけ眠いが大丈夫だ。死にはしないから」
「.....それなら良いけど」
小説を書き始めて3時間。
横でスマホを弄って俺をチラ見していた星座が俺が伸びをした時にそう聞いてきた。
母親はパートに仕事に行き。
俺と星座だけが残された中での事だ。
七島さんは仕事でまだ帰って無いので俺と星座だけの留守番となる。
俺は星座に向いて聞いた。
「.....星座。.....お前こそ大丈夫か」
「.....私?私は.....いつもの通りだけど。何で聞くの?」
「じゃあ俺も大丈夫だ。.....そういうもんだよ。人ってのは」
「.....え?そんな感じなの」
そんなもんだよ。
人は安心している、大切な人が側に居るとそれなりに変わってくるんだ。
俺にとってはお前も安心材料なんだよ、と言いつつ笑みを浮かべる。
すると星座は.....口元に手を添えた。
そして俺に向いてくる。
「.....私は.....お兄ちゃんの助けになっているの?」
「.....なっているよ。お前が歌ってくれたあの日からな.....」
「.....ただ.....思い付いて歌っただけなのに」
「お前にとってはただそれだけなのかも知れないけど.....俺はそれで心から助けられたからな」
少しだけ困惑しながら.....星座は俺を丸い目で見てくる。
そして、そうなんだ、と少しだけ恥じらいながら笑みを浮かべた。
俺は.....その笑みを見る度にこいつを笑わせたら勝ちだなと思う。
それなりに可愛いから。
そして俺は眼鏡を上げる。
「.....実は.....私のお母さん.....何時もあの歌を歌ってくれたの」
「.....えっと、子守唄だが.....そうなのか?」
「.....うん。子守唄だろうけど.....でも心の底から安心した。病室でも.....ずっと歌ってくれた。安心して聞いていたの」
「.....お前は.....本当に強いな。俺は.....思い出す度に涙が出る」
別に強く無いよ?
全部に慣れるまで2年は掛かっているからね.....。
と.....複雑な顔を浮かべた。
俺はその言葉にゆっくりと首を振る。
そして笑みを浮かべた。
「いいや、やっぱり強いよお前。俺なんか.....5年も経ったのにこの様だからな」
「.....そうなのかな.....」
「.....だって考えてもみろ。俺なんか突然泣くぐらいだぞ」
「.....ううん。.....お兄ちゃんも強いと思う」
言葉に、え?何が?、と俺は聞く。
だって私にその強い意志で.....接してくれた。
と柔和な表情を浮かべる星座。
だからお兄ちゃんとは関係がそれなりに上手くやってるんだよ、と話す。
俺は.....目を丸くしながら顎に手を添えた。
そして、だと良いがな、と話す。
すると.....星座は納得してから.....ゴソゴソと何かし始めた。
「.....それはそうと.....お兄ちゃん。考えたんだけど.....」
「.....?」
「お兄ちゃんってライトノベル作家なんでしょ?.....だったらイラストも要ると思ったから.....私ね、何時間前から考えたの」
「.....え?何をだ?」
私ね、お兄ちゃんの書く本の.....側でイラストを描きたい。
と.....星座は決心した様に言った。
俺はかなり目を丸くしてから、それは本当か?、と聞く。
星座は頷く。
そして.....古びた自由帳を取り出す。
それからパラパラと捲る。
見せてきた。
「.....え?.....お前.....これ.....上手いな」
そこにはオリジナルキャラだろうけど色々なキャラクターがデザインされていた。
だが注目すべきはそこでは無い。
絵が凄く上手いのだ。
簡単に言っちまうと風体は男の描いた絵に近いが。
つまり、少女漫画な絵では無い。
だけど.....これは.....うん。
上手いと思う。
「私はお兄ちゃんの様な仕事現場を経験した事は無いよ。.....そして漫画は書けないけど私、絵だけは上手いの。パパが認めるぐらいに、ね」
「.....そうか.....でも.....確かにこれなら.....」
しかしそこで手が止まる。
小学生が仮にも仕事か。
それは良いのだろうか.....?
と言うか出版社が認めてくれるだろうか。
そもそも.....聞いた事が無いのだ。
中学生が仕事なら見た事が有るが.....。
俺は.....眉を顰める。
「.....掛け合ってみるけど.....実際は多分無理だと思う」
「.....駄目?.....仕事はしないつもりだけど。.....未成年だから。お手伝い的な感じで」
「.....それは無理だろ。何でかって言えば.....デビューは簡単に言うと仕事になるから、だ」
「.....うーん。じゃあ今度、お兄ちゃんの出版社に連れて行ってくれない?」
それは別に良いが.....うーぬ.....どうなんだろうか。
思いながらも.....こうした星座の強い希望が有るのに無駄には出来ない。
考えながら.....俺は星座を真っ直ぐに見た。
そして真剣な顔で考えを伝える。
「.....これからやる事は全部、七島さんの許可がいる。.....その後からだけど出来る事はやってみるよ。お前が.....これだけ望んだんだから」
俺は柔和に笑みを浮かべる。
そんな言葉に目を丸くする、星座。
それから.....頭を下げて上げてから。
口角を少しだけ上げる。
それから俺にお礼を言った。
「.....有難う。.....お兄ちゃん。お願いします」
「.....お前と一緒に何か出来たら.....俺も幸せだからな」
「.....はい。私もそう思います」
その様に納得しながら笑み合う俺達。
こうして一応だが色々な予定が立った。
それは俺の手伝いとして星座が俺の本の為にイラストを描いてくれるというそんな感じの予定が、だ。
勿論、小学生。
つまり未成年の為にこの夢は叶わない可能性は相当に高い。
未成年と仕事をやっている人なんてほぼほぼ居ないと思うのだ。
まあ俺もそこそこには未成年だと出版社.....じゃ無いが同じ年長の小説仲間に舐められた過去が有る。
だけど.....やりたいと星座が言ったからには.....それなりに俺も頑張ろう。
その様に.....思った。
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