神になる? 2

その後も色々聞きました。


神に成るえこひいきの力、神の対応力は一度与えたら無くす事は出来ないらしい事。

神に成る為の要件をそのおかげで2つ達成しているので、僕は現時点で準神であるらしい事。

準神といっても見た目は人となんら変わらないが、人の領域を超えた力は徐々に使えていくらしい事

準神でも、近しい人は眷族として、僕の力の一部を同じように使える事。

基本、神になった者は寿命と云うものが無い事。

それは眷族になった者も同じらしい事。

ただし、人の為に成る善良な行いを止め、悪業を重ねると悪魔に魂を浄化させられるらしい事。


と、云うか悪魔っていたんだ。


悪魔の存在は、神の存在と対を成しているそうで、創造が神の領域、消滅、再生が悪魔の領域で、それぞれが世界の管理を分担しているらしい。

つまり、悪魔と言っても純粋に悪ではないらしい。

どちらかと言うと良い人?

ただ、時々本当に悪に染まるものが、悪魔にも神にもいるらしいので、そういう輩に狙われれば殺される事もあるようだ。


何だか、色々人としては、知らない事が多いみたい。

神様から、もっと教えてもらう必要が有りそうだな。


「それはそうと、僕はこれからどうすれば良いのですか?」

「え? どうっていいますと?」

「つまり、僕は神になる可能性がある人間という位置付けですよね? そんな存在が普通に人世界で過ごして行けるんですか?」


少し驚いた表情を見せる神様。


「はあ、やっぱり君って賢いですわね。お姉さんの目に狂いは無かったですわ。やっぱり私の旦那様にしたい候補筆頭ですわね。」


握り拳を掲げ、踏ん反り返る神様。

容姿が12才くらいなので、やんちゃな女の子にしか見えないな。


「あのう、少々お伺いしますが?」

「何ですかですわ?」

「候補筆頭という事は、他にもおられるのですか?」

「え?」

「いえ、他に旦那さんにされるお方ですよ?」

「え? え?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いない、」

「はい?」

「いません! いませんの!」

「はい?」

「・・・見栄を張りましたの。」

「見栄ですか?」

「そうですわ! 私が神になって3500年! 一度も旦那様をもらった事などありません! 今も一人もいませんわ! 管理神の私に一人もいい男がいないなんて、どの世界の管理神にも言えませんわ!」


別に泣かなくてもいいじゃないですか。

何か僕が虐めている様に見えていませんか?


「今の話ですと、他の世界の管理神様は、結婚とかされていると云うことですか?」

「まあ、そうね。中には何人も良い男を侍らす神もいるのですわ。」


案外、神様の世界も俗世に塗れているとは、まあ、かえって親近感が湧くといえばそうなんでしょうけど。

取り敢えずその当たりは納得しておくとして、


「それでどうなんですか?」

「あ、そうですわね。先ほども言いましたけど神として昇格するのは善行を数十年位はかかりますから、その間、善行を誠実に行い、過ごしていれば宜しいと思いますわ。」

「つまり、普通に暮らしていれば良いと言うことですね?」

「はい、ですわ。」


まあ、それなら取り敢えずは問題無いのか?


「それと、もし僕が悪にそまり、悪魔に浄化されたらオーディ様はどうされるのですか?」

「う!」

「どうしたんですか?!」


急に神様が涙目になって悲しそうに僕の事を見つめて来たぞ?

そんなに僕が旦那様に成らない事が悲しいのだろうか?


「わ、判りました! 極力努力しますから泣かないで下さい!」


あ、笑った。

この神様、本当に3500年も生きてこられたのか? 見た目通りの年齢じゃないだろうか?


「でも、僕にはもう3人のお嫁さんがいますよ? それは良いのですか?」

「それは、大丈夫! 彼女達も、レン君の眷族として準神族になるから、三人と別れるとかもないですし、私も彼女達とは仲良くできる自信はありますですわ!」

「自信って、神様は良いでしょうけどカーナ達がオーディ様と対等に出来ると思いますか?」

「大丈夫ですわよ?」


べつにそれがどうしたの? て顔しているけどそれっておかしくない?


「神様ですよ? 頂上神様ですよ? そんな方と話す事も難しいと思うのですが?」

「あら、こう見えても私、女として配慮は出来ますわよ? ただそれも修練として頑張って私と対等に話せるだけの神族に昇格して下さいですわ。」


かなり無茶があるような? それで良いのか? 


「実際、レン君だって私と対等に話しているじゃないですか?」

「そうですよね、あれ?」


どうよって顔されているよ。

確かに、僕も何気にオーディ様と普通に話しているな? 

と言うことはカーナやリーシェンも出来るようになるのだろうか?


「はあ、まあ取り敢えずこれ以上は聞きません。他に色々頭が痛くなりそうな事があるやもしれませんから・・・」

「そう?」


う~ん情報多過ぎ。整理が追いつかないよ。


「あ、そろそろ行かなきゃ。これでも結構お仕事あるのですよ。たまに遊びに来るからその時は可愛がって下さいですわ。」


そんな嬉しそうに顔で言われると嫌とは言えません。


「はあ、良いですけど突然は無しですよ?」

「頑張ってみますわ!」

「はあ、」

「それと最後に、彼女達、本当にレン君の事心配していたから、特にカーナさんの事ちゃんとフォローするのですよ?」


急に大人の顔になって諭すように言う神様は、やっぱりそれだけの経験をされているのだと、ちょっとだけ見直しました。


「判りました。心掛けます。」

「それじゃあ、私の旦那様にじゃなかった、まずは神になる事を祈っていますわ。というより成って下さいですわ。」

「成ってくれないと、また当分独り身の様な気がしますの。」


そんな懇願されても出来るものと出来ないものと有ると思うのですけど。

まあ、神様直々に言って来られたのだから無碍には出来ないね。

そんな事を色々考えていたら、僕は意識を保てなくなり手放し眠りについていった。

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