メイド達の狂騒 4
じゅ、15才!?
ちょ、ちょっと待てよ! この子に僕は裸を見せなきゃいけないんだよね? これは、ちょっと、いやかなり恥ずかしいぞ!
いくら、現世で僕が10才の男の子といっても、経験的には20才を超えてるんだよ。
その男が15才の女の子に裸を見られるのは、
「どうかしました?」
レコナさんが心配そうな顔をしてきている。
「何か落ち度がありましたか?!」
どんどん不安そうな顔になるレコナさんを見ていたらこれは、恥ずかしいなんて言って断ったら、レコナさん自分のせいだと思って落ち込むんじゃ無いだろうか? ここは、僕が我慢すればいいことだし、ちょっとくらい恥ずかしくてもなんとかなる!
「だ、大丈夫! 何でもないよ。レコナさん、お願いします!」
「は! はい!」
凄く嬉しそうな笑顔になったレコナさんが、一つお辞儀をしてから僕の服を脱がしはじめた。
我慢! 我慢! 我慢だぞ!
暫くの間、可愛いメイドさんに服を脱がされると言う、なんと言っていいのか、ある意味究極の接待を体感してしまったので、ちょっと、いや、かなり疲れてしまった。
・・・・これに、慣れなくちゃいけないのか? そう貴族の子ならこれも普通なんだよね?
「そ、それではこちらに、ど、どうぞ」
レコナさんが僕を、お風呂場の方へと誘導してくれる。そのままついて行き、浴場の入り口をくぐる。
「オー!? 凄い!」
僕は浴場に入るなり、感嘆の声を上げていた。とにかく広かった!
多分、前世で行った、大衆浴場とかよりも一回り広いんじゃないか? そしてその作りも、大理石や鉄平石の様な高価な石で床や壁が作られ、天井はこの世界でもまだ希少なガラス板をはめ込み空を見る事が出来るようになっていた。
そして湯が貯められた浴槽も大理石で作られその広さは25mプールくらいあるんじゃないだろうか? 前世でもなかなか無いだろうな、こんな豪華なお風呂。
「どうされました、レンティエンス様?」
「え?ああ、そのいつ見ても凄いお風呂だなって思ってね」
覚醒してから初めて見たなんて言えなかったから適当にごまかす。
「本当に、凄いです。これをレンティエンス様が発案されたなんて本当に凄いです」
「え?」
「はい?」
二人で向かいあって首を傾げる。思い出した。
そう言えば、魔法の勉強で探査魔法の練習中に水源の位置を探していたら、この屋敷の地下に湯溜まりがあるのが解って、土魔法で地下深くまで掘った事があったような? 僕が4才の時だっけ? そしたら温泉が湧き出たんで、これで風呂を作る事を提案したことがあったんだ。
「そ、そうだね。これは本当に良かったよ!」
何が良かったのか分からんけど、取り敢えず適当に誤魔化す。
「はい! まさか温泉を魔法で出せるなんて誰も思ってもいませんでした。その上、魔法を掛け続け無くても永続的に出るなんて夢のようです!」
興奮ぎみに話しをするレコナさん。
「え~と、そんなに凄い訳じゃ無いんだよ。たまたま、火山の近くでマグマ溜まりがあって地下水が豊富であった条件が揃ってたからね。僕が凄いんじゃないよ?」
僕は温泉についてレコナさんに説明するが ?マークを頭に浮かべて首を傾げるばかりだった。
そうか、思い出した。
この世界、魔法が発達しているせいか、科学的な分野はあまり発達していないんだった。
だから地下がどうなってるか?なんて判らないのが普通なんだ。
「まあ、世の中魔法だけじゃ無いって事だよ」
「はい! 良く分かりませんがレンティエンス様が凄いという事だけはわかります!」
結局僕が凄いで、収まってしまうのか・・・なるべく自重しよう。
ちなみに、このお風呂、僕達が入った後は、メイドさんや使用人の方も使ってもらってるから余計に喜んでくれているのかも。
「それでは、お体を洗いますので、どうぞこちらにおいで下さい」
レコナさんの誘導で僕は、洗い場の方へと向かった。取り敢えず体を洗ってしまおう。
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