転生するなら人間がよかった…。

縁戸 樂

第1話

平野内の人生は呆気なく幕を閉じた。

(平凡な人生だったな…)

そんな事を思っていると

突然、眠気が襲ってきた。

(うぅ…眠い…ここは…どこ…ぉ。)


眠気に負けて寝た。


「うぅ……。はっ!」

目が覚めた。

(ここは…どこだ…?)

じめじめとした洞窟らしきところであった。

平野内の頭にふと過った。


─異世界転生─


(あれ、これっていわゆる異世界転生ってやつ!?なわけないよなぁ!なんで、主人公(?)がこんなとこにいんだよ!)

本当になんでこんな所にいるんだよ。

とりあえず外へ出てみた。


近くには小さな村があった。

ので、早速行った。


レンガ造りの真四角な家…。

まじかよ…豆腐建築じゃん。

そんなしょうもないことを考えていたら、ここの村の人らしき奴の声が聞こえた。


「皆───よ!─────て!!」

よく聞こえなかった。

とりあえず辺りを見回すと…


──誰もいなかった。


(いや、なんでだよ。さっきまで人いたろ。)


ガシャンガシャン。

鎧の音がする。

兵士らしき人が斧を持ってこっちへ向かってきていた。


(あ、とりあえずこの人に今の状況を聞こう!)


そう思った瞬間──


兵士らしき人はこちらに声をかけてきた。

「おい、貴様ここで何をしている?」

威圧感のある低い声だ。

「えっと…道に迷ってしまって…。ここって…どこですか?」

兵士らしき人がこちらを睨んだ。

(何こいつ!?初対面の人睨んだよ?!)

「貴様、よくもそんなことを言えたな…。」

兵士らしき人は斧を構えた。

「え?え?えぇぇぇぇぇぇぇ!?!?」

(いや、なんで斧構えてるのこの人!?殺す気なの?ねぇ!怖いんだけど!?)

俺は全力で逃げた。体が限界突破するぐらいに。

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転生するなら人間がよかった…。 縁戸 樂 @Endless_The_Me

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