15

 ルナは目を開けると、月がずっと遠くにありました。

 体からからっぽが出てきました。溺れてしまうというのはとても楽で気持ちの良いものでした。


 苦しいけれど、辛いけれど幸せなのよ。


 月に手を伸ばすとそっと手を掴んでくれました。

 美しい少年でした。


 「そう、あなたを待っていたの。」


 ルナは深く深く沈みました。

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ねがいごと よる @yoru_0825

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