ペテン師の唄

いつかあんたのまろい頰を

この両手で包めたのなら

その時ばかり俺だって

素直に伝えられるだろう


中原中也の言っていた

蜜柑色の情が

俺にもやっと分かったようで

素直になれそうなそんな夜


黒い猜疑心の矛先は

どちらかと言えば

自分自身に向いていて

素直になりたいと思う


騙したいのは誰だったか

事実騙してたのは誰なんだ

さっきまで何考えてた

嗚呼素直って何だろうか


嘘を重ね続けてミルフィーユ

あんたは気付きもしないでしょう

甘さで何を誤魔化したか

素直になりたい、と思う

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