第48話

いよいよ、南関東大会の初日だ 匠はサブトラックでウォーミングアップをしていた


今日はまず4継 予選のメンツは今までの大会とおなじ 山本、隆二、俺、嵜本さんだ 予選はこれで十分に1着が取れるとは思う


「……その様子だと大丈夫そうだな」


隆二に言われた


「え?」


「昨日の夜は顔が強ばってたというか……まあ普通じゃなかったよ 先輩たちも気づいてたぜ でも俺は中曽根さんがどうにかするって思ってたから何も言わなかった 先輩たちも同じ意見だ」


「俺でもわかったからな、相当酷かったよ昨日は でも中曽根さんがどうにかするだろうなーって思ってたよ その通りだったかな?」


まさか山本にまで言われてしまっては……俺はポーカーフェイスが苦手なんだな……


「ははっ……そんなとこまでお見通しか 流石だな皆……」


「……よし、じゃあバトン練習始めるか 行こうぜ山本」


「おう井澤 今日は調子よさそうだから半足広げてみてくれ」


そんな会話をしながら2人は練習に向かった こちらも嵜本さんと練習だ


「大丈夫なんだな?ならいつも通り行くぞ」


「いえ、こちらも半足広げてください」


「……そうか、分かった」


昨日までとは違う……今までに無いくらい、自信に満ち溢れていた




「よしっ!!」


予選が終わった タイムは40.56 このメンツではかなりベストを更新した 同じ組の佐倉島にもこのメンツで勝てた それはかなりでかい


「昨日までとは大違いだな さすがだよ 中曽根さんが惚れるわけだ」


山本に言われた 完全に吹っ切れた山本はどんどん速くなってる スタートだけなら秋山さんにタメはる位にはなってる ハードルも調子が良さそうだから今回期待できるぞ


「山本もすげー速くなってるよ……まさか外側の佐倉島の1走をいとも簡単にぶち抜くとはな」


「余計なことを考えないとこんなに走れるようになるんだな……今までの自分がいかに煩悩まみれだったか分かったよ」


そこに秋山さんが来た


「速かったなみんな!お疲れ!準決からは俺に任せとけ山本」


「繋いだんで、あとはお願いします」


「1走から独走してやるよ」


自信満々な秋山さん 調子も良いらしい




「さて、あとは他のメンツの個人種目だな……高橋さんと小松原さん、下岡さんは大丈夫だと思うが……」


「西川がどうもな……少しビビってる感じがするよ」


そう、隆二の言う通り、西川が400mの予選、2着までが準決のレースでギリギリ2着という結果だった 前半の加速が上手くできず、後半ようやく上がってきて2位になったが、危うく落ちるとこだった


「まあ、準決からは修正するだろう 期待しとこうぜ」


「だな」


あとがき

コロナがまた増えてますね……皆さん大丈夫ですか?コロナで青春ができてないという方、この妄想たっぷりの小説を読んで腹を満たしてください←

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