第41話

試合が終わった次の日、終業式のためだけに学校に行く辛さが匠の体を襲っていた 左足は動かしにくいし行くのだるいし ちなみに松葉杖を借りていて自転車に乗れないため、渚と共に歩いて学校に来た


「おはよう匠……どうした!?怪我!?」


朝イチから多崎が話しかけてきた 俺の松葉杖を見て驚いている


「いやーリレーの決勝でやっちまって……まあ次の大会には間に合うし大丈夫だろ」


「そうか……そうだ、俺この近くにいい整骨院知ってるから紹介しようか?」


「え、マジ?頼むわ」


多崎がスマホで地図を出して説明する


「えっと、ここにある石村整骨院っていうとこ 多崎の紹介って言ったらすぐ分かってくれるよ」


「ありがとう 早速今日行くよ」




眠すぎる終業式が終わり、完全に寝起きの顔の匠 今日は部活もないため、早速石村整骨院に行くことにした


「ほら匠!起きてる?」


「んー……たぶん」


「ほら早く行くよ!足早く治さないといけないんだから」


「はぁーい……」


朝とは全く立場が逆である


なんだかんだ眠そうな顔で、石村整骨院に着いた


「名前書いて待っててくださいねー」


「あの、多崎の紹介で来たんですけど」


「多崎くん?ああ!サッカーの!よーしわかった待っててね」


院長らしき人に言うとすぐわかったらしい 今整骨院の中は混んでないので、すぐ見てもらえるだろう


「よーし中嶋くんだっけ?見ようか」


「じゃあ待ってて渚」


「はーい」




「うん、肉離れだね まあ酷くはないし若いしすぐ治るだろう」


「1か月後の南関東には間に合いますかね?」


「うん、肉離れ自体は治ってると思うよ ただ調整とかそういうのを加味するなら微妙だけどね」


「よかった……」


「ただ、肉離れってのは再発しやすいからね 少しでも違和感が出たらすぐ来なよ」


「はい」


施術を進め、痛みは少し減ってきた


「とりあえず今日から1週間は安静 やるとしても上半身のトレーニングだけやること お風呂は入ってもいいけどカラスの行水かな 3日後くらいには普通に入っていいけど、今はやめとこう あと、通えるなら毎日来て欲しいかな うちは9時までやってるから部活後でも来れると思うし ……うん、そんくらいかな」


「ありがとうございました」


やはり本物の柔道整復師の方はすごい 少し足を揉んだだけでだいぶ歩きやすくなった


「会計は1000円ね 保険効くから 次回は500円で3回目以降が370円 んで月初めが500円 間が1か月空いちゃうとまた1000円 覚えといてね」


「分かりました」


支払いをし、整骨院を出た すごい、もう松葉杖無しでも歩ける


「明日この杖返さないとな」


「だねぇ けどまさか先生がマイ松葉杖持ってるなんてね」


そうこれ金井先生の私物である なんで持ってんだか


「まあ普通に歩けるだけでも嬉しいな とりあえず明日から上半身鍛えよう」


「じゃあ私がしっかりサポートさせてもらいますから!」


「おう、頼んだぜ」



あとがき

用語解説

柔道整復師とは…打撲、捻挫、脱臼、挫傷などの各種損傷に対し、外科的手術や投薬を用いずその回復を測るために施術を行う人のこと 僕の経験だと、主にマッサージや骨の矯正、電気による治療などをやってもらいます


みんなも捻挫とかやったら病院ではなく整骨院の方に行くことをおすすめしまーす


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