第11話

初めての部活が終わり、最後に軽く全体ミーティングを行った


「新1年生のみんな、今日はお疲れ さっきも言ったが、週末にリレーメンバーの選考会を行う 競争率の高い100mの出場メンバーもそこで決めるから理解しておいてくれ」


「「「「「はい!!」」」」」


「高橋、号令」


「姿勢!礼!」


「「「「「ありがとうございました!!!」」」」」


こうして練習が終わった

匠はミーティングルームで荷物をまとめ、帰る準備を終わらせた 渚も準備を終わらせ、近寄ってきた


「匠、帰ろっ!」


「おう」


2人が帰ろうとした時に…


「中曽根さん!」


話しかけてきたのは山本だった


「この後一緒にランチでもどう?」


「ごめんね、匠と帰るから」


「そんなこと言わずにさあ!」


しつこく迫ってくる山本 俺が割り込もうとしたが、そこに先に1人、山本の肩を組みながら割り込んできた


「おい山本、ランチなら俺と行こうぜ」


割り込んできたのは井澤だった


「井澤お前!俺は中曽根さんを誘ってるんだよ!」


「ごめんなさい山本くん、私は陸上部としてはみんなと平等に関わるつもりだけど、異性としては匠にしか興味ないから」


「だ、そうだよ山本?諦めて俺と飯行くぞ」


「……なんで?中嶋ってそこまでイケメンでもねえのにな まだ俺の方がまともだろうが」


「匠のこと悪くいうの?なら私を敵に回す覚悟があるってことだね?悪いけどそんな人に私、マネージャーとしても女としても関わりたくないんだけど?」


幼稚園の頃からずっと一緒に過ごしてきたが、渚がこんなに機嫌が悪いのは初めて見る これは山本、完全に怒らせたな……


「ほら山本、もうお前の負けだ 潔く諦めな」


「……俺は諦めないぞ 絶対に」


今回は折れてくれたようだ すると渚が山本の目の前で急に腕を組んできた


「なっ……!」


「さっ、帰ろ!匠!」


「いや帰るけど!恥ずかしいからやめてくれ……」


「やだねー!あ、お買い物したいからスーパー寄って帰ろ!荷物持ちは任せた!」


「……はぁ……分かったよ……」


結局、買い物をして家に帰るまで、腕はずっと組んだままだった

ちなみにそれを見ていた先輩たちは


(((((なにあれ羨ましい)))))


と思っていた



「……なあ山本、あんなラブラブな中に入って、中曽根さんを奪えるとでも思ってるのか?」


「奪えるかどうかじゃないんだよ井澤、絶対俺のものにしてやる」


「言っとくが俺は協力しないし、なんなら邪魔するぞ 俺はあんなに相思相愛なカップルは見たことねえ まあ本人たちはまだ付き合ってないとは言ってるが、いずれ結婚まで行くだろうな」


「俺だってあそこまで俺のタイプな女性は初めてなんだよ なんであんな冴えない男に釣られてるんだ あんな美人なのに可哀想だ」


「はぁ……まあ好きにしろ 俺はあいつらの味方だと言うことは忘れるな」


「はいはい、肝に銘じときますよ」



あとがき

山本くんだいぶゲスいですねえ……

ていうかこんなことしてて付き合って無いって言える匠と渚……ああ焦れったい!←作者が何言ってんだか

井澤くんがこんなイケメンなのに彼女いないのは可哀想ですがそれはご愛嬌

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