ご褒美回後編

夕食を食べ終わった後、匠と渚は匠の部屋に来ていた 今日はこのまま匠の家にお泊まりをする


「じゃあ、失礼しまーす」


「おいおい早速か……」


約束していた通り、今度は匠が渚に膝枕をした

普通逆だと思うのだが突っ込んではいけない


「匠のふとももってちょーどいい硬さで寝やすいんだよね〜 高校入ったらこれ以上硬くなっちゃうだろうし今のうちに堪能しとかないと…すりすり」


膝枕だけでは飽き足らず、頬ずりまで始めた渚 こころなしか鼻息まで荒くなっている


(……こいつ実は相当変態なんじゃねえの?)


「匠、今失礼なこと考えなかった?」


「ソ、ソンナコトナイガ」


「うそだー!絶対私のこと変態だと思った!」


「なんで分かるんだよこええわ!」


「むきー!そんな匠はこうしてやる!」


「うわっちょ!脇はダメだっtぎゃははは!」


入試の時に脇を弄ってやるとか言っていた匠だが、自分も脇が弱いのをすっかり忘れていたようだ


「ほれほれーもっといくよ……きゃっ!」


匠をくすぐっていた渚だが、くすぐられることによって力が入らなくなってバランスを崩した匠につられて倒れてしまう 絵面的には、渚が匠を押し倒した形になってしまった


「……なんか、ごめん」


「……う、うん……」


暴れ回ったことにより体が火照っていてた2人は、目を合わせたまま動くことができなくなった


「渚……」


「……匠」


何も考えられなくなった2人は、その本能のまま目を細め、顔を近づけていって……


「匠ー!渚ちゃん!そろそろお風呂……あ、ごめんなさい」


「「!!??」」


突然の親凸により我に返った2人、顔が真っ赤に染まる


「な、なんかごめん、渚……」


「う、うん……」


しばらくの間、顔の火照りが収まらなかった2人であった



時刻は変わり深夜2時、明日は日曜なので学校も部活もないため、2人は夜更かししている


「……ゲームじゃ渚に勝てる気がしねえ」


「ふっふーん、私の超絶テクにひれ伏すが良い」


今は2人でスマ〇ラをしている 渚が強すぎて匠はボコボコにされている


「いい加減眠くなってきた……寝るか」


「そだね」


匠は床に布団を敷いて、渚は匠のベッドを使う のだが…


「……ねー匠」


「ん?どした?」


「……私もそっちで寝ていい?てかそっち行くね」


「……は?」


渚が匠の布団に潜り込んできた 突然の発言に思考が止まっていた匠はなすすべなく布団に入ってこられてしまう


「いやいや何してんだお前!」


「匠は嫌なの……?」


「嫌……じゃないけどまずいだろ!」


「嫌じゃないならいいよね」


「……あーもう分かったよ……」


ひとつの布団で一緒に寝ることになった2人 しばらくの間無言となる


「お、おやすみ」


「……うん」


(って、寝れるわけねえだろぉぉおおお)


目が冴えてしまった匠は必死に円周率を数えて煩悩を払っていた しかし……


むぎゅっ


(!!!!!??????)


渚が寝ぼけてなのかどうか分からないが、背中に抱きついてきた ふたつの山が匠の背中に押し付けられる


「ちょっ……渚!?」


「えへへ……たっくん……」


昔の呼び方をするあたり完全に寝ぼけているようだ こうなると起こすのもしのびない


「……くそっ……なんなんだよ……」


結局、匠が寝たのは朝の4時になってからだった




あとがき

次回から高校入学編となります

もっと1話ごとの文字数を増やせるよう頑張ります

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