靴
ふと気づくと僕はもう自宅への帰路に就いていた。今日は始業式(のようなもの)を含め授業が午前で終わりだったのもあるが、学校のある日は大抵こんな感じで中身のないスカスカの一日になってしまう。自分の脳にあるのは黒板や教科書の文字の映像だけ。
しかし今日は隣のヤツと不快極まりない
ファーストタッチを交わすという嫌なハプニングがあったせいで、そちらの方が脳にこびりつく。クラスメイトとコミュニケーションをとったのは実に半年ぶりであった。
それにしても、よりによってああいう熱苦しい人間が隣りだとは。
話の内容はもう忘れてしまって、ただあの訳のわからない笑顔だけが思い出される。
嫌い。思い出す自分も嫌い。
「ただいま」
まだ誰も帰っていないことはわかっていたが、何となく呟いた。
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