第17話 米中戦争勃発

 俺はまた妖怪の夢を見た。のた坊主が出現した。

 のた坊主とは、現在の愛知県半田市堀崎町付近に伝わる化け狸で、人間に化けて、白と黒のだんだら模様のでんちを着て毎年酒蔵に勝手に入ってきて元酒を飲んでしまう。

 1974年の小栗久夫の著書『半田の伝説』が出版されるまで活字化はほぼなされていなかった民話とみられ、後発の同じ民話収録した書籍などはこれが原資料とされる。

「のた」とは逃げる姿が、のたのたしているという意味ともされるが、原資料となる『半田の伝説』には言及がなく、1978年の小島勝彦の編著『尾張の民話』にはみられることについて、愛知の伝承などの研究や周知を目的とする、あいち妖怪保存会は疑問点があるとしている。


 上半田の酒蔵が並んでいた地域の北側に竹藪があり、桶の箍をつくるために重宝していたが狸の棲む穴もあって、味がよく出来上がる2、3月になるとそこか出てきた狸が子供に化けて酒蔵に忍び込んで酒を盗み飲んでしまうことに酒屋は悩まされた。蔵で狸を殺すわけにはいかず、箍作りのことがあるために竹藪を刈り取って穴を埋めるわけにもいかなかった。


 利口である狸はなかなか捕まらなかったが、ある酒蔵に忍び込んだのた坊主はすっかり酔いがまわって逃げることもままらなくなったときに待ち構えていた男たちに捕まった。そこでのた坊主はその男たちに、酒蔵の近くの藪の穴には自分を必要とするまだ幼い狸が二匹いるということと、今後は盗みもしないし、一族のものにもそんなことはさせないので助けてくれと言うと、その酒蔵の男たちはのた坊主のその様子を哀れに思い、のた坊主を許すことにした。


 許してもらったのた坊主はその恩返しにその酒蔵の商売が繁盛するように守ると約束し、その家は本当にますます繁盛、狸の行いに感心した酒蔵の主人はいつしか毎年たぬき祭りを催してそのときには元酒を狸の穴に贈っていた。


 俺は虎徹で遮二無二斬りつけたが、のた坊主は傷一つ負わずに、虎徹を奪い取り、俺を刺し殺した。


 2021年12月下旬

 俺はニューヨークに出かけて、旧友のロミオと親交を温めていた。ロミオとロザリンドの兄妹は、俺の学生時代の親友である。ロミオは最近会った妹のことをひどく心配していた。はっきりとした根拠は分からないが、何か嫌な雰囲気だったと。そして俺に、彼女の所へ行って調べてほしいと依頼する。そのため、あらかじめロザリンドに「ウィルソンが零落して、三度の食事にも事欠く有様なので助けてやってほしい」と言っておいたというロミオに苦笑しつつも、俺はロザリンドの住むクイーンズに招かれ、潜入捜査を開始する。

  

 クイーンズはニューヨーク市内で最も東に位置しており、ブルックリン区とともにロングアイランドの西部を形成している、南はブルックリン区、東はナッソー郡と接しており、イースト川を挟んで西はマンハッタン区、北はブロンクス区と隣接している。


 クイーンズは5つの区のうちで最も面積が広く、人口はブルックリンに次いで2番目である。数多くの移民の居住地となっており、クイーンズ郡はアメリカで最も多様な人々が住む郡であり、世界で最も民族的多様性に富む都市地域である。


 クイーンズ区はニューヨーク市内で面積が最大の行政区である。2014年の調査によれば、推計人口は2,321,580人である。5つの区のうちでブルックリン区に次いで人口が2番目に多く、郡としての人口もアメリカ国内で第10位である。ニューヨーク市の区をそれぞれ独立した市とすると、クイーンズ区はアメリカでロサンジェルス、シカゴ、ブルックリンに次いで4番目に人口が多い市となる(ニューヨーク市以外は市よりも郡の方が大きい)。人口密度はアメリカ合衆国の郡の中でニューヨーク郡(マンハッタン区)、キングス郡(ブルックリン区)、ブロンクス郡(ブロンクス区)に次いで4番目である(アメリカ上位4つは全てニューヨーク市の郡)。民族的多様性に富んでいることが特徴で、居住者の48%は移民であり、近いうちに、外国で生まれた人々が多数派を占めるようになると見られている。


 クイーンズへのヨーロッパ人の入植は、ニューネーデルランドの一部としてオランダ人により1635年より始まった。クイーンズは、ニューヨークに置かれた最初の12郡の1つであり、1683年にイギリス国王であるチャールズ2世の后、キャサリン・オブ・ブラガンザ王妃にちなんで「クイーン」という名で誕生した。1898年にニューヨーク市の一部として合併された。1683年から1899年まで、クイーンズ郡には現在のナッソー郡も含まれていた。


 クイーンズは、マンハッタンやブルックリンと比べると垢抜けない地域であると見なされることが多いが、21世紀に入りマンハッタンに近いエリアから高級化が進んでいる。ニューヨーク市地下鉄が届いていないクイーンズ東部地区は、隣接するナッソー郡のような郊外の風景や雰囲気である。しかしながら、クイーンズ西部/中部地区は、都会的地区が多く、ビジネス街となっている場所もある。クイーンズ区最西端にある沿岸地区のロング・アイランド・シティには、シティーコープ・ビルが建っており、これはマンハッタン区を除けば、ニューヨーク市で最も高いビルである。この地区は21世紀に入り、高層マンションの建設ラッシュが続いている。このため、クイーンズの建築郡は近代的高層ビルから100年以上前の長屋建築まで多様性に富んでいる。


 1939年ニューヨーク万国博覧会と1964年ニューヨーク万国博覧会の二度の万博が行われたフラッシング・メドウズ・コロナ・パークもクイーンズにある。なお、ここにはテニスの4大大会の1つである全米オープンが開催されるUSTAナショナル・テニス・センターや、MLBのニューヨーク・メッツの本拠地であるシティ・フィールドがある。また、娯楽施設としてアケダクト競馬場がある。教育施設としては、クイーンズ図書館やニューヨーク市立大学クイーンズ校がある。文化施設としては、クイーンズ美術館、ミュージアム・オブ・ムービング・イメージ、ニューヨーク・ホール・オブ・サイエンス、クイーンズ植物園、クイーンズ動物園、MoMA PS1などがある。


 クイーンズの経済規模はニューヨーク市の5つの区の中で第2位である。ニューヨーク市内にある二大空港である、ジョン・F・ケネディ国際空港とラガーディア空港はクイーンズにある。ラガーディア空港近くのライカーズ島(行政区上はブロンクス区)にはニューヨーク州では大規模な刑務所が存在する。


 極端な理想主義者で体のひ弱なロザリンドは、未成年犯罪者の救済に尽力するロバートと結婚して、少年院の隣で暮らしている。そこには彼女の家族と親戚、たくさんの非行少年たち、医師や研究者、精神病患者の青年がいる。その中にロミオを不安にさせた何かがあったのだと俺は思った。そして数日後、訪れたロザリンドの義理の息子ロニーが射殺された。


 ミルコはカトブレパスに備えて殺戮を繰り返していた。

 アカマル・イクエ、ウサミ・オリビア、カキモト・キョウヤ、クサツ・ケイタの4人はヒキタ・フユミの依頼で殺害した。4人はフユミの詐欺のカモだった。

 イクエはミルコの最初の妻、オリビアは2番目の妻だ。遺体に布団をかけたのは愛していたからに他ならない。ロリ、ロレナ、タツヤ、ロニーを殺したのもミルコだ。4人に関しては恨みがあったわけでも、依頼されたからでもない。

 あと2人でモンスターを召喚できる。カトブレパスは故郷のロシアに来襲した。親や友達を助けなくちゃ!

 ロミオ、ロザリンド、ウィルソン……次は誰を殺そうか?迷っているとネットに殺人依頼があった。標的はゴミみたいなガキだ。

 

 2007年5月15日午前7時ごろ、福島県会津若松市の会津若松警察署で、当時17歳の同市の県立高校3年の男子生徒が「母親を殺害しました」と言って自首する。少年は切断された女性の頭部を通学用の黒い布製ショルダーバッグに入れて持ってきていた。その際応対した女性警官は生首と目が合い卒倒して医務室に運び込まれたという。署員が少年の自宅アパートに駆けつけたところ、布団の上で母親が頭部を切断されて死んでおり、同署は少年を殺人容疑で緊急逮捕する。翌5月16日、殺人と死体損壊の疑いで少年を送検した。


 少年は5月15日午前1時30分ごろ寝ている母親を包丁で刺し、のこぎりで首を切断した。足を切ろうとしたが切れず、腕も切ろうとしたが切れなかったと本人が言っていたようだ。その後、インターネットカフェで夜を明かす。そこでアメリカ合衆国の人気アーティストビースティ・ボーイズのDVDを見ている。その後、6時20分ごろ携帯電話でタクシーを予約し、6時50分ごろタクシーに乗って警察署に乗りつけた。タクシーの後部座席にもバッグからもれたと思われる血が付着していた。


 自首した際には少年は、返り血と見られる血が付いた服を着ていた。遺体の首と頭には包丁で刺された傷が複数あり、手には抵抗した際に出来たと思われる無数の傷があった。アパートの遺体の側には、血まみれの包丁とのこぎりが残されていた。のこぎりは数日前に市内のホームセンターで買ったものだという。


 少年は中学時代、卓球部に入っていた。しかし1年で辞めてしまい、そこから勉強に専念し何事にも一生懸命な優等生であった。市内でもトップクラスの進学校に合格した。だが、高校に入り長髪にし、爪も伸ばすようになった。周りにうまく溶け込めず、一人でいる事を好み、友達も少なかった。生徒は高校2年の9月頃から風邪や頭痛を理由に不登校気味であった。3年になってからは5日間登校しただけで、4月13日を最後に登校していなかった。5月1日には市内の病院に行き、精神的に不安定になっていると診断されていた


 少年の実家は福島県大沼郡金山町で、約60キロ離れた会津若松市の高校に通うためアパートを借りていた。弟と一緒に住んでいたが、弟は別の部屋にいて気づかなかったという。母親は保育士で大沼郡内に勤務していた。14日は午後6時過ぎに仕事を終え、アパートを訪れていた。15日は母親の誕生日だった。


 動機について生徒は「誰でもいいから殺そうと考えていた」「戦争やテロが起きないかなと思っていた」と供述している。

 依頼人は少年の父親だ。

 少年は既に社会復帰をしている。少年の名前はマガキ・ユタカ、父親の名前はマガキ・リョウスケ、母親の名前はマガキ・タマオ。


 会津若松市は、福島県西部一帯を占める会津地方の中心都市で、市街地は会津盆地の南東部に位置する。市域全体では、市街地の南に広がる広大な山地も市域に含まれ、最南端は芦ノ牧温泉などのある大戸岳周辺まで市域に収める。東側は猪苗代湖の約3割が市域に含まれ、猪苗代町や郡山市と接する。北、西は喜多方市など、会津盆地内の市町村と隣接する。


 東西に国道49号、磐越自動車道、JR磐越西線が通っており、南北も国道121号などの道路、会津鉄道会津線などによって周辺地域と結ばれている。これらの会津地方の東西を結ぶ道路と南北を結ぶ道路は会津若松市で交差しており、鉄道でもJR磐越西線、只見線、会津鉄道会津線が集まる会津地方の交通の要衝になっている。


 双方の対岸は、真西の日本海沿岸が新潟に、真東の太平洋沿岸は大熊に相当する。


 市域の北部、西部、中心部周辺は会津盆地の南東部にあたり、市街地、商業地、住宅地などのほか、水田が広がる。また、市の南部から北部に阿賀川が流れており、市域東部、南部からは湯川、溷川(不動川)、古川などが流れる。市の東部は猪苗代湖に面しているほか、市の南部には山地が広がる。


 盆地であるため、一年の気温差が大きく、夏は暑く冬は寒い気候である。また、一日の温度差も激しい。(1月の平均気温 -1℃、8月の平均気温 25℃)。また、通常冬は降雪、積雪がある。このため、豪雪地帯に指定されているが、冬期の積雪は会津地方の中では少ないほうである。日本海側気候の特徴を多く持っているほか、海から離れているため内陸性気候の特徴も併せ持つ。年間平均気温は11.7℃で、年間降水量は1133.8 mm。

 

 2022年8月上旬

 米中戦争中(日本はアメリカを支援)、中国軍の捕虜となった松永将暉は処刑される寸前、親友・小藪徹の決死の反撃で難を逃れた。


 帰還後、2人は日本に戻り函館基地で訓練を重ねていたが、ある日、徹が将暉を助けるために撃退した将暉から報復を受け、廃人同然にされてしまう。


 チンピラはもとより、警察の無力さにも怒りを爆発させた将暉は自身の手で復讐する事を決意し、復讐を果たした。その過程で将暉は街にはびこる悪人どもを次々と処刑していく。


 世間が将暉をヒーローに祭り上げる中、北海道警の樽見裕二警部は単身、将暉を追跡する。そして、松永将暉の正体がロシアの暴君、ミルコであることを突き止める。


 夜の港で対峙するミルコと樽見警部。ミルコが投降しようとしたその時、2人に銃弾の雨が浴びせられる。実はミルコを探っていたもう1つ別の存在があった。それは…!?


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