第17話 新入生達
「……新入生の皆さんも、錬身流を学んで、より高みを目指しましょう。以上錬身流でした」
舞台の上からはこう見えているのか。そして、ガイダンス結構感触良かった気がする。さて、何人入ってくれるかな?
部活の見学は3週目から、それまでは新入生は学校に慣れる期間だ。そして、僕達は普通に、学校生活が始まる。
まだ、数人しか来ていない。僕は定位置の席を4席確保する。教室は、2-B-1だ。しばらくして、ピノが、ドラグが、最後にジョイがやってくる。
「マックス君、ありがとうだし」
「いや、早く目が覚めて定位置を確保しただけだし」
「ハハハ、でも、落ち着くね。この場所」
「あれっ、ドラグも同じクラスか?」
「おう、ナッツ。あ、えーと、同じ弓道部のナッツエンハイム。こっちは、1年の時からの友達のマックスとピノとジョイ」
「よろしく」
ナッツ君は、騎士なのに弓を武器とする一族で、小さい頃から、弓をやっていたそうだ。
「下級騎士だけどね。だから、君達みたいになかなか遊びに行けないけど、たまには誘って」
出身は北の方だそうだ。どこだろう?
「えーと、初日の見学者は3人か。結構多いな」
「名前はと、クリサリス君と、ローランさんと、リリア=フォン=アルフォンスって、これ、剣王流のローズ先輩の妹じゃん」
「何で、見学に来るんだ?」
おっ、リリアちゃん約束通り見学に来てくれるんだ。良かった。初日見学は、女の子2名。女の子増員計画上手くいくと良いんだけど。
そして、錬身流見学日初日。
「マックス先輩、お疲れ様です」
「リリアちゃん、本当に来てくれたんだ」
「はい、約束ですから」
「なるほど、マックス目的か。イケメン死ね」
「何言ってるんですか。タキリス先輩」
見学者は、リリアちゃんと、ちょっと地味目の女の子ローランちゃん、そして、気の強そうな男の子クリサリス君。の3人だ。
「僕は、すでに錬身流に入ります。よろしくお願いいたします」
そして、見学が始まる。まずは、道場一周の膝行。続いて、受け身の練習。投げ技もある錬身流、独特だろう。続いて、足捌きの練習、かなり腰を落としてゆっくり行う。いつの間にか、汗だくになってくる。
「マスターゴーランに礼!」
マスターゴーランが、重々しく入って来て、練習は続く、今度は素振りだが、ゆっくりと体全体の動きを確認しつつ、木刀を振る。マスターゴーランが、見て動きの注意しつつ、いろいろな素振りを行う。
休憩を挟んで、マスターゴーランが、目の前で実践した技を2人一組で打ち合っていく。途中、投げ技等も入りいくつか技を行うと。休憩になり、防具をつける。
そして、1対1で、2対1で、3対1でと戦っていく。マスターゴーランは、試合を見つつ、アドバイスをする。で、練習終了。
「リリアちゃん、どうだった?」
「はい、良い見学になりました。より、実戦的で、強くなれそうです」
「そうか、良かった。また、よかったら見学に来てね」
「はい、また次回よろしくお願いいたします」
「はい?」
そして、次の部活の日。見学者は、リリアちゃん、クリサリス君、そして、金髪セミロングの派手目の女の子。
「ハルリリー=フォン=ナオエラインです。よろしくお願いいたします」
ローランちゃんは、来なかった。他の部活の見学かな? そして、また、練習を行う。
そして翌日。 授業が終わり、寮に戻る為に、歩いていると、ローズ先輩と出会う。
「お疲れ様です。ローズ先輩。今日は、剣王流の練習ですか?」
「そうだよ」
「錬身流は、今日休みだっけ? だったら、リリアも見学来れば良いのに」
「えっ、リリアちゃん剣王流の見学行ってないんですか?」
「初日見学に来て、後は来てないよ。錬身流に決めたんだと。良かったね」
「そうだったんですか。嬉しいです」
「はい、はい。じゃ、妹をよろしく」
「はい!」
そうか、リリアちゃん錬身流に入ってくれるのか。良かった~。ますます、部活が楽しくなるな。後、クリサリス君が入って、後何人入ってくれるのか?
「ドラグ、弓道部の勧誘はどう?」
「うん、1人は入ってくれるって、見学者も他に何人かいるから、2、3人は入ってくれると思うんだけど。マックスの方は?」
「錬身流は、たぶん2人確実で、後見学者いるから後1、2人入ってくれると良いんだけどね。ジョイや、ピノの所は?」
「うちは、騎士で入る人いないけど、魔術師が結構入るし。活動緩いから、人数わかんないかな」
「格闘部は、熱い男が2名いて、他にも募集中だな」
「へー。とりあえず、皆順調そうだね」
「うん」
そして、翌週の見学日。リリアちゃん発見。
「リリアちゃん、ローズ先輩から聞いたんだけど、錬身流に入部してくれるの?」
「はい、よろしくお願いいたします」
「そうなんだ。嬉しいな。部活がより楽しくなるな。でも、なぜ錬身流?」
「えーと、お姉ちゃんと戦うと良く分かるんですけど、わたしの身体だと、剣王流で、戦った場合お姉ちゃんに絶対負けてしまうんです」
「なるほど」
「なので、気水流を学ぼうかと思ったんですけど、性格的にむかないなって」
「性格的に? そうなの?」
「はい、なので、錬身流を見学して、これだって。それに、錬身流には、マックス先輩もいますし」
「えっ。僕が?」
「はい!」
「リア充死ね」
「タキリス先輩どうしたんですか?」
「気にするな。マックス、ほっといてやれ。イリーナ先輩卒業してから、あれなんだ」
「はあ?」
今日の見学は、他にクリサリス君、そして、ローランちゃん復活、そして、隣には、おとなしそうな男の子が立っている。誰だ?
「ローランちゃんに誘われて見学に来ました、ハシュタルです。ローランちゃんは、幼なじみです。よろしくお願いいたします」
「リア充死ね」
「えっ?」
「いや、気にしないで、幸せな人を見ると呟く病気だから」
「はあ」
ハシュタル君と、ローランちゃんは、見学中楽しそうに、しゃべりながら見学している。タキリス先輩じゃないけど、ちょっとイラッとする。さすがに注意しようかな?
「ハシュタル君、ローランさん、少し静かに見学してください。練習を見せてくださっている先輩方に失礼ですよ」
「あっ、ごめんなさい」
その前に、リリアちゃんが注意してくれた。しっかりものの、リリアちゃんも良い。
そして、見学最終日、なんか見学者多いぞ。リリアちゃん、クリサリス君はもちろん。ローランちゃんと、ハシュタル君のコンビ。そして、派手な女の子、ハルリリーちゃん復活。
「わたしは、錬身流に決めましたの」
こうして、5人もの新入生を迎え、新生錬身流は、スタートした。
「俺が、主将のアドルフケイラーだ。アドルフとでも、呼んでくれ。新入生は、今日から練習頑張ってくれ。じゃあ自己紹介していこう」
「僕は、副将のハーラン=フォン=カーンエルフです。ハーランとでも呼んで下さい」
「俺が会計のタキリスです。よろしく」
「で、2年生の自己紹介だな」
「俺は、主務のイシュケルです。よろしくお願いいたします」
「僕は、副務のマクシミリアン=フォン=ローデンブルクです。マックスと呼んでください。よろしくお願いいたします」
「わたしは、レーレンラン=フォン=カーンエルフです。ハーランは兄です。よろしくお願いいたします」
「次に1年生の自己紹介を。じゃ右から順番で」
「わたしは、リリア=フォン=アルフォンスです。リリアとでも呼んでください。よろしくお願いいたします」
「僕は、クリサリスです。よろしくお願いいたします。クリサリスでも、クリスとでも呼んで下さい」
「僕はハシュタルです。ハッシュと呼んで下さい。よろしくお願いいたします」
「わたしは、ローランです。よろしくお願いいたします」
「わたしは、ハルリリー=フォン=ナオエラインよ。じゃなくてです。よろしくお願いいたしますね」
「よし、これで自己紹介終わりだね。では、練習を開始します。1年生は、俺が練習みる。ハーランは、4年と2年の練習よろしく」
こうして、男子7人、女子4人、計11人に賑やかになった。
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