第2話 どこにする?

「それで、何食べます?」


支度を終えた俺たちは、大学とは逆方向の最寄駅方面へと向かっていた。この辺りは人口がそこそこ多いらしく、それでいて大学の最寄駅でもあるためか、駅前繁華街は結構栄えている。


逆に、駅から離れてしまうと、都会ではないのであまり店がない。スーパーが近場に一軒しかないのがいい例だ。


そんなわけで、この辺りの大学生が外食といえば、必然的に駅前繁華街となるのだ。


「雨空は食いたいものとかあるか?」


「ガッツリ、とまではいかなくともそれなりにしっかりしたものが食べたいです」


そう言いながら、雨空はキョロキョロと周りの店を見ている。自炊がほとんどで、そうでない日は学食かスーパーの弁当、もしくはインスタントで食事を済ましていたらしく、あまりこの辺りの飲食店には詳しくないらしい。


「要求が難しいな……」


正直、店に心当たりがないわけではない。だが、この時間に待ち時間なく入れるとは思えないのだ。


「なあ、雨空。いい店があるんだが、多分すごい並んでると思う。一応そこ覗いてみて、それでどこに行くか決めてもいいか?」


「構いませんよ、すっごくお腹空いてるわけじゃないですし」


「わかった、じゃあこっちだ」

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