番外編~桜ヶ丘学園生徒会~
※ 作者からのコメント
時系列がおかしいですが、ご容赦くださいm(__)m
また、この話は『俺だって~』のコラボ回となっております!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
学校交流会。
この時期、この学校では他校の生徒を招いて交流会が行われるイベントがあるらしい。
そんな行事が、今日という日に行われるなんて、俺は全くをもって知らなかった。
「学校交流会って何をするんだろうなぁー」
「そうですよね……しかも、私達が手伝うことになるなんて」
隣では、俺と同じく頭を傾げる我が学校の聖女様が不思議そうにしている。
「ほんとね……こういうのって、生徒会が主体でやるんじゃないの?」
多目的ホールに集めさせられた俺達は、この現状に疑問を思っていた。
急に先生に呼び出され高と思えば「お前達、今日は他校の生徒が交流会で来るから、学校を案内してやれ」と言われてしまう始末。
交流会自体何をするのか分からない。
それに、何故俺達が選ばれたのかも分からない。
そんな現状に、疑問に思うなって方が無理な話だろう。
「なんでも、今回生徒会は交流会の準備で案内することができないから、僕達が集められたみたいだよ」
先生に渡された紙を見て、颯太が淡々と教えてくれた。
「だからって、なんで俺達なんだ……?」
「それは入試の成績が良かったからじゃないかな?柊さんは、多分日頃の態度と、真中の監視役だと思う」
「……監視って」
言い方、言い方がひどくないですかね?
そして、先生たちの扱いも大概酷いと感じてしまう。
「今回来るのは『桜ヶ丘学園』の生徒会メンバーみたいだね」
「桜ヶ丘学園って、この地域で一番のマンモス校じゃなかったかしら?」
「えぇ、確か総生徒数は1000人は超えているみたいですよ」
なんでそんなところが来るんだよ……。
それに、生徒会って……俺らじゃ役不足にも程があるだろ。
「あぁ……余計にやる気がなくなってきた……」
「まぁ、授業に参加しなくて済むんだからいいじゃないか」
「それはそうだけどよ……」
それでもやる気が出ないものは出ないんだ。
どうせだったら家に帰らせて欲しい————え?ふざけるなって?
いや、普通学校なんてめんどくさいだろ?帰りたいと思うのは、学生だから当たり前だと思う。
「でも、どんな人が来るのか楽しみですね!」
「そうかしら?私は別に興味ないけど」
流石戦乙女。その不遜な態度、まじリスペクトっす。
「じゃあ、さっさと終わらせようぜ。どうせ学校案内だけなんだし————」
ガラガラガラ
俺がそんなことを言っていると、不意に多目的ホールの扉が開く音がした。
「失礼いたします」
「ここが多目的ホールで合っているかな~?」
そんな声とともに、複数の人影が入ってきた。
俺達は少しだけ身構え、姿勢を正し中に入ってくる人影を迎える。
「はい、こちらで問題ございませんよ」
そして、柊が礼儀正しい口調で答えてくれた。
さて、これからめんどくさいものが始まるぞー。
早く案内して、終わらせてしまおう。
入ってくる人影を見て、失礼にもそんなことを思った。
♦♦♦
「初めまして、桜ヶ丘学園生徒会長、2年の西条院柊夜です。今日はよろしくお願いいたします」
長い金髪の少女がまず先にと、柊と同じくらいの礼儀正しい口調で答えた。
しかし、元からその口調なのかと疑うほど、その喋りは流暢なものだった。
……っていうか、西条院ってあの有名な西条院グループとなにか関係があるのだろうか?
「同じく、副会長の3年の結城陽介だ」
続いて茶髪のイケメンがそう答えた。
イケメン、死ねばいいのに。思わずしかめっ面になってしまう。
「副会長の鷺森麻耶で~す!よろしくね!」
そして、長い茶髪のおっとりた少女も答える。
……ふむ、素晴らしいたわわだ。柊と藤堂とは比較にもならないようなものをお持ちで。
「ひぃちゃんと同じで2年の神楽坂アリスです!」
そして、銀髪の女の子が明るい口調で続いた。
……あの銀髪、地毛なのかな?だったらハーフさん?
愛嬌のある顔立ちと明るい雰囲気がなんとも可愛らしい。
「はぁ……なんで俺がこんなことしなきゃいかんのだ……」
「望さん、ちゃんとしてください。他校の生徒の前ですよ」
「へいへい、分かってるよ————時森望だ。こいつと同じで2年で会計をしている」
気怠そうに隣にいる生徒会長を指さして黒髪の少年が答えた。
どうしてだろう?すごい親近感が湧くのは俺だけだろうか?
この人だったら友達になれそうだ。
————しかし、
「(わぁ……皆さんお綺麗ですね……)」
「(ほんとね……如月が浮きすぎて哀れを通り越して同情してあげたくなるわ)」
「(でも、確かに偏差値がすごいね……)」
外野も、皆同じことを思っていたようだ。藤堂以外は。
(桜ヶ丘学園の生徒会メンバーって美男美女すぎじゃね?)
女性メンバーは学校でも一二を争うほどの美少女である柊と引けをとらないほどの美少女。イケメンの方は虫唾しか走らないが、女の子達は思わず魅入ってしまうほど。
……顔の平均値が高すぎて、場違いにも程があるな。
泣きそうになってしまいそうで辛い。
それにしても、全員が年上だったなんて……。
すっごいやりづらそう。
だが、ここは失礼のないように対応しなくては。
でないと、早く終わるのも終わりそうにない。
だから、俺は柊達から一歩前に出て、代表して答える。
「ご丁寧にありがとうございます。私、1年の如月真中と申します――――この度は我が校まで足を運んでいただき誠にありがとうございました。出迎えこそ少ないですが我が校一同、桜ヶ丘学園生徒会を歓迎いたします」
「ふふっ、これはご丁寧にありがとうございます。こちらこそ、本日はよろしくお願いしますね」
挨拶をすると、おもむろに生会長である西条院さんが手を差し出してきた。
だから、俺もそれに倣って手を握り返す。
「(ねぇ!?あいつって、あんなに礼儀正しかったっけ!?私、鳥肌が止まらないんだけど!?)」
「(うん……僕も背筋からものすごい悪寒がするよ……)」
「(で、でも……そんな如月さんもかっこいいです……!)」
外野がうるさい。
そんなに俺が礼儀正しかったらおかしいのかコラ?
俺、もう真面目にやらないよ?
『なぁ、麻耶ねぇ?なんかあの金髪の女の子めちゃくちゃ可愛いくね?』
『望くん、その発言はグレーゾーンだと言っておくね』
『時森くん……今の発言、どういうこと?まさか、あの子を好きになっちゃったのかな?かな?』
『いや、違うぞ?ただ素直な感想を言っただけだからな————』
『他の女の子に現を抜かす発言をする口はこれですか?』
『柊夜違う!それは口じゃなくてこめかみぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!?』
……向こうも大概うるさいなぁ。
俺は3人の女の子に囲まれ、こめかみを握られ悶絶している光景を見てしみじみと思った。
「ごめんね、少年たちがうるさくて」
「全くです」
……はぁ、この調子じゃ早く終わりそうにないな。
俺はこれからのことを考えて、大きなため息が出てしまうのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます