第7話
米国の自然遺産の数々は、歴史のなさからきている、と言われることもある。短い国としての歴史の中で、せめてもの権威付けとして自然遺産を登録して行っているのだとかなんとか。そんなわけで今回はグランドキャニオンには劣るけれど、それっぽい地形の岩場が戦場だった。ドッグの傷もすっかり治り、訓練も再履修して無事(?)戦場に出られる身体になったから。今回は海も遠いのでモンキーも一緒だ。ミッションは、地下組織のサーバー壊滅。前回と似たようなものだ。高度情報化社会において必要なのは脳みそ筋肉じゃなく、頭の方だと言われている。モンキーに。その後三十八口径を両手にしたドッグに両耳にぺとっと付けられてひぇっとか言ってたけど。案外可愛い声を出すおっさんだ。ひぇって。そろそろ四十になろうとしている頃だろうに。
サーバーの管理はそれなりに厳重だった。だけどモンキーのワイヤーやドッグの弾丸――指向性弾丸と言ってシープの組織でのみ取り扱っている特注品らしい。命中率はドッグの腕も含めて百パーセントだ――、俺のスナイプでどうにか片付けたけれど、とどまるところを知らずに出て来る追っ手連中には辟易した。こんな極地によくこんな詰め所作られたなと逆に感心するほどだった。だってほぼほぼ砂礫だぞ、周り。娯楽も何もない所でよくもまあ。俺なら暇で気が狂う。本気でそう思う。
さてサーバーはモンキーが取り付けたプラスチック爆弾でどうにか片付いたが、追っ手までそうとはいかなかった。科学者の何人かは地獄に落ちたように喚いていたが、実戦部隊は速やかに次の目的の排除へと向かっていた。随分機械的だと思って試しに足を撃ってみたが、動じない。ヘルメットをぶっ飛ばしてみると、そこは脳がむき出しになっていた。サイボーグっていうんだっけ、アンドロイドっていうんだっけ。迷ってから前にドッグに押し付けられた日本の漫画を思い出す。少しでも人間の個所があればサイボーグだったはずだ。そりゃストレス感じるまでもないよな。『ナンバーズ』にも抵抗が強すぎてロボトミー手術めいたものを受けさせられていた奴がいたし。これは前頭葉をマドラーでぐちゃぐちゃに掻き混ぜて脳を物理的に破壊し、感情なんかを抑制するものだ。従属性が高いということで、高値で売られていった。
と、そんな苦い思い出は放っておこう。問題は次々に出て来る武装部隊だ。ドッグとモンキーの後退ラインを確認してから合流し、俺たちは一緒に逃げる。一塊なら誰かが被弾しても誰かが助けられるという、南極で授かった知恵だ。誰もいなくなったら終わりだけど、コンバットスーツにも防弾チョッキにもヘルメットにも、所属を示すものは何もない。つまりはいつ死んでも問題なくってよ、と言うことなんだろう。あの人らしいと言えばあの人らしいけれど、赤毛の奴隷を買ったことは政財界にも知られているのだから、俺は少なくとも自爆しなきゃやばいだろう。自決用の手榴弾はいつもポケットに入れてある。もっともそれを撃ち抜かれたら三人そろっておじゃんだから、危ないことには変わりないが。
脳をむき出しにした男を先頭に、部隊はこっちに詰めてくる。ライフルをサブマシンガンに持ち替えて、ぱららっと軽い音で巻いてみると、頭を直撃した奴が二人倒れた。だが損傷軽微だ。チッと舌を鳴らす。焦らない焦らない。言ってるモンキーも冷や汗を掻いてる。脳のリミッターが外れた連中なんて、相手にしてたら持久戦ではこっちに分がないと言っても良い状況だ。さあて、とドッグがコンバットスーツの胸元から無線機のようなものを取り出す。
「シープ、こっちの位置状況は?」
『零コンマ二秒差で確認しているわ』
「んじゃやつらをおねんねさせてくれよな。『スリープ』局長!」
『言われるまでもなくってよ』
何のやり取りかわからないうちに、天空からぼとぼとと爆撃のようなものが降ってくる。消音ヘリか? 思ったところで走り抜ける以外今はやるべきことは出来ない。風のない渓谷に、ぶしゃあっとガスがまかれる。慌ててガスマスクをつけると、モンキーとドッグはすでに着装し終えていた。いやね。仲間なんだから教えてくれませんか、何が来るとかどれが何だとか。催眠ガスのようなものの中で、ばたばたと倒れていくのはトーイ・ソルジャーたち。確かにこれなら連中にも効くんだろう。そうして高度を落としてきたヘリからは、縄梯子が足らされる。モンキーがそれを掴み、ドッグの腕を掴んだ。ドッグは俺の腕を掴む。早く縄梯子に掴まらなきゃモンキーの腕が危ないだろうと思ったところで――
ごぉ、っと音がする。
火炎放射器だ。
最後の悪あがきだが、縄がモンキーの手の下で焼け落ちてしまったのはやばい。
「ドッグ、離して! ドッグだけなら軽いし、モンキーも支えられる!」
「あいにくと、お前にはこの前の南極の借りがあるからな。そーゆーわけにはいかねーのよ」
「そんな、」
「それにな。モンキーだってそんなやわじゃねーんだよ」
ペグ化された両腕。そうだ、一番最初の時に言っていた。両腕が義体化済みだと――でもそんなの、この状況で何の役に?
と、身体中にワイヤーがまきつけられる。切れるほどの細さじゃないのが何重にもだ。それからモンキーは俺たちを見下ろして、くくっと笑う。
「あいにくと大事なもんは二度も三度も落としたくねー性質でなあ。ドッグ、捕まれ」
ぐいっと軽く一メートルほどを引き上げて、モンキーはドッグの手を縄梯子に掴ませる。そうするとドッグは俺の手を放して、縄梯子を上り始めた。俺はモンキーの手に中吊りにされる格好になり、冷や汗が止まらなくなる。
「ほいよ二匹目!」
ぐんっと身体を持ち上げられ、手を伸ばせば縄梯子に届く位置まで引き上げられる。慌てて掴むと、ホッとした心地でいっぱいになった。それからさくさく上っていくと、モンキーも同じテンポで上がってくる。ヘリに辿り着いてはーっと息を吐くと、モンキーにうりうりと身体を回された。ワイヤーの回収らしいが、せめてヘリが安全な場所に降りてからにして欲しかった。酔う、酔う。
「危ないところだったわねえ、三人とも。最近はああやって脳自体をペグ化してる兵士も出てきているから危ないのよ。キャット、あなたもどこか改造してみる? もちろん、五体満足のままでいられるうちはそうしてもらうけれど」
「しばらくは良いです……」
助手席に座っていたシープの本気だか冗談だかわからない言葉に、俺ははーっとガスマスクの中で息を吐く。運転しているのはホース……じゃ、なかった。
「あの、その人は」
「昔からの仲間でね、今は傭兵をやっている、スネークよ。本人も戦えるしCQCにおいてはモンキーより得手だと言って良いのだけれど、ああいう兵隊が出て来るとそれも無駄になっちゃうでしょう? 今はMW乗りをしているわ。勿論非認可軍事改造済みのだけれど」
「お前がキャットか。話は聞いてる。なかなかの腕っぷしらしいじゃないか。帰ったら俺と一戦やってみないか」
「遠慮しときます、俺は平和主義者です……三分前から」
ぐるぐる回っていると、くっく、モンキーが笑う。
「そいつは間接全体がペグでね。外そうと思えば脊椎の関節も外して侵入ができる、暗殺向きの奴なんだ。だからこういう状況で連れてくるのは珍しいんだけど……ホースに何かあったか、シープ」
ふっと真剣になるモンキーの声に、俺は回りながら固い唾を飲み込む。って言うかいつの間にどうやってこんなに巻き付けたんだ、モンキー。細いのから太いのまでぐるっぐるだぞぐるっぐる。
「MWのオーバーヒートに気付かずちょっと馬鹿やらかしたのよ。全治二週間。今は基地で眠ってるわ。あの馬鹿」
最後の言葉が拗ねたように聞こえて思わずぷっと笑ってしまうと、シープがこちらを振り向いてじろりと睨み付けてくる。
「言っておくけれど私は誰も信頼まではしていなくってよ。このミッションも三人ではクリアできなかったことでしょう? 念のために消音ヘリを用意しておいて良かったわ、運転手は変わっちゃってるけれど。そうよ、まったく、みんなして私を置いていこうとするんだから困っちゃうわ」
やっぱり拗ねたような言葉にコンバットスーツの胸元を広げてパタパタ風を送っていたドッグが肩を竦め。へいへい、とやる気のない返事をする。確かに今回はちょっとやばかったけれど、ドッグのロケランとかいろいろ使えば逃げられなかったとは限らない気もするだけに、微妙な所だった。背中にはいつもロケラン。たまに信管や火薬を抜いたかく乱用になっていることも多い。
「助かっちゃいましたよ、シープ様。この調子で私たちの装備にも気を使ってくれりゃなお嬉しいんだけど」
「誰かさんが撃たれたっていうから今回からは防弾チョッキを支給したでしょう」
「ぐさ」
「モンキーから連絡貰った時は本当に驚いたんだからね。出血量九百ccなんて、いつ死んでもおかしくないじゃない。血圧も下がって立ち上がるのにもキャットの腕借りてたの、イリアスがしっかり見ていたんですからね」
「どこにカメラあるんだかいい加減教えろよ。そこのサルが私の着替え見てるのかと思うとおちおち部屋でも安眠出来ねーんだからな」
「あなたがそんなに繊細だった覚えは、この十年無いわ」
「厳しーの」
「的確だと言ってちょうだい」
くすくす笑い合う女たちに、モンキーとスネークはやれやれといった様子で肩を竦めていた。
俺はやっと解けたワイヤーに三半規管をやられて、ぐったりと冷たいヘリの床に横たわる。涼しい場所を求める猫のようだと、自分で思ってしまった。
「イリアス、内緒モード」
『了解しました。マスター・シープ』
回天に戻ってから俺の部屋を訪ねたシープがそう言うと、部屋の照明がすべて間接モードになって、内緒話、という雰囲気が増す。と言うか増してどうするんだという突っ込みは多分通らないだろう。普通の照明で良いじゃないか、普通ので。わざわざムードを作ろうとしなくたっていいと思うが、そこはシープ局長のこだわりなのだろう。やれやれ。
「モンキーとドッグのペグ化の経緯は聞いていて? キャット」
「えっと……ドッグは臭気鑑定士だったのを危ぶまれ、マフィアに鼻をつぶされたのが原因だったと」
「モンキーは?」
「……そう言えば、聞いてない」
一番最初にペグ化の話を振ってきたのはモンキーで、自分の腕を見せたのもそうだけど、そう言えば経緯は話されなかった。あれは上手く誤魔化されていたのかもしれない、今更思うとやっぱりね、とシープが苦笑交じりに息を吐いた。なんだって言うんだろう。訝った俺が首を傾げるのに、シープはちょっとだけ話を整理する時間をちょうだい、と言った。……、……、……。三十秒ほどでそれは終わったらしい。
「ドッグの本名は知っていて?」
「レベッカ・アドモア」
「モンキーの恋人も、レベッカという名前だったの。モンキーの左手に傷があるのは気付いていて?」
「いえ……」
「あれは恋人に刺された傷」
え。
いくら不潔でも、恋人を刺すってどういう状況だろう。さすがにそこまで恨まれる人じゃないと思っていただけに、俺はあんぐり口を開けてしまう。シープは驚くわよねえ、と言って自分の口元を撫でた。
「そんな情熱的な愛を知ってるとは、思えない人だから」
愛?
余計に頭がこんがらがる。
「二人は趣味が同じで知り合ってね。フリークライミングって分かるかしら。ちょっと危ない遊びなんだけれど、そのスリリングさがたまらないと言って二人で出掛けたりしていたの。だけどある日、レベッカは、『ベッキー』は、足を踏み外す。すかさずモンキーはその手を掴んだわ。自分の左手で。だけど細身の女性を抱えていられるほど時間も腕力もなかった。だから『ベッキー』は登山用ナイフでその左手を刺したの。そうして一人で落ちていった。穏やかな顔に見えたそうよ。だけどモンキーは自責の念でいっぱいになった。だからペグ化したの、両腕を。もう何も離さなくて良いようにって」
俺は何を言ったらいいのか分からなくなって、ただシープを見詰める。
「私にだけこっそり『ベッキー』の写真を見せてくれたことがあるのだけれどね、ドッグにそっくりだったわ。顔かたち、笑い方まで。だからこそもう二度と離したくない。南極でひどくドッグの事を怒ったのも、今回のちょっと無茶なやり方も、その所為だったって、許してはもらえないかしら。キャット。結局あなたを二人の関係に巻き込んでしまった。それを、許してくれる?」
「許すって言うか」
頭をポリポリ書きながら、俺は返答に困ってしまう。別にどうも思っていなかったからだ、どっちも。ただ、モンキーの一途さには驚かされたけれど。
「納得は行きました。いつもと違うモンキーの様子、って言うか。ドッグもあんまり噛み付かない理由って言うか」
「あら、ドッグもそうなの?」
「ちゃんと南極の時は、謝りに行ってましたから」
「あらあら」
くすくす笑いながらシープは、本当に嬉しそうにする。
「自室にボルタリングなんか付けてたりしてるって言うからトラウマは克服できたのかしらって思っていたけれど、ドッグにそこまで近寄らせるなんて、随分丸くなったものなのね、モンキーも。私の自室とモンキーの自室は常に内緒モードだから、何があったかわからないのよ」
『内緒モードを停止しますか?』
「まだ継続」
『了解しました、マスター・シープ』
「でもそんなに怒鳴った後ですぐに自室に入れられるぐらいになったのね。犬猿の仲、って機動課時代からからかわれていたけれど、少しは良くなったと言うことかしら。なら私には嬉しいし、何より友人たちの不和が解けるならそれに勝ることはないわね。大事な大事な、仲間で友人たちですもの」
「……それを狙って二人に回天与えて、クッション材の俺も放り込んだんじゃないんですか」
「それも真ね。だけどそれだけでもなくってよ。あなたに二人を学ばせることも、目的だったのだから」
「学ばせる……」
「感情豊富でキャンキャン言ってるドッグと、それをいなすモンキーと。どこか夫婦みたいじゃなくって? あの二人。そう思ったら子供を与えてみたくなるのも老婆心じゃない」
「俺が二人の子供……?」
「そう。ドッグとモンキーから生まれたキャット。私はあなたのこと、とっても信用していてよ? あの二人に育てられて、曲がるようなところなんて決してないもの。アンネ嬢への手紙を見ていてもそう思うわ」
「検閲が入るから大したこと書けないだけかもしれませんよ?」
「じゃあ止める? 検閲」
「……いえ。せめて俺をもうちょっと信用できるようになるまで待ちますよ」
「信用できるからこそ止めるかどうか訊いているのに。おかしな子ねえ、ふふふ。イリアス。内緒モード解除」
『了解しました、マスター・シープ』
照明が戻ってちょっと世界が眩しくなる。
それじゃあね、と言ってシープは出ていった。
って言うか。
「あのモンキーに恋物語があったとは……」
そういうのから一番縁遠い人だと思ってただけに驚愕だった。次に縁遠いと思っていたのはドッグだけれど。あの日モンキーの部屋で二人は何を話していたんだろう。どんな話をしたのだろう。レベッカと『ベッキー』は別人だと、モンキーはちゃんと分っているんだろうか。それはちょっと心配だったけれど、俺が口を出す問題でもない。否、二人の子供なら入る余地はあるのか? えーっとこういう時ってどういうんだっけ。『お父さんお母さん止めて』?
思うとちょっとばかばかしくておかしくて、笑えてしまった。そうしながらコンバットスーツを脱いで、私服に着替える。それから俺の赤毛は目立ちすぎると言うことでシープにもらった染髪料を使ってみた。あっという間に見違えるように、真っ黒な髪になる。専用のシャンプーでないと落ちないらしいから、一か月ぐらいはこうしていようか。そうすれば日系人に見えないこともないだろう。
「おーいキャット、晩飯の準備まだ……って、なんだお前その髪! ぶはははははは、あーははははは! 何? 何? 色気づいちゃった? アンネと同じ黒髪にしてみましたって写真でも送る? だったらその前にぼさぼさの髪整えてからにしろよ? あはは、あーおかしー! 今更黒髪だと笑えるわ、あーはははは!」
……前言撤回、すぐ落とそう。ミッションの時だけ使おう。ドッグのこう言うデリカシーのない所が嫌いだ。でもまるで母親のような反応だな、とも思ったので、俺は言ってみる。
「そんな笑わないでよお母さん!」
ぶふっ。
次の笑い声はまたドアから響いた。
モンキーだった。
「お父さんまでやめて!」
「ぎゃはははははははははははは、私が母親でモンキーが父親かよ、ぎゃははははは! 腹いてー、あぶっふはは、あはははははは!」
「やめて、おじさんの腹筋えぐってくるのやめて……確かに親子ほど年は離れてるけど、それはやめて……くっく、くっくっくっくっくっくっ!」
なんとなく二人が笑っているのを見ると安心したので、まあ、遠い親戚ぐらいには思ってみよう。
ハロー、アンネ。
今回は砂礫の中からサーバーを壊すミッションでした。それ自体はまあよくある類だったのですが、兵士が脳をいじられているのを見て、これも俺の未来の一つだったのかな、なんて考えたり――は、もうしていません。どうやら俺には家族がいるようなので、家族と一緒にいる想像の方が楽しいようです。モンキーは力ずくと命懸けで俺を助けてくれたし、ドッグは笑い上戸だけれど締める時はきちっと締める人だし。この二人が両親だったら確かに自分は幸せだったろうな、と思います。でも現実では違って、似たような物だけれど違っていて。
アンネはお父さんの事、どう思いますか? やっぱりお父さん? 俺は俺を買ったシープ自体はとても家族に思えないので、ちょっと気になったりします。母親程度に歳は離れているけれど、あんな母親は欲しくないし、お姉さんでも嫌かな。と書くと検閲されそうですが。でも今回の手紙からはそれもなくなるそうなので、自由に書いてしまおうと思います。
ちなみに今回のミッションも、俺は無傷でした。だから心配はいりません。大丈夫です。アンネにはいつも心配かけるけれど、これでも随分頑丈になりました。その内会ったら驚かれるかもしれないな。早くその日が来ることを祈って。
親愛なるアンネ・コルンブルーメ・フォン・フォーグラーへ。
トムキャットより。
「あ、こらキャット、封はちゃんとしないとダメだろ。途中で落っこちちまうぜ?」
「……本当に検閲無くなったんだ」
「まあこの二年、お前は品行方正だったからな。さ、ホースにビーフシチュー持ってってやんな。弱ってる時は美味いメシが一番だ」
「缶詰ばっかりだった頃を思い出すと、本当に良い子に育ってるよねえ。包丁の研ぎ方わかんなくてカボチャをチェーンソーで叩き割ろうとしてた奴がいると、本当そう思うよ」
「あんなかてーもんは女子の範疇じゃねえ」
「女子とか三十路超えて言うなよ」
「女はいつでも女の子って言い張って良いんだよ。同じ事シープに言えるかお前?」
「言えない……」
「言えないよなあ……」
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