第1話 始まりの空
ピピピピッ ピピピピッ
平日午前6時に、石神の部屋の目覚まし時計が鳴る。
「う~ん。もう朝か…」
布団に籠っている石神がうつ伏せになりながら呟く。
ベッドの頭の部分にあった目覚ましを止める。
「もう少し寝てたかったなぁ」
起き上がり正座をしながらそう言った。
ピロロロロロロ ピロロロロロロ
右手側に置いてある自分のスマホに気が付く
手に取って応答すると
「竜樹ー!朝よ起きてる!?」
母の鋭い声が朝の眠った耳に突き刺さる。
「うう~。起きてますよ~」
力なき石神の声が応える。
「なら着替えて降りてきなさい! 朝ごはん出来てるよ!」
またまた母の声が突き刺さる。
「はい」
一刻も早く会話を終わらせるため石神は素直に応えた。
制服に着替え鞄の中にその日の日課の教科書を入れ部屋を後にした。
リビングには父がニュースを見ており、母が台所に居る。
椅子に座り自分の席に置いてあるトーストを食べながらニュースに目を向けた。
「昨夜未明都内に通う男子高校生が公園で死亡しているのが発見されました。警察は麻薬反応が出たため死因は麻薬の使用だと考えています。」
ニュースキャスターの声がリビング中に広がる。
「やあねぇ怖いわねぇ。あんたは麻薬なんてやっちゃダメよ」
右手を右頬に着けながら母が話す。
「やるわけ無いでしょ!?あんな危ない奴らと一緒にしないで! 仮にやるとしても高校生にそんな経済力ない」
「アッハッハッハ そうよねぇ~あんたにそんな度胸無いものねぇ~」
笑いながら椅子に座る。
「そういう問題じゃ… まぁいいやそろそろ行くから」
「あらそう?行ってらっしゃい」
「気を付けるんだぞ」
無口なスーツ姿の父が朝初めて声を出す。
「行ってきます」
ガチャっと家の扉の音が鳴る。
「おーい!」
通学路で立ち止まっていると聞き慣れている声が迫ってきた。
「学校行こうぜ!」
彼は親友の【
茶髪で髪全体が跳ねている髪型が特徴だ、目は黒で身長は石神と同じ170cmでありとても明るい性格だ。
「今日の1限目は漢字のテストだぜ? めんどくさいよなぁ」
歩きながら両腕を後頭部に組みながら話す前田。
「仕方ないよ。俺らの本分は勉強なんだしやるしかない」
しっかり前を向きながらも前田の話に対応する石神。
「ん~? 何だか真剣だな~?」
前田がニヤニヤしながら石神の前に立ちふさがる。
「適当に行こうぜ! お前も茶髪にしたら絶対モてるぜ? 青春を楽しもう!」
石神の右肩をバシバシ叩きながら前田はニヤニヤから笑いに変わる。
「お前、本当明るいな…」
「人生明るくなきゃ損だぜ!」
朝からとても大きい声で話す前田 近所迷惑だ…
という会話をしながら石神達は電車を使い自分たちの通う高校の教室に到着する。
「さて、漢字の復習だ。少しでも点を稼ごう。」
「お?いつになく真剣だね?」
朝聞いた言葉と似たような言葉が後ろから聞こえる。
少しイラっとしながら
「お前も同じこと言うのかよ。俺はいつだって真剣だ!」
後ろを振り向きながら話す石神の前には声の主である女子のクラスメイトが立っていた。
「アッハッハッ そっか。それは悪かったね。」
笑いながら腕組をして応えるこの女子は【
黒髪でポニーテールの髪型が特徴だ。
身長は160cm程度で性格が前田同様とても明るい。
「まあ水城は別にそういうのやらなくてもいいよな。何しろ水泳の推薦貰って高2の春だってのにもう大学までほぼ決まってる。羨ましい限りだよ」
後ろの机に左肘をつきながら右手を右斜め前に出しながら目を瞑り若干嫌味交じりで言う石神。
「何よその言い方、私だって楽して推薦とったわけじゃないんだよ?それなのになににも分からない人は困るわ~」
涼しい顔をしながらもこちらも若干嫌味が混じったような話し方をする。
「なんだと?」「なによ?」
石神が席を立ち水城は少し睨みをきかせる。
今にも喧嘩が起きそうなところで前田が仲裁に入り2人を和ませる。
「まぁまぁ、お互い忙しい身なんだし。な?仲良くいこうぜ?」
お互いの方向に両腕、両手を広げ焦りながら抑える前田。
すると始まりの鐘がなりホームルームが開始されるいつもの時間の2分前となった。
クラスメイト全員が着席し
「あーあ、お前が話してきたせいで漢字の練習できなかったよ…」
ジト目でまた仕掛ける石神
「ソーデスカ、あんたなら多分大丈夫でしょ。」
そっぽを向き適当に対応する水城
「まぁまぁ」
苦笑いの小声で和ませる前田
ガラララと教室の扉が開くと同時に石神達の女性担任が入ってくる。
30代でスーツ姿の担任だ。
「みんなおはよう。ホームルーム始めるよ。」
一通りホームルームの内容を説明してから担任は最後に今朝起こったニュースの話をしてきた。
「都内の男子高校生の遺体が見つかった件だけど、皆も気を付けてね。麻薬などをして友達、先生、そして何より親御さん達を傷つけないようにね。」
それを最後に担任は1限目から自分が担当する教科の教室へ向かっていく。
それと入れ違いに現代文の担任が入ってくる。
「さーて、初っ端からだけど漢字のテスト始めるぞ!」
歳の割に元気があって朝からうるさい先生だ。
と石神、水城、前田が心の中で同じことを考えた。
テスト中石神は心の中で一息つき肘をついて空を見上げた。
そしてそれなりに自信がある石神はテスト用紙にはもう目をくれなかった。
※読んでくれた皆様にお伝えしたいのですがキャラに関しての表現がうまくできませんでした。申し訳ありませんが文を読んでご自分で想像してください。
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