プロローグ ②
「きっ、君は?」
率直な問いに対して青年は答える。
「あー、自分ですか? 自分は【
と、青年石神竜樹はそっぽを向き左手で頭をかきながらボソッと答える。
どこにでもありそうな白のワイシャツ、紺色のブレザーとズボン、そして紺主体に白の斜め線が入っているネクタイを巻いている。
髪型の長さは普通であるが横に跳ねている。そして赤い目をしている。
「そっそうか、でh」
小隊長が「では」と言おうとした直後石神はいきなり目をギラリと光らせながら小隊長の方向へ炎の剣を投げてきた。
「ひっ!?」
小隊長が頭を抱えて驚きながらも、左側面を通過する炎の剣を目で追うとその先には先に戦ったASRがまだ健在であることが分かる。
その剣がASRの胴体を貫き、バイザーの光が消えた。これでまたASRを倒した事が分かる。
「よしっ。これで周辺の敵は倒したのかな?」
石神が周りをキョロキョロと見渡しながら言う。
「あっ、そっそうだな。現状味方に被害は出ているが周辺にASRは確認できない。」
小隊長はそう言いながらASRの胴体に穴が開いている方向を向き、そこから後ろの真っ二つになっているASRの方向を向いて確認して、左右の通路を見渡した。
「先ほどの後ろからの攻撃もちゃんと俺が確認していれば助けられたものの… 前方のASRで手一杯だったんだ。すまなかった…」
そういいながら小隊長は返事が無い部下へ頭を下げて謝罪をしている。
「そして皆を助けてくれた君には礼を言わなければならない。 ありがとう命を救ってくれて」
「い、いえ。自分も助けられない命があったので…」
石神は悔しさ交じりに答える
「だが、君がいなければ全滅だった。」
そういわれると石神の顔は少し和らいだ。
「っと、こうしてはいられないな。 君は何者だ?何故ここに?」
目的を思い出したように小隊長が問う
「はい。自分は特務隊所属の超能力者で、あなた方を救援しに来ました。じきに救援ヘリが到着します。」
「あの噂の超能力者か、本当にいたんだな。 そうでもなければあんな芸当はできやしないか。」
未だに信じられないような驚きながらの顔をしながらも納得する。
「はい。ですので早く脱出をしてください。残りは自分が何とかします。増援のASRも。」
と走り出そうとした矢先、兵の声が十字路に走った。
「待ってください! 基地前方にはASRの他にも怪しい服装をした人間がいるとの報告もあります! 気を付けてください」
焦りながらも必死に報告してくれる兵士に対して石神は
「分かりました。」
と脱力感があるような一言を放ち外へと走っていく。
駐屯基地前方
ASRの後方に一人大人しい感じの女性が地べたに座りながらノートパソコンをカタカタと打っている
「!? 来る?」
気配を察知して女性はノートパソコンを持ちながら立ち上がる。
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