第121話 冒険者ギルド

「ユウマさん、報告はどちらに?」


同行する冒険者に尋ねられて……。


「うーん、アカリフォルニかな?」


「了解です!」

「アカリフォルニだってさ」

「良し、皆アカリフォルニのギルドへ行くぞぉ」

「オー!」


俺達はアカリフォルニの冒険者ギルドに着いた。


俺達の後ろからゾロゾロと冒険者達がついてくる。


冒険者ギルドが朝のピークが過ぎてガラガラの状態だった。


受付嬢達は、俺達とその後に続く冒険者達を見て驚き、何事があったのかと心配する。


「どうしたの? 何があったの?」


俺達はダンジョン『海の洞窟』に行く前に受付をした、受付嬢のナマドンさんのところに行ったが、俺がナマドンさんに報告する前に、隣の受付で冒険者が受付嬢に冒険者達がギルドに戻って来た理由を話していた。


「隣のユウマさんが『海の洞窟』を攻略したんだ! 攻略者帰還の魔方陣を見たから間違いねえ」


「え! 本当?」


「本当さ、攻略者が出たらお祝いの宴会をするだろう。それで皆戻って来たのさ」


俺とナマドンさんは隣の会話を聞いた後。


「と言うわけでダンジョン攻略の報告と、この子の冒険者登録に来た。」


と俺が言うと、ナマドンさんは一瞬ビックリしたが、直ぐに営業スマイルを浮かべ。


「ダンジョンで入手した素材の買い取りは如何致しますか?」


「あ、お願いします」


「分かりました。後程裏の解体所で買い取りの受付をさせて下さいます。それからダンジョン攻略の報告はギルド長が受けますので、少々お待ちください」


俺とクロドとルアは、その後ギルド長の執務室に通された。


ギルド長はリーゼントで揉み上げがふさふさした、体格の良いイケメンのちょいワルオヤジ風の男だ。


「おう、俺がギルド長のリーエル・ビスプレスだ! 宜しくな」


気さくに右手を出して握手を求めるギルド長のリーエル。


「は、はぁ……、ユウマです。宜しくお願いします」


握手を受けるユウマ。


「それと、相棒のクロドとパーティーメンバーのルアリエです」


クロドが無言で頭を下げ、ルアは挨拶し頭を下げる。


「ルアリエです。宜しくお願い致します」


「おう、宜しく。先ずは座ってくれ」


俺とルアはリーエルと向かい合ってソファーに腰をおろした。


「アカリフォルニの冒険者ギルドに攻略の報告をしてくれて有り難う。ユウマはBランクらしいなぁ。こんなに実力があるのに、前に所属してたギルド何を見ていたんだろう。今回の活躍で手始めにAランク昇格だ。」


「有り難うございます」


「先ず報告を聞こう」


ユウマは『海の洞窟』の攻略について説明した。勿論、モンスターを倒したスキルやラスボスであるリヴァイアサン、セルキーのリオ、人魚達の事は伏せている。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る