第107話 器材購入
アカリフォルニの都市に入った、俺とブラックドッグのクロド。
アカリフォルニは、カアメリ帝国の西海岸のにあるリゾート都市だ。
綺麗な白い砂浜が広がる海水浴場で数々のマリンスポーツが行われている。
そんな景色を横目に、俺はトンワシンの冒険者ギルドの受付嬢、セビヨンに貰ったチラシを見て、目的の魔道具屋を探す。
目的の魔道具屋『ロスキュー・バプ』の看板が見えた。割りと大手の店っぽい。
「こんにちは!」
挨拶して店に入ると、ダイビング器材を魔改造した様な魔道具がところ狭しと並んでいる。
魚人の男が奥から現れた。
「いらっしゃい」
その胸にネームプレートがあり、『店長 ムエミネ』と書いてあった。
店長なんだねー。
「『海の洞窟』に入りたいので、魔道具を一式下さい」
「一式! それは豪勢だねぇ。お客さんは海の中に潜るのは、初めてかい?」
「はい。初めてです」
「そうかい、じゃあ基本セットからだね」
ムエミネはウェットスーツ、マスク、グローブ、ブーツ、フィンを持ってきた。
「最低限このスーツとマスク、グローブ、ブーツ、フィンは必要だよ。まあ、種類や素材別に色々あるから、後で選ぶといい」
ほうほう、俺はムエミネさんが持ってきたスーツをサワサワしながら、聞いていたが、これって鮫皮? ざらざらした手触りだった。
「それから、これ、水中呼吸器の魔道具です」
ムエミネが、トンワシンのギルドでセビヨンに見せて貰った、ガスマスクの様な魔道具を出した。
ダイビングだったらレギュレーターって言うんだけど、レギュレーターって減圧器だからね。タンク内の圧縮した空気を、人が吸える圧力まで減圧するんだけど、タンク自体が無いから減圧してる訳じゃないんだ。
それで、呼吸器か。
「そして、一番高価なのがこれだね。水中スクーターさ」
ムエミネはちょっと歩いて、水中スクーターを陳列しているコーナーを紹介した。
スクーターと言っても、人が乗るモノではない。両手でハンドルを掴むタイプだ。強力な推進力を得る為、泳ぐより速く、体力を使わない利点もある。
それどころか、武器が内臓してあったり、ライトがついたり、身体に装着するタイプ等もあった。
その他、銛の様な武器等もあったが、俺には空間魔法があるので、武器は必要ない。
一通り説明を聞いて、色や素材を吟味して、俺は購入する一式を決めた。
一式でかなり高額の買い物になったが、今まで貯めたお金があるので問題ない。
後はクロド用のマスクと呼吸器と水中スクーターも購入して、『海の洞窟』に潜る準備は万端だ。
海中に潜るなんて初めてだから、ワクワクしている。クロドも初だと言ってた。
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