第105話 受付嬢セビヨン

俺とブラックドッグのクロドは冒険者ギルドの受付に並んでいたが、列が進み受付の順番となった。


俺は冒険者証を受付に提示して、受付嬢に話し掛けた。


「こんにちは、初めて帝国に来ました。Bランク冒険者のユウマです。暫くこの都市に滞在する予定ですが、お勧めの適正な依頼があったら紹介して欲しいので、お願いします」


受付嬢は魚人の女性だった。

人魚ではない。人の顔で美しい顔立ちだが、水色の肌で首に魚のヒレがあった。


「こんにちはぁ、カアメリ帝国のトンワシンにようこそぉ! 受付嬢のセビヨンでーす。Bランクですねー。掲示板に貼ってあるBランクの依頼を見ていただきたいのですがぁ、この都市には海底ダンジョン『海の洞窟』がありますよー。Bランクだとダンジョンに入れるので、ダンジョン探索がお勧めですねー」


「そうですか、有り難う御座います。ダンジョンの注意点があったら教えてください」


「そうですねー。階層によっては海中の場合もあるので、水中で呼吸が出来る魔道具が必須ですよー。これでーす」


セビヨンは鼻の下を覆うガスマスクの様な物をカウンターの上に置いた。


おお! かっこいー。これは買いだな。


排気口が口の近くの中央に一つ、そして排気口の左右に吸気口があるタイプだ。


「これは、最低限の魔道具ですよー。水中で速く動く魚や魔物を倒す武器や、水中を動くのに普通の服では動き難いので、水中用の服、他にも水中を速く動く魔道具などがありまーす」


おお! ダイビングの器材っぽいのがあるのかなぁ?


「それらも買いたいのですが?」


「ここでは売ってないのですよー。隣の都市アカリフォルニにある魔道具屋で、水中装備が充実してますのでー、そこで購入した後、こちらの都市で活動していただくと助かりまーす。アカリフォルニの魔道具屋では、この店がお勧めですよー」


セビヨンは、アカリフォルニの魔道具屋のチラシを、こっそり俺に渡した。


「成る程、分かりました。有り難う」

隣の都市の紹介をして大丈夫なの? って思ったけど、まあ、俺には関係無いので、隣の都市に行ってみようと思う。


俺はガスマスク風の水中呼吸の魔道具の購入は止めて、受付を離れると……。


「おい、ちょっと待て」

背後から呼び止める声がする。


俺が振り向くと4人の男が立っていた。

そのうちの1人、中央の男が口を開く。


体格が良い角刈りの男は、見たことのないモンスターの皮の鎧を身に纏い、威圧的に腰に下げた剣の柄を握っていた。


何だこの人? いきなり喧嘩腰だね。


「俺はCランク冒険者『水竜の牙』のリーダー、ルアップだ。てめえ、うちのメンバーのタクヤに何をした?」


ーーーーーーーーーーーーーーーーー

【補足】

遅くなりましたが、トテイとリーマラのプロフィールを紹介します。因みに2人ともAランク冒険者です。


■トテイ

フルネーム:トテイ・ラースウィフ

ジョブ:剣士

身長:178cm

スリーサイズは上から86-61-84cm、高身長ですらっとした手足の長いモデル体系。


■リーマラ

フルネーム:リーマラ・イアキャ

ジョブ:魔法使い

身長:173cm

スリーサイズはヒミツ。体重の増減が激しく現在はちょいぽっちゃり。


*そうです、あの方達をパクりました。

ファンの方がいたらすいません。


因みにセビヨンのプロフィールは……。


◼️セビヨン

フルネーム:セビヨン

ジョブ:ダイバー

 *仕事はトンワシン冒険者ギルドの受付

身長:169cm

スリーサイズは89-66-99cmとグラマラスな姿態の魚人。休日には近くの海でダイビングを満喫している。実は実家がアカリフォルニの魔道具屋さんで、実家の魔道具屋に冒険者達を誘導している。

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