第99話 サキヨマとミナト

俺は砦の外に空間把握を展開しながら、ブラックドッグのクロドに乗って砦の奥に進んでいった。


あ、忘れてた。取り敢えず黒の群盗の人達も封印した。


なんか奥に進むのを邪魔しようとした冒険者パーティーも、封印したけど、気にしないでおこう。


その様子を見て顔を顰めている、ベーマタ騎士団長の顔も一瞬見えたが、今はミナト達を探すのが優先だ。


逃げられたら目も当てられない。


いた!


『風月の戦乙女』の人達と戦っている様だ。ん? メイもいるぞ。何でだ?


俺はミナト、アオイ、ヒマリを封印して、現場に向かった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


ミウの片足が崖からはみ出し、足下の小石が崖下に落ちていく。


ミウは足元を見て、冷や汗を流す。

それを見たミナトが笑みを浮かべた。


「取り敢えず一人目だぁ!」


足下に注意がいっていたミウは、ミナトの攻撃に対応が遅れる。


「きゃあああああ!」


悲鳴をあげる『風月の戦乙女』のミウ。


「ミウ! 避けてぇ!」

『風月の戦乙女』のリーダーであるカノンがミウを見て叫ぶ。


素速く踏み込みミウのお腹を殴ろうとしたミナトは、急に固まりバランスを崩した。


崖から転げ落ちるミナト。


ゴロゴロゴロ……。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


サキヨマとリマサノは必死に山を降りていた。


「リマサノ、もっと急げ」

「くっ、こんな事になるなんて、全くついて無いぜ」


ゴロゴロゴロ……。


上の方から音がする。


サキヨマ上を見ると、崖上からミナトが落ちて来る。


「ちっ、リマサノ、手伝え」

「けっ、仕方ねぇな」


サキヨマとリマサノは落ちて来るミナトを受け止め様とした。


サキヨマがミナトを受け止める寸前、ミナトの身体は岩に引っ掛かり、跳ね上がりながら、若干方向を変えた。


その為、ミナトの額とサキヨマの額がまともにぶつかった。


ゴツン!


ミナトが落ちて来る衝撃でサキヨマが倒れて、その上にミナトの身体乗った。


ミナトの固まった拳が、サキヨマの鳩尾に入った。


「ぐへっ」


その様子を崖上から目撃したメイ。


(きゃあ! 抱き合ってキスして、倒れたわ……)


ーーーーーーーーーーーーーーーー


俺はミナト達と『風月の戦乙女』が倒れた現場に到着した。


「あれ? カノンさん」


「あら、ユウマくん! ユウマくんが助けてくれたのねぇ。ありがとう」


「いえいえ、どういたしまして……。ん? メイ! 何で君がこんなところにぃ!」


「取材よ。何だか創作意欲が湧いたわ!」


「ふむぅ、そうかぁ……。ところで、ミナトがいなくなったんだが、見掛けなかった?」


「あそこよ」


メイが崖の下にいるサキヨマとリマサノと、ミナトを指差した。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


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新作投稿しました。


7/28 23:00に第1話をスタートしました。こちらもご愛読いただけたら嬉しいです。


タイトルは、

『モブキャラ異世界転生記~モブキャラに転生しちゃったけど従魔の力で何とかなりそうです~』


URLは

https://kakuyomu.jp/works/1177354054917461172

です。


宜しくお願い致します。

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