第81話 黒の群盗
冒険者ギルドの会議室ではギルド長のソウマとベーマタ騎士団長、二組の冒険者パーティーが会議を始めるところであった。
冒険者パーティーの一つは、Aランク冒険者パーティー『黒紅の無頼』だ。リーダーのショウゴと、探索者のリュウセイの他に3人のメンバーが椅子に座っている。
「ユウマが出て行った後にこんな事件が発覚して、どうしようかと思っていたが、黒紅の無頼が復活して良かったよ」
ギルド長がショウゴに話し掛ける。
「ははは、うちのココナの復帰第一戦が合同の盗賊退治とはなぁ」
ショウゴはメンバーのココナを見詰める。
「大丈夫よ。怪我は完治したわ。バリバリ魔法も使えるわよ」
ココナは魔法使いだ。黒い三角帽子に黒いローブを羽織っている。
「俺達も長期休暇開けの第一線だ。手堅くやるさ」
同じく『黒紅の無頼』のメンバーである剣士のシュンスケと回復士のホノカも頷く。
「儂らが来たからには、大船に乗ったつもりで居ると良い」
もう一つのAランク冒険者パーティー『豪勇の斧』リーダーのフドウが口を開く。
豪勇の斧は他の都市から応援に来て貰った、4人のドワーフと1人のウェアウルフからなる5人のパーティーだ。
身長は低いが皆ガッシリとした体格で、勇猛果敢な戦闘が信条である。
近接戦闘を得意としているが、流石Aランクパーティーだけあって、遠距離からの弓や魔道具の魔法も使い、回復薬を使って、バランスの良い戦闘も可能だ。
「この度は依頼を受けてくれてありがとう。頼りにしてるよ」
ギルド長はフドウに頭を下げる。
「で? 黒の群盗とはどんな賊だ」
フドウの問いにギルド長が答える。
「総勢100人を越える、最近急激に勢力を拡大している盗賊達だ」
ベーマタ騎士団長も口を開く。
「村や馬車が襲われており、騎士団が現場に駆け付けた時は、撤退しており、機動力もあって組織だった行動をするので、手を焼いている」
「ふむ、拠点の見つかったのか?」
「現在犯行のあった周辺を探索しているが、まだ拠点の発見出来ていない」
「そこからかぁ」
「犯行も広範囲に渡るので、人員を出しているが、思うように見つけられないのだ」
「良し、先ずは街道を巡回して、足取りを探すか」
「そして、遭遇したら捕らえて拠点の場所を白状させた後、一網打尽にしよう」
「いや、最近加わった剣士と魔法使い、弓使いと槍使いがかなり手強いらしい、無理をせず後を付けて拠点の場所を特定した方が良いかも知れん」
「ふむ、そうか。まあ、やれるだけやってみよう」
「がっはっは、倒せるなら倒しても良かろう」
「先ずはアジトを見つけて、その後にアジトに総攻撃だ」
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