第78話 蜘蛛の牙討伐の報告

シミツコ商会で捕らえた者達は、騎士団の詰め所に連行された。


俺とブラックドッグのクロドも同行して、亜空間に収納していた賊達も全て騎士団に引き渡した。


そして、ベーマタ騎士団長に依頼書の完了のサインも貰ったので、冒険者ギルドに報告だ。


疲れているがしょうが無い。


ベーマタ騎士団長は、俺とクロドの依頼について『蜘蛛の牙』のアジトの活躍と、シミツコの捕縛及び、シミツコ商会にいた土蜘蛛討伐と賊の捕縛において、最上級の評価を依頼書に記載してくれた。


冒険者ギルドに着いて、受付でヤヨイさんにギルド長に報告したい事を告げると、会議室に案内された。


アスカに壊されたギルドは、現在修理中で、執務室はまだ直ってないらしい。


会議室に入るとギルド長が待っていた。


「ユウマ、『蜘蛛の牙』討伐ご苦労様。アスカの件も報告を受けておる。何と言って良いのか、上手く言えんが、気を落とすなよ」


「は、はぁ……。取り敢えずこれが、ベーマタ騎士団長にサインを貰った依頼票です」


俺は依頼票と冒険者証をギルド長に渡し、今回の依頼について内容を報告した。


ギルド長は冒険者証をヤヨイさんに渡して、俺の報告を聞く。


「成る程、すると背後関係については、今後騎士団で自供を元に調査する事になるのか、シミツコ商会の悪事についても、これから明るみに出そうだの」


「そうですね、ところでアスカは第3王子殺害の疑いがあった様でしたが、その件は今後どうなりますか?」


「王都の話だからな。詳しくは分からんが、冒険者が殺害したとなると問題が大きいので、ギルドとしても調査を行うと思うが、王都のギルドの管轄となるだろう、王都のギルドからユウマに事情聴取の依頼があるかもな」


「そうですかぁ。協力する事は吝かではありませんが……。『蜘蛛の牙』の背後関係についても、第3王子の事件についても、一介の冒険者である俺が関わる事では無いですね」


「そうだな。進展してこちらに情報が流れて来たら、ユウマにも知らせるよ。ところで、アスカを倒した事が王都にも報告がいくと、王都のギルドや王家から呼び出しがあると思うぞ」


「ええ! なんだか、面倒な事になりそうですねぇ。俺は明日にでも。この都市を……、この国を出ますよ。」


「ちょっと待ってくれ、この都市でもっと活躍してくれても良いじゃないか! この都市はダンジョンがあるから、ランクが昇格すればもっと稼げる様になるのだぞ」


嫌な事もいっぱいあったし、面倒な事も避けたいんだよなぁ。


お金は沢山あるから、贅沢しなければ、困る事も無いしね。やっぱり武器や防具を買わなくて良いのは、お金が貯まるね。


「冒険者は、自由に国や都市を移動しても良いはずですが?」


「むむ、それはそうなんだが……」


俺はギルド長からBランクの冒険者証と報酬を受け取り、会議室を後にした。


ベーマタ騎士団長の評価が高かったので、報酬は多く貰ったので良かったよ。

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