第54話 騎士団情報部
騎士団長サキヨマは、軍の更衣室に全裸で逃げ込んだ。
「きゃあ!団長ってそう言う趣味なのぉ」
オネェの騎士が上半身裸の胸を押さえて、非難の声をあげる。
「いやいや、そんな趣味はない」
あせあせと替えの下着を着ながら、吐き捨てるサキヨマ。
「ワタシは団長って好みよぉ」
別のオネェである小太りの騎士が団長の肩を触る。
「あ゛っ、そんな気はないぞ」
「またまたぁ」
「つねるなぁ!」
何とか替えの服を着終えたサキヨマは、憤慨していた。
「くそっ、あのCランク冒険者めぇ!誰かダンジョン攻略者のユウマの、今後の動きに関する情報を知ってるか?」
更衣室にいた騎士達に聞くと。
「ワタシは知ってるわよぉ」
先ほどサキヨマをつねったオネェの騎士だ。
「ん? お前は騎士団情報部のトヨシモだな」
「そうよぉ。可愛い子の情報は直ぐ回ってくるわ」
「お、おう。教えてくれ」
「後でデートしてくれる?」
「ふ、ふざけるなぁ!」
「じゃあ、教えない。騎士団の仕事に関わりがある情報とは思えないし。ねぇ、どうするのぉ」
「くっ、しょうがない。承知した」
「アノねぇ。『蜘蛛の牙』を討伐するらしいわ」
「なにぃ! 良し、情報部を総動員して、ユウマの動向を見張ってくれ」
「一つ貸しよぉ」
「ううっ、あぁ、分かった。後は、騎士団の出撃準備をしよう」
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ブラックドッグのクロドと共に、領主の館を出た俺は、クロドに話し掛ける。
「『蜘蛛の牙』を壊滅させたいんだけど、拠点とか分かんないんだよねぇ」
「拠点は知らんワン。だけどここに来る前に 、絡んできた奴らの臭いは覚えてるワン」
「おお!流石クロドだ。奴らを封印したところに戻って、後を追おう」
「そんな事しなくても、この都市ぐらいの範囲なら、何処にいるか分かるワン」
「ええええええ!どんだけぇ」
「はははワン」
「もしかしたら、あいつらがよく立ち寄った場所も分かるの?」
「分かるワン。ユウマも空間把握でこの都市内は分かるんだろワン」
「あ!そうか! よく立ち寄る場所を教えて、そこにいる奴らを確認するよ」
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この都市に『蜘蛛の牙』の拠点は3つあった。
現在位置から近い順に襲撃だな。
俺が『蜘蛛の牙』の拠点の1つに向かって歩いていると、クロドが話し掛けてきた。
「儂らをつけて来る奴がいるワン」
「何処にいる?」
俺は気付かれない様に、前を見て歩きながらクロドと会話している。
クロドが教えてくれた場所にいる者を、空間把握で確認すると。
「騎士団情報部? 『蜘蛛の牙』じゃないのか。騎士団ならついて来ても、まあいいか」
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宣伝です。すいません。
新作投稿します。
6/11 0:00に
第1話をスタートします。
気が向いたら読んでみて下さい。
タイトルは、
『邪悪な勇者と神槍の英雄~虐げられた普通の槍兵が成り上がり「ざまぁ」する~』
URLは
https://kakuyomu.jp/works/1177354054898248060
です。
宜しくお願い致します。
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