第48話 指名手配
俺とブラックドッグのクロドは、宴を抜け出して宿に戻っていた。
「今日はもう疲れたよ」
「ゆっくりやすめば良いワン」
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その頃、「祝『魔獣の窟』攻略の宴」は、主役不在のまま盛り上がっていた。
「あれ?クロちゃんがいなくなったよ」
「まあ、良いじゃん。飲め飲め」
「アハハ」
「しかしこの肉旨いねー」
そんな中で、ギルド長ソウマの元に二組の冒険者パーティーが、お酌しにやって来た。
「ギルド長!どうぞ」
「お!気が利くなぁ」
「実は相談と言うか、報告と言うか、聞いて欲しいお話がありまして・・・」
「ん? なんだ?」
「『焔の剣』の事なんですが・・・」
冒険者達はダンジョンから戻って来ない、『水竜の爪』と『太陽の獅子』の事と、『焔の剣』が彼らの武器と荷物と似た物を持っていた事を、ギルド長に話した。
「むむ、そうすると、『焔の剣』はユウマとリュウセイを囮にしただけではなく、強盗して冒険者を殺した可能性もあると言う事か、どう思う、リュウセイ、ショウゴ」
ギルド長は隣に座っていた、『黒紅の無頼』のショウゴとリュウセイに尋ねる。
「その可能性はありますね。あいつらはデュラハーンから逃げた時は、武器や荷物は持っていなかった。あのまま無傷で戻れるのは、確かにおかしいです」
とリュウセイが言うと。
「しかし、遺体はダンジョンに吸収されているから、証拠は乏しいですね」
とショウゴが言った。
「ふむ、『水竜の爪』と『太陽の獅子』の武器か荷物に特徴があれば良いのだがなぁ」
ギルド長は報告に来た冒険者達を向いた。
「武器屋のオヤジに聞けば、何か分かると思います」
「何れにしても、早めに捕まえないとダメですね。あいつらは馬鹿だから、武器に愛着が無い。刃がボロボロになったら、捨てて別の武器を持ちます。捨てない可能性はヒマリの弓ぐらいですかね」
「うむ。成る程、まだ遠くには行ってまい。まだ、街中にいるかも知れん。探すぞ」
複数の冒険者パーティーが街中を探し回ったが、『焔の剣』は見つからず、次の日、『焔の剣』は容疑者として、冒険者ギルドで指名手配されるのであった。
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その頃の『焔の剣』。
「はぁ、はぁ、あんた、馬鹿? 歩いて村に帰れる訳無いじゃん」
と魔法使いのアオイ。
「煩い、馬を盗むんだよ。次の村までもう少しだ」
ミナトは行き当たりばったりなのだが、それがギルドの手を躱す事となった。
ミナト達は夜に紛れて近隣の村に忍び込む。
「前に依頼で来た事がある」
ミナト達は馬小屋に着くと、馬を2頭盗んで、馬小屋を出ると。
「誰だぁ、儂の馬をどこに連れていく!」
馬小屋の主人に見つかった。
「煩い!」
ミナトは剣で主人を斬り払う。
ブシャッ!
「行くぞ!」
ミナト達は馬に乗って、故郷の村に向かうのであった。
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