第40話 肉パーティー
結局俺は4人を殺せず、冒険者パーティー『風月の戦乙女』の人達と休憩場所に来ていた。
『風月の戦乙女』を襲った冒険者達は縄で縛っている。
面倒だけどダンジョンから連れ出し、冒険者ギルドに突き出すつもりだ。
「ユウマくん、こんな状況でこんなお願いするのは気が引けるんだけど」
カノンさんが俺に話し掛けてきた。
「大丈夫ですよ。何でしょう」
「ミノ牛を食べさせてくれるって言う約束をしたでしょう・・・・」
「ああ、そうですね。実はもっと美味しい肉もあるんですよ」
「えええ!本当!是非食べさせて!」
カノンさんは嬉しそうに抱き着き、俺にお願いする。
食欲で興奮してるのは分かってるけど、ちょっとドキドキしてしまう。
「勿論です。無事だった事を祝って豪勢にやりましょう」
「え!なになに?」
「何食べるの?」
「肉、肉よね?」
「ミノ牛じゃないの?」
『風月の戦乙女』のカエデさん、ワカナさん、マナミさん、ミウさんの4人も集まって来た。
「ミノ牛以上の肉ってどんなの?」
カノンさんも興味津々だ。
「
「うっそー!」
「それって幻の肉じゃない!」
「ユウマくん、もしかしたら」
「魔獣の窟を攻略したの?」
「え、ええ。まあ・・・」
「うっそぉ!マジでぇ!」
「すっごーい」
「英雄じゃない!」
「オルトロスも倒したのね!」
「はい。倒しました」
「オルトロスの毛皮見せてぇ!」
「見たい見たい!」
「食事の後にしましょうよ」
「そうよ、お腹空いたわ」
俺は亜空間から各種肉を取り出して、みんなで調理し、車座で肉パーティーとなった。
「この肉おいしー」
「なにこの柔らかさぁ!」
「うまうまだよー」
「牛も豚も鳥も山羊もサイコー!」
凄く盛り上がった。
「良いお酒が有るのよ」
マナミさんが何やらアルコールをバッグから取り出した。
「何でマナミはダンジョンに、お酒なんて持って来てんのよ」
ミウさんがツッコむ。
「良いでしょ。死にそうになったら、最後に飲むのよ」
「ははは、こいつはこう言う女なんだよねぇ」
カノンさん達はマナミさんが酒を持ってきてる事を知っていたみたいだ。
「かんぱーい」
みんなで飲もうとしたら。
「儂の分はないのかワン」
みんなにモフられてた、ブラックドッグのクロドが妙な事を言い出した。
「クロドって、お酒を飲めるの?」
俺がクロドを撫でながら聞くと。
「飲むワン。酒は大好きだワン」
「大好きなのかい!」
「あはは、クロちゃんおもしろーい、飲め飲め」
マナミさんがクロド用にと、どんぶり状の器に酒をドバドバ注いだ。
その夜は酔っ払って寝た。
クロド曰く。
「儂がマーキングすれば、モンスターは寄って来ないワン!」
と言って、休憩場所の入口にマーキングしていたらしい。
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『焔の剣』は『亡霊洞窟』の休憩場所に来ていた。
「おい、お前等夕飯作れよ!」
ミナトが冒険者達に命令するが。
「勘弁してください。ダンジョンで料理なんて、普通しないっすよ。アイテムバッグを持ってたら別ですが、料理道具なんて持ってくる余裕はないっす」
「むむ、そうかぁ」
回復士ユイナはガッカリ。
「じゃあ、いつも何食べてんのよ」
魔法使いアオイが聞くと。
「これっす」
干し肉と固いパンを出す冒険者。
「また、それぇえええええ!」
ガッカリの弓使いヒマリ。
固い干し肉とそれ以上に固いパンを、無理矢理水で流し込む『焔の剣』。
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