第34話 ゲリュオンを倒した

ダンジョン『魔獣の窟』の最下層である地下30階で、ゲリュオン、オルトロスと戦っている、俺とブラックドッグのクロド。


オルトロスとクロドは、相変わらず目にも止まらぬ速さの超高速戦闘中。


ゲリュオンはその姿を魔獣に変えて、上下左右に跳び上がりながら、俺の隙を窺っている。


亜空間のバリアを全方位に展開しているので、全く怖く無いのだが、良く動くので、魔石の収納がし難い。


ん~、どうしよう?


あ!そうだ、封印だな。


俺はゲリュオンの空間を固定し封印した。


ゲリュオンは封印されて、空中で阿呆みたいに口を開け、二股に分かれた舌を出している。


ゲリュオンの魔石を収納して、ついでに収納しながら解体した。


急にオルトロスが動きを止めてこちらを凝視した。


ゲリュオンが負けた事が分かったのか、ついでにオルトロスの魔石も収納した。


ドサッ!


崩れる様に倒れるオルトロス。


そのまま、オルトロスも解体しながら収納した。


「お疲れ様だワン」


クロドが俺のそばに駆けてきた。


「お、おう」


「さあ、お宝をゲットだワン!」


クロドは、オルトロスが始めにいた場所に向かって歩き始めたので、俺はついていった。


「お宝?」


「まあ、行けば分かるさワン」


オルトロスがいた奥の一段高い場所に着くと、そのまま奥に進む。


すると奥に扉があった。


扉を触ると扉が開く。


その中には、黒毛の巨牛が寝そべっていた。


「この牛が、お宝?」


黒毛の牛は魔獣だったので、魔石を亜空間に収納後、解体しながら収納しておく。


「そうだワン!信じられないくらい美味しいんだワン!」


「食べた事あるの?」


「食べた事があるワン。昔、主と一緒に食べたワン」


「あれ?このダンジョンって、何百年か前に攻略された事があるって聞いたよ」


「主も攻略したワン。だけど誰にも言わなかったワン」


「そっかぁ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


その頃の『焔の剣』の4人は・・・。


ダンジョン『亡霊洞窟』で出口を目指していたが、空腹と疲れからヨロヨロしていた。


「はぁ、はぁ、はぁ、お、お腹すいたぁ」と回復士ユイナ。


「つ、疲れたぁ。ひぃ、ひぃ」

と魔法使いアオイ。


「や、矢も武器も食料も無いし、野営用品もアイテムバッグに入れてたから、何にも無いんだよねぇ。・・・皆ごめんね」

と弓使いヒマリ。


「ふぅ、ふぅ。ちっ、やっちまった事はしょうがねぇ。お!それより前方に冒険者達が見えるだろう」

と剣士ミナト。


「いるねぇ」とアオイ。


「若い冒険者達かねぇ」とヒマリ。


「くくく、中堅どころだろう。食料も武器も魔道具も、それなりに持ってるだろうよ」

ミナトは歪んだ笑いを浮かべる。


「お腹すいたなぁ。食料を分けて貰おうか?」

とユイナ。


「ふっ、何言ってんだ。俺達が頭下げてお願いなんて出来るかぁ!・・・奪うんだよぉ!」

ミナトは手を振り力説する。


「良いかもね。イヒヒ」

ユイナは腹が減って、おかしくなってるかも・・・。

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