第31話 キラーデュラハーンが出たみたいですよ

俺はクロドに乗って、ダンジョン『魔獣の窟』の地下21階に降りた。


ブランド牛の魔獣ブラックオーロックスを狩るのだ。


黒毛の巨牛ブラックオーロックスは、とっても美味しいらしいですよ。


階段を降りると草原?

窟なのに・・・。

まあ、深くは追求しないでおこう。


そして黒い姿が見える。

「デカっ!」


体高は2m超かな。2本の角が滑らかで長く大きい。

突進して来て角を喰らったら死ぬね。


クロドは特に気負いも無く、トントントンと近付く。


そして、俺の空間収納で魔石を収納し、皮、肉、骨、角等を瞬時に分ける。


こんな調子で狩りまくりながら、進んで行った。


地下21から地下29階まであっと言う間だ。


と言うか、美味と噂の巨大魔獣が多くいたので、早く食べてみたかったので、頑張ったんだけどね。


ブラックオーロックス以外の魔獣は、体高2mの黒毛大猪エリュマントス、体高4mの飛べない巨大黒鳥ブラックジャイアントモア、体高2mの巨大黒山羊エアレーで、何れも闇魔法を使う巨大で強力な魔獣で、上級冒険者でも倒すのは難しいらしい。


もっともミノタウロスのエリアも、突破出来る冒険者が少ないので、市場には殆ど出回らないと聞いている。


幻の肉だ。


さて、早く食べたいところではあるんだけど、折角ここまで来たら、ボスも倒したいよね。


『魔獣の窟』のボスである伝説の魔獣オルトロスがいる、最下層の地下30階に降りていくのだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


一方、ダンジョン『亡霊洞窟』でグールの群れと戦う、Aランク冒険者パーティー『焔の剣』と、『闇の探索者』リュウセイ。


戦闘は過酷になっていくが、何とか撃退し、一段落していた。


辺りに転がるグールの死骸は異臭を放つ。


※アンデッドの死骸って何だかおかしい気もするけど、気にしない事にしましょう。


「う″~、臭いんだけどぉ!」

と回復士ユイナは鼻をつまむ。


「本当ね。これの魔石を取ると思うとうんざりだわ」

と弓使いのヒマリ。


「はぁ、はぁ、ユウマがいたら解体させてたんだけどな、しょうが無いから解体しちゃおうぜ」

と剣士ミナト。


「待て!奥から何か来るぞ!」

リュウセイが叫ぶ。


洞窟の奥の闇から濃厚な魔力が近付き、金属製の足鎧サバトンの音が聞こえて来る。


「出たかっ!」

ミナトはボロボロになった剣を構える。


「キラーデュラハーンから逃げて、グール達が群れになってたのかも知れないな」


リュウセイは黒い刃のナイフを持ち身構えた。


「ええ!もう魔力無いんだけどぉ!」

魔法使いのアオイは杖を構えるが逃げ腰だ。


「私も矢が無くなっちゃったわ。どうしよう!」

とヒマリも弓を持つが、構える事も出来ない。


「う″ぅ、吐きそう。うぇっ・・・」


ユイナはグールの悪臭に気持ち悪くなり、・・・吐いた。


「はぁ?あんたら特殊個体のキラーデュラハーンを討伐しに来たんだろう?目的の敵と会う前に使い切ってどうするんだ?」


呆れるリュウセイ。

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