第28話 ミナトVSリュウセイ

ダンジョン『亡霊洞窟』の中にいる、

Aランク冒険者パーティーである『焔の剣』のメンバー4人と『闇の探索者』リュウセイ。


『焔の剣』リーダーの剣士ミナトは、怒りを堪えきれない。


「刃が欠けたって良いんだよ!斬るときは反対側の刃で斬るさ!」


「いやいや、それ程の腕前なら、斧やハンマーで攻撃した方が良く無いですか?スケルトン1体で剣1本ダメにするのは、勿体ないと思いますが?」


「なにぃ!俺は剣士だから剣しか使わねえんだ。俺の遣る事に文句を付けるなぁ!」


口を尖らせ顎を突き出し、リュウセイを睨みつけるミナト。


「まあまあ落ち着いて、仲間割れしてもしょうが無いよ。先へ進もうよ」


ミナトとリュウセイの間に入る魔法使いアオイ。


「そうよ。リュウセイさんは別におかしい事は言って無いわ」

と弓使いのヒマリ。


「ユウマみたいに、いちいち小言の様に言われると、頭に来るんだよ。口答えもするなよ」


「分かりました。すいませんでした」

リュウセイは素直に謝る。


「リュウセイさんは悪くないよ」

ヒマリが小声でリュウセイに囁くが、ミナトには聞こえていた。


「おい、リュウセイ!スケルトンの魔石をとっておけよ!」


「はぁ?皆で取らないのですか?」


「うちのパーティーでは、新入りが解体するんだよ」


「そんな事は聞いて無いですよ?」


「うるせぃ!サッサと持って来い!」


「約束と違う事はしません。分け前だって、今回はお試しと言われて、少ないですからね」


「なんだとぉ!言う事を聞け!」


いきなり殴り掛かるミナト。


だが余裕で躱し身構えるリュウセイ。


「いきなり暴力ですか?」

冷静にことばを返すリュウセイ。


「うるせいうるせい!」


ミナトのパンチもキックも擦りもしない、終いには剣を構えるミナト。


「はぁ、はぁ、はぁ。てめええええ!ぶっ殺してやるうううううぅ!」

息を切らせて、声を荒げるミナト。


リュウセイは無言で目を細め、ナイフを出して構えた。


「ちょっと、さすがに殺し合いは不味いでしょ。止めてよ!」


ヒマリがミナトとリュウセイの間に入る。


「ちっ。命拾いしたなぁ」


不貞腐れて明後日の方を見るミナト。


ヒマリとアオイが「一緒に魔石を集めましょう」と言って、リュウセイと3人で魔石を採取した。


その後、スケルトン達を何度か倒したミナト達、リュウセイも闇の魔法を使いスケルトンを瞬殺していた。


その姿を見て、「ミナトとリュウセイさんが戦ったらヤバかったよねぇ」と胸を撫で下ろすヒマリとアオイだった。


回復士ユイナは、その間ぼーっとしていた。


ミナト達は食事休憩の為に、洞窟内の休憩場所についた。


その頃には、ミナトの剣の片方の刃はボロボロになっていた。






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