第27話 焔の剣が再び亡霊洞窟に入った
俺はブラックドッグのクロドに乗って、ダンジョン『魔獣の窟』を進んでいる。
今回の目的は地下21階以降の下層なので、地下1階から地下10階までの上層で素材を集める気は無い事から、下の階に行く階段までまっしぐらだ。
空間把握のスキルを使って道を確認し、最短距離を突っ走る。
途中で行く手を遮るモンスターが、出た時のみ戦うが全て瞬殺。
空間把握のスキルで、モンスターが俺達を視認する前から、存在を把握しているので、モンスターが俺達の存在を認識した時には、空間収納のスキルで魔石を抜き取っている。
その後、モンスターの死骸も亜空間に収納するが、収納自体も一瞬なので、立ち止まらず通り過ぎるだけだ。
上層で危険になる冒険者も少ないので、助けに行く事も無いので、あっと言う間に地下11階に到達した。
「クロド、オーク肉とミノ牛肉も亜空間に沢山あるから、基本最短距離で行くよ」
「分かったワン」
「明らかにモンスターに襲われていて、危なそうな冒険者がいたら、助けに行くけどね」
「冒険者は自己責任で行動してるから、そこまでしなくても良いワン」
「俺がそうしたいんだよ」
「全くしょうが無いワン」
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
その頃『焔の剣』は『闇の探索者』リュウセイとともに、ダンジョン『亡霊洞窟』に入っていた。
先頭を歩くリュウセイと弓使いヒマリが会話しており、その後ろを面白く無さそうに歩く剣士ミナト。
ミナトの後ろからついていく、魔法使いアオイと回復士ユイナ。
「へぇ、リュウセイさんは、Aランク冒険者パーティー『黒紅の無頼』の一員なんですね」
「そうです。今はメンバーが1人里に帰っていて休暇中なんですよ」
「へぇ。それで、今回同行して貰えたのですねぇ」
「おい、リュウセイ!マップも作って無いようだが、道は合ってるのか!」
ミナトはリュウセイにぞんざいな物言いをする。
「この階の道は頭に入ってますので、マッピングは不要です。道の間違いはありません」
「さすが、リュウセイさん」
声をあげるヒマリ。
ミナトは、冷静に返すリュウセイとヒマリの言葉に、眉を顰め苛立ちを隠せない。
「けっ、格好つけやがって」
「前方からスケルトンが来ます!」
リュウセイの警告に、見せ場が来たとばかりに勢い良く前に出るミナト。
「どけぇ!」
リュウセイを突き飛ばし前に走ろうとするミナト。
ミナトの振った腕を、リュウセイは素速く躱し横に退けていた。
「ちっ」
腕が空を切った感触に、思わず舌打ちをしながら前に進むミナト。
「うりゃあああああ!」
手に持った剣を袈裟斬りにして、スケルトンを叩き斬る。
ドガッ!!!
返す刀を草薙に払い、もう1体のスケルトンを斬り飛ばす。
ガコッ!!!
「ふん、どんなもんだ」
「ミナト、弱っちぃモンスターを倒して、悦に入ってんじゃ無いわよ。ファイアボール!!」
アオイが無詠唱でファイアボールを放つと、もう1体奥から剣を振りかぶっているスケルトンを焼き殺した。
「くっ、助かったよ、有難うアオイ」
「強いですね、さすが元Sランクです」とリュウセイ。
「元だとぉ!」
「でもスケルトンを剣で攻撃するのは、如何なものでしょうか?」
「なにぃ!」
「刃が欠けてますよ」
リュウセイはミナトの剣を指差す。
ミナトは持っていた剣を見ると一部欠けていた。
「んぐっ・・・、くそっ!」
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