第18話 焔の剣がダンジョンから戻った
ある日の朝、ダンジョン『亡霊洞窟』から、Sランク冒険者パーティー『焔の剣』が出て来た。
ボロボロの装備で4人痩せ細りヨロヨロ歩く。
炭のオーク肉ばかり食べてお腹を下していたので、下痢気味のリーダー剣士ミナトは尻に力を入れて、若干内股で歩く。
「ひ、日差しが眩しいぜ・・・」
「やっと出られたぁ・・・」
「もう、いやぁ!」
「ね、眠いわ・・・」
『焔の剣』の4人はそのまま冒険者ギルドに向かった。
冒険者ギルドでは、受付嬢メイが『焔の剣』の帰りを、今か今かと待っていた。
ガタッ!
扉を開けて冒険者ギルドに入ってきた『焔の剣』の4人。
「ミナトさん! ど、どうしたんですかぁ!」
驚き駆け寄るメイ。
「メイ、すまん。ポーターのユウマが死んで、依頼を達成出来なかった」
「ユウマ・・・、死んだ?」
「ああ、もう少しで依頼である、特殊個体のキラーデュラハンを倒せるところだったが、ポーターのユウマがやられそうになって、・・・庇いきれず、ユウマが殺されて、・・・俺達も傷付いて引き揚げて来た」
「ユウマは、・・・殺されたの?」
「そう、助けられなかったよ。これから一休みして、仇を討ちに行くさ」
「ユウマは生きてるわよ?」
「え!レベル1のEランク冒険者があそこから帰れる訳無いわ!」
思わず弓使いヒマリが声を出す。
「あそこから?帰れる?」
メイは訝しげにヒマリを見る。
「いえいえ、こっちの話よ」
魔法使いアオイがメイとヒマリの間に入って誤魔化す。
「ユウマが生きてるの?」
回復士ユイナがメイに聞く。
「生きてます。数日前にここに来ました」
「ユウマはレベル1のEランク冒険者だ!そんなに早くダンジョンを出られるはずが無い!・・・そうだ!きっとアンデッドになったんだ!そうに決まってる!ユウマは俺達が責任を取って討伐する!」
早口で叫ぶ剣士ミナト。
「え!ユウマがアンデッド?そう言えばブラックドッグと一緒にいたわ」
驚くメイも大声になる。
「ちょっと待ってよ!」
そこに『風月の戦乙女』のカノンが割り込んできた。
「ユウマくんがアンデッドの訳無いじゃない!ユウマくんに助けて貰った冒険者は多いわよ」
「そうです!ユウマさんには、私も助けて貰いました!アンデッドが冒険者を助けるなんてあり得ません!変な事を言わないで下さい!!」
『風月の戦乙女』に新加入したミウが、叫びながらメイに駆け寄る。
「そうだそうだ!」
「俺も助けて貰ったぞ!」
「あんなに美味しい食事を作る人がアンデッドであるはずが無いわ」
ちょうど依頼書が貼り出されて、依頼を受ける時間帯だった為、その時の冒険者ギルドには数多くの冒険者達がいた。
ユウマが調子に乗って、ダンジョン『魔獣の窟』で助けた冒険者達も多くその場にいたのだ。
周りに冒険者達が集まって来た。
「くっ、何らかの方法で生き残っていたのかも知れん・・・」
剣士ミナトは顰め面で前言撤回した。
「そ、そうね・・・」
なんでユウマがこんなに慕われてんのよぉ!と思ってる魔法使いアオイ。
ギュルギュルルウウウウウ。
急に便意をもよおすミナト、お尻に力が入る。
「ちょ、ちょっとトイレえええ!」
冒険者達を掻き分け、トイレに急ぐ。
「「「私も!」」」
アオイもユイナもヒマリもトイレに駆け込む。
しかし女子トイレは2つだけ。
「は、早く出てよぉ!」
ドンドンドン!!!
一番どんくさいユイナはトイレの扉を叩く。
「ふはぁ、間に合っ・・・、あ!ちょっと漏れた・・・」
間に合ったと思ったら、ちょっと漏れて悲しいミナト。
「漏れるうううううううう。早くうううううう、プリイイイイズううううう」
お尻に力を入れて必死に我慢するユイナ。
そして「どう言う事なんだろう」と不審に思うメイ。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
【作者からの一言】
さて、ミナトはちょっと漏れたのをバレずにいられるのか?ユイナは間に合うのか?緊迫の『焔の剣』。
こんな話だっけ?
次話につづく・・・。
ーーーーーーーーーーーーーーー
「面白い、更新頻度をあげて欲しい」、「面白い、もっとおかわりください」と大変嬉しいレヴューをいただきましたので、頑張って今度の土日(5/9,5/10)だけ0:00と12:00の1日に2回投稿する事にしました。
コロナウィルスで自粛をされている方も多いと思いますが 、Stay home中に少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
「面白い」「続きを見たい」「更新頻度上げて」と思っていただけましたら、ブクマ、★★★、コメント、レビューをいただくとモチベが上がりますので、宜しくお願い致します。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます