第10話 クロドを従魔登録した

俺は冒険者ギルドにブラックドッグのクロドを従魔登録しに来た。


「あら、ユウマ、今日は・・・1人か・・・し・・・ら・・・?」

と受付嬢である猫獣人のメイ。


「ああ、1人と1匹だね。ダンジョンで従魔にする事が出来たので、登録して欲しい」


「うっそー?ブラックドッグって言ったら、50年前に行方不明になったSランク冒険者のヒナタさん以来じゃない!」


「儂がヒナタの従魔だったクロドだワン」


「えっ? えっ! 喋った?!」


「クロドはSランク冒険者の従魔だったのか」


「そうだワン」


「うっそー!ちょっと待ってギルド長に報告してくる」


メイが受付の奥に走ろうとしたので、メイを封印した。


メイは走り出す姿勢で固まる。


本来の使い方じゃないと思うが、こんな時に封印は使えるなぁ。


「落ち着いて!報告は後で良いから、先ず従魔登録してくれ。後は素材の買取もお願いしたい」


メイの封印を解く。


「ぷはぁ!今私に何したのよぉ!」


「まあまあ、クロドの従魔登録と素材買取を先にしてよ」


「それもそうね。従魔登録しないで、置いていく事は出来ないわね」


メイは受付のカウンターの下をゴソゴソ探し、従魔登録の用紙と赤いリボンを出した。


「この用紙に記入して、これが従魔の証よ首にでもまいておいて」


メイから赤いリボンを貰う。


リボンには冒険者ギルドのマークが入っていた。


赤いリボンをクロドの首に着ける。


「懐かしいぞワン」

クロドは満足そうだ。


従魔登録の用紙にモンスターの種類と名前を記入して、メイに渡す。


「素材は沢山あるの?」


「沢山あるよ」


「じゃあ、解体所に行きましょう」


俺はメイとクロドの3人で解体所に来た。


「おう、ユウマ、今日も大量か?」

解体所のおやっさんが巨大な解体ナイフを肩に担いで出て来た。


「今日も大量だよ」


がっしりとした体格だが、片目で右足を引き摺った狼獣人のおやっさんだ。


名前は覚えてない。皆おやっさんと言ってるので、おやっさんで良いだろう。元Aランク冒険者だったらしい。


俺はいつも『焔の剣』の素材を、空間収納で解体所に持ってくるので、おやっさんとは顔馴染みだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


その頃の『焔の剣』。


どうにかようやくゾンビの群れを倒して、ボロボロになった4人。


「はぁ、はぁ、剣がボロボロになった。ユウマ!研いでおけ!・・・。

あっ、いないんだ。・・・ふぅ」


剣を後ろに放り投げようとして、思い直す剣士ミナト。


「ちょっとぉ!矢を戦闘中に貰わないと撃てないんだけどぉ」


弓使いのヒマリがミナトに言う。


「そうだな。アイテムバッグを渡しておくよ」


ミナトはヒマリにアイテムバッグを渡す。


「これ重いじゃん」


「しょうが無いだろう」


「やってらんないわ」


「ここ臭いから早く移動しようよ」

と回復士ユイナ。


「待て、このまま下層に行って、依頼のデュラハーンを倒せると思うか?俺の聖属性の剣がボロボロだ」


「研げば良いじゃん」

とヒマリ。


「うっ、そ、そうか・・・」


「私もMP残り少ないわよ。寝られないと回復しないわ」

と魔法使いのアオイ。


「うん。まだ依頼期間も余裕があるから1度帰ろう。結界の魔道具の使い方を魔道具屋に聞いて使えないと、休めないだろう。ユウマの替わりも探さねえと」


皆を見回すミナト。


「しょうが無いわねぇ」

弓使いのヒマリも渋々承諾した。


「と、言うわけでゾンビの魔石を取り出すぞ!折角来たんだ少しでも収入にしないとな」


「えええええ!嫌だああああ!」

「臭いし触りたくなーい」

「気持ち悪いわー」

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