葉桜の君に

@chauchau

第1話 淡々と済ませる日常。


 長年教師生活を続けていると、こういう場面に出くわすこともある。


「新島」


「はい」


 これを運命だと言う人間もいるだろう。確かに、物語のなかでありそうな設定であることは認めるとしよう。


「沼田」


「はい」


 だが、残念なことにこれは運命でなければ、他人が騒ぎ立てるような楽しい物語でもありはしない。


「猫崎」


「はい」


 そこに存在しているのは面白みもなければ、止めることも敵わず流れ続けていく、


「春川」


 現実だけなのだから。


「……。深川」


「春川居ますぅ!! セーフッ! ギリギリセーフッ!!」

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