発展

次の日。さくらは綾美に相談をした。


さくらから綾美へ相談を持ち掛けることは珍しかった。


「私、彼のこと好きなのかもしれない。面白いし、優しいの。なんか、引き込まれちゃうとゆうか、なんとゆうか。」


「なんか、さくらちゃんには申し訳ないけどあやしくない?」


「うーん。そうかなあ。」


「さくらちゃんが、この人って思うなら良いと思うけどね!」


それから、あっという間に時は過ぎ、彼と会う頻度も高くなっていた。


5回目のデート。彼からの告白がやっと聞けた。


「結婚してほしい。」


「え。」


「お金はある。子供を作って家庭に入ってほしいんだ。」


「それは、ちょっと考えさせて。」


いきなりの出来事にさくらは動揺していた。

結婚。出産。家庭。様々なことが飛んで、頭が真っ白になった。


「もったいないよ。さくらちゃんあんなに頑張って勉強してきたのに!就職しないつもり??」


綾美は珍しく、声を張り上げた。しかし、看護師は資格を持っていれば何年後かに就職することが可能だった。


この時、実習や勉強に追われていたさくらは結婚という道を選択した。


彼を信じ、自分を信じ、綾美を裏切った。


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