出会い

当日、少々高そうなレストランに男3人女3人が集まり、合コンが始まった。


さくらをさそってきた二人は慣れた手つきでサラダを小分けにしたり、飲み物を頼んだり、自己紹介を促したりしていた。


社長、シェフ、医者。それなりのイケメンだった。


あんなに目を輝かして誘ってくるのもわからなくない。


お酒は進み、話は盛り上がった。


少し飲みすぎた。


「お手洗い。」


「また~~?」


皆、さくらを笑った。


どうせ、抱きたいだけだけ、抱かれたいだけ。


酒が入っているせいか、さくらはめずらしくイライラしていた。


なかなかスリッパが履けず、ふらふらしていると


「大丈夫?」


一人の男が手を差し伸べてきた。


社長の人か。


「大丈夫です。ただ、少し飲みすぎたのでトイレに行ったら帰ります。」


「さくらちゃん、先帰るみたいだからおれ送ってくるわ!」


彼は、皆にそう伝え、荷物を持ち、店を出た。


「ひゅーひゅー」「えーもうかえるの~?」


様々な声が飛んできたが、今はなにも頭に入ってこない。


店を出ると、彼はさくらをおぶった。


「大丈夫ですから。おろしてください。」


さくらはもがいたが、彼はくすっと笑った。


「最寄りはどこですか?そこまで行きます。」


なぜか、懐かしい気持ちになりじっとだまりこんだ後、方向を指刺した。


彼は、仕事の話や、趣味の話、過去の思い出話。駅までの時間ずっと話しかけてくれた。


「ここで大丈夫です。ありがと。」


連絡先だけ交換して、彼は笑顔で店のほうへ戻っていった。


家につくと、新しく追加された藤沢和義という名前にすぐにメッセージを送った。


「今日はありがとう、助かりました」


その返事はすぐに帰ってきた。


「全然、へーき!今度はお酒抜きで!ごはんいきましょうね。」


その返事はせず、携帯を握りしめ、眠りについた。


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