夕方5時の大地震
今日大地震が来ます。
夕方5時ぐらいです。備えてください。
そんな風にアナウンスがあったら
いったい何をするんだろう
生きたがりの僕は知らない学校の校庭の中心で
大事であろう物に囲まれながら
大事な人が無事であることをぬけぬけと祈るのだろうか
ああ、お母さん、あなたを救おうとしない
ああ、お父さん、あなたを救おうとしない
生きたがりの僕は知らない学校の校庭の中心で
虚しいほど自身を救おうとするんだろう
ここが世界の中心
少し離れたところに滅びかけた日常
もっと離れたところに僕の親
抱きしめた財布の小銭入れが
じゃらりじゃらりと無為に鳴く
もっと救うべきものがあるんじゃないか
もっと頑張るべきなんじゃないのか
そう思いながら生きたがりの僕は
名も知らぬ学校の校庭の中心で
ちゃっかり生きる為の準備を済ませる
感傷だ、感情だ、勘定だ、
そうして助かって、少し落ち着いて、
ああ、あなたを心配してたと連絡をするんだろう
涙の理由が沢山あってわからなくなりながら
それでも安心したと声を震わせて。
きっと、そんな風にするだろう
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます