第30話 貧乏の悩み……
姫が黒髪になり人盛りが凄い教室。
他の姫子ファンも沢山見に来る。
光も登校 してきて、姫の黒髪に気付く。
「 姫ぇ~。 凄い似合う。やっぱり姫は可
愛いから絶対似合うと思ってたぁ♪ 」
「 ありがとう。
ちょっと照れ臭いけど……。」
皆にちやほやされて、恥ずかしくなっていた。
黒崎が登校してきて、直ぐに姫の髪色に気付きました。皆が姫子を囲んでいる中を
「 姫。髪染めたんだね。
凄い似合ってるよ♪ 」
姫は他の誰よりもその
嬉しいかった。
「 ありがとう。 これが普通だから♪ 」
姫は恥ずかしそうに答えた。
皆と変わらない、これが求めていた「当たり前」なのだと。
生徒指導の
「 コラ! お前いつになったら髪の毛を染め
て……来たのか……。それで良いんだ。
これからは染めるなよ? 」
モゴモゴし、ふて腐れながら帰って行った。
「 今の源次郎見た??
絶対怒りたくて来たのに、染めて来たから
消化不良になってる笑。」
光は大爆笑。 源次郎の珍しい姿だったので、皆も笑っていた。姫も
「 姫。君にもやっと信頼出来る仲間が出来
たんだね。 俺様は嬉しいよ…… 」
たまにクールっぽくなり格好つけるのが
大好き気分屋健でした。
健も姫の事が好きなので心配していました。
健には今は力が無かったので、何をすれば姫の為になるか分からなかったのです。実は単純な事なのです。
支える方法は、お金だけではないことがまだ分からなかったのです。
いつもの様にダラダラと授業が終わり、皆は一斉に帰り支度していた。
黒崎はいつもの様にバイトへ。
皆は、まだ何処で働いているかを知らない。
黒崎は最近の楽しみのバイトです。
何故忙しいバイトが楽しみなのか?
それは、バイト中に手紙をくれた人に会えるかも知れないので、毎日ウキウキしていた。 お礼をどうしても言いたかったのでした。
( どんな人なんだろうか?
可愛い人なのかな?
怖い人だったらどうしようか…… )
色々、妄想してしまいます。
実はあの日から、あの手紙の事を忘れられないでいたのです。
手紙は、黒崎の宝物になっていました。
急いで自転車に乗り、バイト先へ。
すると、道端にお財布が落ちていました。
凄い高そうなブランドの財布。
黒崎は直ぐに拾い、探している人が居ないか探す。
ですが、見つかりません。
( 困ったなぁ…… バイトもあるから寄り道したくないんだけどなぁ……。)
中を確認して、身分証明されてる物があるか確認してみる。
凄いカードの山…… ブラックカードを、初めて見た黒崎でした。
お札もいっぱい……
身分証明する物は見つかりませんでした。
黒崎は貧乏ですが、人のお金を盗むなんて考えたら事もありませんでした。
普通に働いてお金を稼いでる人でも、少しは悪意が出そうなお財布……
「 よし。 交番に届けよう! 」
黒崎はバイトに遅れても良いから、届ける事を優先しました。
すると、何処から見ても大富豪を絵に書いたようなおじさんが近づいて来る。
「 青年よ。その財布は私の物だ。すまんす
まん…… 」
こんな街中に来ているのは、珍しい光景でした。
すると、直ぐに秘書に財布を無理矢理取られ手首を捕まれてしまう。
「 いきなり何するんですか?
僕は何もしてませんよ? ただ、交番に
届けようと思ってたんですよ! 」
黒崎は本当に直ぐに交番に届けようと
思っていました。
でも秘書には、盗もうとしている様にしか見えなかったのでした。
「 やめないか!! ジェームズ。
青年を離してやれ! 」
龍平が吠える。
秘書のジェームズは、直ぐに黒崎を離してお辞儀をした。
「 すまなかったね。青年よ。
少し財布を落として、皆気を張っていた
んだ。許してくれ…… 」
龍平は頭を下げた。
「 いいえ。気にしないでください。
でも、何で僕が盗もうとしてないって思
ったんですか?
証明する事出来ませんでしたよ? 」
黒崎は警察に通報されたら、どう証明すれば良いか悩んでいた。
ですが、龍平は直ぐに信じてくれました。
何故なのでしょうか?
「 おっほっほい。遠くから君が挙動不審に
私の財布の中を覗いて閉めて、周りの建物
を見ていたんで交番を探してるように見え
ての。
盗む気があるなら、財布の中身を確認し
たときに、カードとお金を取って財布を
捨てるのが普通だからのぉ。 」
とても頭が良い。
良く人を見ている……
黒崎は洞察力に感心してしまいました。
人の上に立ち、経営しているだけありました。
「 良く人を見ているんですね。
これで失礼致します。」
黒崎は、機嫌が悪くなっていました。
泥棒扱いされたのですから……
「 そんなに焦るんじゃないよ。
お礼をさせてくれないかい? 」
札束を出して、黒崎の手に握らせました。
「 1割のお礼じゃよ♪ 」
龍平は本当に感謝していた。
黒崎はイライラしてしまいました。お金持ちの考え方に対して不満があったからです。
「 いらないですよ! そんなに貧しく見えま
したか? 僕はそんな哀れみなんかいらな
いです。失礼致します。」
黒崎は直ぐにバイト先へ向かってしまった。龍平も悪気は無かったのです。 ただ、感謝したかったのです。
「 ほい……。彼のプライドを傷付けてしま
ったみたいだなぁ……。申し訳ない。
彼の善意で拾った行為をもっと、他の表
現でお礼をすれば良かったのぉ。」
龍平はやるせない気持ちでいっぱいに
なっていました。龍平達もそこから去って行きました。
学校では……
「 姫ちゃん。一緒に帰らない?? 」
光と凄い仲が良いので、目立ちませんが
「 じゃあ、一緒に帰りましょうか? 」
姫も
中々、時間が合わなくて遊んだのがカラオケ
のときの一度きり…… 光を誘って3人で
帰る事になりました。
「
光が尋ねると、
「 今日はね、ダルくて休んだの。
だから、今日は3人で買い食いとかした
いなぁって思って笑。 」
姫と光は何となく分かっていたので、今日は存分に遊ぶ事に♪
でも、何処に行こうか……
今日は街中をぶらぶらする事になった。
前に、姫と光で遊んだ場所で買い物したり、アイス食べたりして3人は、楽しく遊びました。
「 あ~あ。もう夕方かぁ。もっと遊びたい
なぁ~。また明日から学校に、バイトか
ぁ…… 。」
少しいじける
我慢してた分、まだまだ遊びたい様子。
「 そうだなぁ……そうだ! この前に、行っ
たお寿司屋さんに行こうか?? 」
「 うん。行きたい♪ 私も行ってみたかった
の。」
なんと、この前行って美味しいかった
お寿司屋さんに行くことに。
黒崎が働いてるのは、誰も知らない。
「 あそこのお店は美味しいもんね♪
私達は、あの店の常連さんなの。」
姫も楽しみで興奮を隠せない。
姫には、今が一番楽しい青春だったのです。
3人は、直ぐにお寿司屋さんへ。
お寿司屋さんに着き、テーブル席へ。
今日は何故なのかわからないが、凄い混んでいました。
「 凄い人ですわ…… 」
「 本当にね。ウチに任せて! 」
光はあっという間に予約をして、テーブル席の予約をしました。
行動の早いのが、光の長所である。
「 光凄いね。 私には全然出来ないわ笑。」
雀は下に妹が3人居るので、家ではしっかりしていますが、プライベートは光に任せっきり。 友達は、やっぱり助け合いですね。
「 勿の論よ。 後少しでテーブルに座れるわ
よ♪ 」
光の行動力には姫もビックリ。
あっという間に呼び出し音が鳴り、テーブルに案内されました。
「 さすが光ですわ。 スマホ使いこなすと
こんなに便利なのね♪」
テーブルに着き安心して話をする姫。
熟練者の実力を見せつける為に、みんなにお茶を入れました。
この前、光に教わり覚えたのです。
「 皆さんどうぞ! 美味しいお茶ですよ♪ 」
二人は声を揃え
「 ありがとう♪ 」
姫は「 ありがとう 」と、言われるのが大好き。
今まであまり言われなかったから、最近言われるように努力している。
そして3人はお寿司を食べ始める。
黒崎は厨房で大忙し。
気付く事は出来るのか??
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